《【書籍化】『ライフでけてライフで毆る』これぞ私の必勝法》作戦會議

草原には野生っぽい魔がいっぱい!

なかでも象さんはものすごく強大でした。突進で何メートルも跳ね飛ばされちゃった……!

「ほー…………」

思わずと言った様子で、カナが聲をらす。

広大な草原のど真ん中にそびえたつ、大きな扉。転移門ってところかな。

ただぽつんと立っているこれがハリボテだとは、さすがに思えないし。

「ボス、でしょうか!」

「まー、順當に考えりゃそうやろうな。次點でただの部屋移

「ここまで何もなかったし、ボスな気がする!」

私たちが探索を開始してから、もう結構な時間がたっている。

それまでの間、この広大な草原で一つも扉などを見なかったことを考えると、やっぱり特別な存在であることは想像がつくだろう。

となると、やっぱりボスバトルっていうのがわかりやすいよね。何も起こらず次のエリアに行けるという可能も無くはないけれど……

「一応、準備していくか。消耗合とかはどうや?」

「さっきポーションで全回復したばかりだからね。問題ないよー」

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「わたしも、大丈夫です!」

「よし。じゃあ小休憩だけ挾んで、毆りこんでみるかぁ!」

おー! とトウカちゃんと二人同時にこぶしを突き上げて、顔を見合わせて笑う。

うん。コンディションも良好。

なんだかんだ、三人で強敵に挑むのは初めてだよね。わくわくするな。

小休憩の間に、いろいろと狀態も確認しておこう。

HPは當然問題ない。ポーションの在庫も、まだまだ充分。

長杖を現化させて、ぐっと握る。

◆◆◆◆◆◆◆◆

アイテム:バギーニャ·トロスティ

分類 :両手杖(要求STR10) ※要求筋力値を満たしていません

能 :魔法攻撃+50(+100) 理攻撃+5(+50) 魔法による回復効果を増強 AGI-10%

説明 :歴代の聖に代々け継がれてきた長杖。人々を護り救(たす)ける力を増幅させるという。

特殊な素材で作られているため、重量はかなり抑えられている……はずだが、重い人には重いらしい。

専用スキル[守護結界] 16545/16815

[イベントアイテム] [譲渡不可]

◆◆◆◆◆◆◆◆

あ、最大値が上がってる。いつの間にかレベル49になってたみたいだね。

あと一つで50か。ボスを倒せば上がるかな?

「作戦とか、ある?」

「がおーからの炎からのどっかーん」

「わかった!」

「いや待ってそれ普段と何もかわってないよ!?」

「はっはっは。冗談や」

「ふぇっ!? 冗談なんですか!?」

「流石にボスなら、多は考えんとな」

笑みを零しながら、カナが話す。

うんうん。しかも、かなりレベルが高い相手なのも間違いないもんね。

一応、ボスが居ない可能もないことは無いんだけども……

備えていて何も起こらないなら笑い話で終わるけど、逆だと灑落にならないから。

「敵にもよるけど、とりあえずトウカは開幕様子見かな」

「たしかに。どんな攻撃飛んでくるかわかんないもんね」

「最初手にユキがなるべく前に出て結界張って、それから様子を窺いつつチャージ。

んでウチが後方で準備……トウカって、様子見しながらできることあるん?」

「わたしですか? うーーーん」

考え込むようなしぐさを見せて、トウカちゃんが黙り込む。

ほんの數秒の沈黙を経て、ぱっと顔を上げた。

「あ、『TENSHON』ならありますよ!」

「テンション?」

「はい! 『TENSHON』!」

「ほー。知らんスキルやなぁ」

元気いっぱいに肯定をするトウカちゃん。

カナはそうでも無いみたいだけど、私はちょっとだけ引っかかった。

うーん。なんだろう、この違和

合ってるんだけど微妙にすれ違ってるような……あ。

「……それって、ローマ字表記だったりする?」

「ほえ? えーっと、T、E、N、S、H、O、N です!」

「やっぱりかーー!!」

「あー……なるほどなぁ」

どこか呆れたような、でも合點がいったような。

そんな表を見せるカナ。

やっぱりこれって、どう考えても『アレ』だよねぇ。

詳しく聞いてみたところ、どうやら開始初期からこのスキルを選んでいたらしい。

けれど、あまりに條件が厄介すぎて今まで使えたことが殆どないんだって。

いったいどんなものなのか聞いてみた結果が、こちらになる。

◆◆◆◆◆◆◆◆

技能:TENSHON

効果:その場で気合を溜める。そこから5秒、50秒、100秒のタイミングでTENSHON1,2,3を付與する。

しでもいた場合はカウントがリセットされ、さらにクールタイムが二倍になる。

再使用時間 TENSHON解放後100秒

◆◆◆◆◆◆◆◆

◆◆◆◆◆◆◆◆

狀態:TENSHON(1,2,3)

効果:全に力をみなぎらせている狀態。次の打撃による攻撃能が1.1倍(3倍、10倍)になる。

ただし、攻撃のための踏み込み以外で一歩でもくと、即座に解除される。

◆◆◆◆◆◆◆◆

「なんやこれ使い辛っ!?」

「わ~。楽しそうだねぇ」

「そう! そうなんですよ! 楽しそうだなーっておもって取ったんですけど……!」

「使い道を見いだせず、今の今まで來た……と」

カナの言葉に、こくりとトウカちゃんがうなずく。

「スタートのウサギさんでも、當たりもらったらよろめいちゃいますし」

「あー。ノックバックもダメなのかぁ。なおさら辛いねぇ」

「10倍ってのは素直にロマンあるけどな。他が完全にヘイトを取ったうえで、100秒後に近くまで導してくれればワンチャン……いや、それも十分ムズいが!」

しゅーんとした様子をみせるトウカちゃん。

垂れた丸っこい耳がなんとも可らしい。

……それにしても、ほんとこの耳よくできてるよね。

「まあでも最初は様子をみるくらいだし、折角だから溜めてみてもいいんじゃないかな。

もしかしたら決まるかもしれないし!」

「せやな。ダメもとでも、やってみたらええ。

折角、ユキっていう最強格の壁がおるわけやしな」

「わっかりました! じゃあ、久しぶりにチャレンジしてみますねっ。

がんばるぞぉーー!」

両手をぐっと握って、トウカちゃんが意気込む。

垂れていた耳はピンと立っていて、気合十分といったじだ。

「よし。じゃー打ち合わせはこんなもんかね」

「開幕で私がなるべく前に出て、そこで結界。

その間に、カナとトウカちゃんが後ろで準備ってじでおっけーだよね」

「ん。あとはまぁ、初見やし臨機応変にってじで」

「りょーかい!」

「はーい!」

しっかりと話し合いも済んだところで、休憩はおしまい。

三人そろって、扉の前に並び立った。

「いっくよー!」

扉に手をかける。ゴゴゴゴ……と重苦しい音を立てて、扉が開き始めた。

その先は白いであふれていて、こちらから様子をうかがい知ることはできないみたい。

當然、恐れることはない。

行くよ。いざ、勝負!

神の産シリーズその2 TENSHON

tensionじゃないです。TENSHONです。

あとしで一か月経っていたということになによりも私自が驚いております。

時間かかっている自覚はあったけど、ここまでだったとは。。

累計PV,トリプルミリオン達いたしました。本當にありがとうございます。

ほそぼそ続けてまいりますので気長にお待ちいただけましたら幸いです。

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