《【書籍化】『ライフでけてライフで毆る』これぞ私の必勝法》すっかり忘れてた

一日の振り返りを視聴者さんたちと終えて、ユキはそのままログアウト。

翌日を迎えたのでした。

「さて、みんなこんにちはー」

『おつ』

『がおつー』

『がおつー』

『がおつー』

『がおつ』

翌日。イベント明けとしては二日目になる、八月十四日の火曜日。

時刻としては午後一時前といったところ。

「今日もきてくれてありがとー。

まず最初に、急遽あさ來れなくなっちゃってごめんね」

『ええんやで』

『おけ』

『リアル優先してもろて』

『なんかあったん?』

『そういえば、朝配信はなかったね』

そう。もともと、昨夜寢る前に、『今日は午前10時くらいから配信します~』って告知してあったんだ。

そしたら、午前中に予定がっちゃってねぇ。

「ありがと~。その代わりってわけじゃないけど、今夜20時から別件で配信するよ。

容はまだ緒だけど、インクリに関わること!」

『ほう』

『ほう??』

『アプデかな』

『あー』

『アプデかw』

「ふふふ。まだ緒!」

ぶっちゃけた話、大正解なんだけどね。

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予想で盛り上がるコメント欄を目に、今日の予定を考える。

えーと、今やりたいことってなにがあったっけ?

何かあったはずだけども……なんだっけ。

「……とりあえず、適當にゴブリン狩りでもする?」

『いいね』

『よき』

『オーガリベンジできるかな』

『あれから結構被害でてる』

『オーガパーティ話題だよね』

『【悪魔】再臨しようぜ』

『草』

「あ~~オーガさんたちか~~!

確かに、あれはリベンジしたいなぁ」

あれは一週間前くらいだったかな?

グレゴールさんに頼まれたゴブリン狩りをやっておこうと、砦の跡地へ赴いた私。

そこで遭遇したのは、四の大鬼パーティだった。

立派な刀を攜えた、切り込み隊長。

ただ一人、重裝備で壁役を擔ったオーガパラディン。

強大な発を放つ、魔師。

そして最後に、騎士と二人で私の攻撃をことごとく防いで見せた、オーガの司祭。

彼らの巧みな連攜により、【聖魔砲】も【GAMAN】も破られ。

最後はサムライくんの一撃によって敗れてしまったのは、まだ記憶に新しい。

「……あの対決、今思い返せば負けたのに【悪魔】とかいう稱號ついたんだよね」

『wwww』

『草』

『そういえばw』

『追い打ちだったよね』

『悪魔(譽め言葉)だから』

『あの稱號自も謎だったっけ』

「あー、そうだね。思わせぶりな文字化けがあったはず」

えーっと、どんな容だったかな。

記憶が確かなら、三つくらい不穏な稱號あったよね。

確認しとこっか。

◆◆◆◆◆◆◆◆

稱號:悪魔

効果:一部のNPC好度に補正 迚ケ谿願?譚。莉カ

説明:一勢力から恐怖と破壊の象徴的存在と認識された者の証。

力無き者は名前を聞くだけで震え上がるという。

◆◆◆◆◆◆◆◆

◆◆◆◆◆◆◆◆

稱號:闇にれし者

効果:一部のNPC好度に補正 闇屬の威力が上昇。

説明:闇の技に手を出してしまった。しかし、この段階ではまだれただけである。深淵はまだまだ遠い。

◆◆◆◆◆◆◆◆

◆◆◆◆◆◆◆◆

稱號:闇に魅られし者

効果:一部のNPC好度に補正 迚ケ谿願?譚。莉カ 闇屬の威力が大幅上昇。

説明:立て続けに繰り返した業により、その手はすっかりと闇に染まってしまった。

かろうじて踏みとどまるも、このまま突き進むも。全ては當人に委ねられている。

◆◆◆◆◆◆◆◆

ささっとウィンドウを作して、表示させる。

改めて問題の稱號に直面して、思わず天を仰いだ。

「いや、これやっぱダメでしょ」

『www』

『不穏すぎるww』

『ドレインの代償重いなぁ(』

『これは

『これ、文字化けの容同じなんか』

『ん?』

『あーー』

「え? あ、ほんとだー!」

稱號説明の中で、文字化けがあるのは二か所。

それらを見比べてみれば、たしかに全く同じようにみえる。

つまり、どっちも同じ効果……ってことかな?

『なんだろうね』

『能力上昇とかなら、伏せる必要ないよな』

『わかる』

『フラグの類かな』

『闇系稱號がフラグになるのか(((』

『察した』

れただけなら大丈夫だったのに、魅られたらアウトになったってのも興味深いよね』

『アウトってww』

「ま、まだネガティブな容じゃない可能もあるでしょ!」

そう、もしかしたら、なにかプラスの容かもしれない。

一番ありそうなのは、『とか聖屬の弱化』なんだろうけど……それこそ、伏せる意味がないよね。

んー。なんだろう。何かの條件……とかかな? もしそうだとしたら、ろくでもない気がする。

「……まぁ、やっぱりできる限りドレインとかは使わないほうがいい気がしてきたね」

『そうね』

『むしろ使ってほしい』

『わかるw』

『どうなるのかみたいわ』

『そんなこと言いつつ使うに一票』

『ねww』

私も正直、そんな気はするよ。

このまえのイベントの時とか、使いまくっていたしね。

本當は、がおーもあんまり使いたくないんだけどなぁ!!

「コホン。とりあえず、今日はゴブリン退治ってことでいいのかな?

あわよくばオーガリベンジも狙うってじで」

『おけ』

『ゴブリンたち逃げて!?』

『悪魔がいくぞーー!!』

『また畫もできるのかな』

『あのめっちゃバズったやつね』

『あれも結局運営なんかな?』

『そりゃそうだろ。プレイヤーじゃあの視點は撮れん』

『どうだろうね』

「スキルの種類もとんでもない自由な世界らしいし、カメラマン的な存在がいても驚かないけどね~

さて。じゃあ、いこーか!」

偵察系のスキルを特化させて、臨場あふれる映像を殘す技能。

自分からちょっと離れたところでも撮影できちゃう技能。

そういうのがあっても驚かないなぁ。

『まあ、そうね』

『うい』

『888』

『オーガたちは今のうちに逃げてくれ』

『地下墓地は行かなくていいん?』

『いけーー』

『あ』

『あーーw』

『レベル50じゃん』

『わざと言わなかったのにwww』

「およ?」

レベル50?

あれ、何か忘れてる?

えーーっと………………あ。

地下墓地(カタコンベ)行かなきゃじゃん!!!

様が習得できる補助系技能のアイデア募集します。

様のスキルでもいいぞ!!

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