《【書籍化】盡くしたがりなうちの嫁についてデレてもいいか?》嫁が罰ゲームと引き換えにしてでも手にれたいもの(後編)

「ま、負けてしまいました……」

がくんと肩を落とし、項垂れるりこ。

の前で、俺も頭を抱えている。

なんでこんな結末になってしまったんだ……。

負けることが勝つことより難しいなんて知らなかった……。

「そうだ! 今のは練習ってことで、もう一戦しない!?」

「ふふっ。湊人くん優しいね。でも、それじゃあ賭けにならないからだめだよ。――ね、また私とオセロしてくれる?」

「もちろん」

「やったあ。じゃあ今回は湊人くんの勝ちってことで!」

「わかったよ」

これ以上やり直しを提案するのは、さすがに失禮だろう。

それにりこは悔しそうではあったものの、満足げな顔をしている。

りこ、俺とのオセロを楽しんでくれたってことかな?

だったらいいなぁ。

「それじゃあ湊人くん、私にしてほしいこと教えてください」

「……っ」

そうだ。

俺が勝ったということは、りこに何でも願いを聞いてもらえると言うことだ。

俺がりこにしてしいこと……。

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何でもしてくれるって言ってたよな……。

た、たとえば……手を繋いだり、とか……?

って、うそうそ、だめだって!

に浮かんだやましい考えを、慌てて追い払う。

そういうれ合いは、雙方がんだうえで行われないといけないやつだから!

お願いしてやってもらうなんて、絶対しちゃいけないっての。

とんだセクハラ野郎になるところだったし、気づけて良かった。

「……湊人くん、すごく悩んでる……? もしかして私にしてほしいことがまったくないとか……? ……私、湊人くんにとってそんな需要がないんだ……」

「ち、違う! してほしいことはあるけど、ハードルが高すぎて……!」

「え? どうして? 湊人くんがんでくれることなら、なんでもやるよぉ」

「……」

そうだった。

りこはとにかく度を越えた盡くしたがりなのだ。

「あ、あのね、りこ……! そういうことは言っちゃだめだ」

なんか前にもこういう話をしたことがあったな。

これ以上りこのから悩ましい問題発言が飛び出さないように、してほしいことを提案しないと。

そうだ、りこと同じように俺も質問に答えてもらうってのはどうだ?

普段は勇気が出せなくて、なかなかりこ自については尋ねられない。

でもこの流れなら不自然じゃないはずだ。

「俺もりこのことを聞いてもいいかな……?」

「……! もちろん! 湊人くんが私に興味を持ってくれるなんてうれしいな……」

むしろ興味しかないから、聞きたいことも山ほどある。

だけど、あんまりがっつくと気持ちがバレてしまいそうだ。

ちゃんと厳選した質問をしないと……。

いや、でも考え込むほど重い質問になりそうじゃないか……?

りこは五つの質問があると言っていたが、數が増えるほど墓を掘りそうなので、とりあえず俺は三つにしてもらった。

「じゃあひとつめの質問してください」

「う、うん」

俺が今りこに尋ねたいことといえば――。

まずシンプルに、ここ最近、気になって仕方ない疑問が頭に浮かんできた。

これこそこういう機會でもなければ聞けない容だ。

「そのー……りこの好きな人って、どんなじのタイプなの……?」

「……湊人くん、私の好きな人のこと気になるの?」

「えっ、あ、うん、ま、まあ。ほら、何かの時に相談に乗れるかなって思って!」

俺が苦しい言い訳をすると、りこはどういうわけかがっかりした顔でため息を吐いた。

「また早とちりしちゃった……」

「え?」

「ううん、好きな人のこと話すね! えっと、えっとね?」

りこは照れくさそうにもじもじとしたあと、両手の指先を合わせて、うっとりと空を見上げた。

「その人はね、全部魅力的で、今まで彼みたいに素敵な人に出會ったことがないの。すごく話しやすくて、的確なアドバイスをくれる人なんだ。……あとね、目が優しくて、とってもかっこいいの。えへへ」

……はは。

俺と真逆なタイプ……。

一致する要素をまったく見つけられないわ……。

りこは本當にうれしそうに相手の好きなところを語った。

こんなふうにりこに想われている相手のことが羨ましすぎて死にそうだ。

「けどさ……そんなに好きなら、告白しようと思わないの?」

これが二つ目の質問。

話の流れで尋ねてしまったのだけれど、おかげで自然なじで聞くことができた。

「……」

それまで幸せそうだったりこが、悲しげに瞳を伏せる。

「もう振られてるの」

「え……」

こんなかわいいりこを振るなんて……。

ありえないだろ……。

そいつバカなの……!?

愕然としている俺に向かって、りこは「でもね」と続けた。

「一方的に想っているだけでも幸せなの。その人のおかげで、毎日楽しいんだ」

「……そっか」

振られても諦められなくて、想い続けているなんて、本當にそいつのことが好きなんだな……。

自分で聞いておいて、心がえぐられる。

これ以上この話題を続けていたら、メンタルがやられそうなので、最後の質問はちょっと方向を変えることにした。

以前、りこに家事のお禮をしたいと思ったとき、俺は彼むことやしてしいことがまったくわからなかった。

だからこのチャンスにちょっとでも報収集しておきたいのだ。

「んじゃあ最後の質問、もし俺が『なんでも言うことを聞く』って言ったら、りこは何をしてしいって思う?」

「え……。えっ……え……っっっ!?」

途端に真っ赤になったりこは、自分でもそれに気づいたのか、慌てて隠すように両手で顔を覆ってしまった。

この反応はなんだ……?

よくわからないけれど、とにかく反応が可くて、俺まで照れくさくなってきた。

「うう……恥ずかしくて言えないよ」

そんなふうに言われたら余計気になる。

「もしいってくれたら、それをできるかぎり葉えるって言ったら?」

「……! ほんと……?」

「う、うん。俺にできることなら……」

「じゃあ言う! 言います!」

相変わらず真っ赤な顔のまま正座をし直したりこが、ぐっと前のめりになる。

変わりの早さに思わず笑ってしまう。

そんなに葉えてほしい願いなのか。

「うん、言って。何したらいい?」

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