《【書籍化】盡くしたがりなうちの嫁についてデレてもいいか?》高校生カップルの正しい過ごし方(休日編)③

結局りこの希どおりの品を購することになったのだけれど、レジを済ませたあと、また新たな問題が浮上した。

「りこ、本當にこれは俺が持つから」

「だめだよお。湊人くんを荷持ち係になんてできないもん」

そう。いつぞや商店街で買いをした時と同様、俺たちはまたしても、どちらが荷を持つかでめたのだった。

りこの選んだサーキュレーターは様々な機能の備わっているしっかりした品だったからか、そこそこ重量がある。

男の俺なら問題なくても、の子のりこが片手で持ち続けるのは負擔が大きすぎる。

「うーん、じゃあせめて商店街の時みたく二人で持つのは?」

「……それだと湊人くんと手を繋げなくっちゃう……」

くっ、た、たしかに。

もちろん、りこと繋いだ手を離すのは嫌だけれど、りこに重い荷を持たせるのだってありえない。

「……わかった。二人で持つことにして手を繋ぐのをやめるか、手は繋いだまま俺にサーキュレーターを持たせてくれるか、りこが選んで」

「……! その二択ずるいです……」

りこはうーっと唸って、その場にしゃがみ込んでしまった。

その間も繋いだ手はそのまま。

俺としてはまさかそこまで悩むんて思ってなかったから、かなり驚いた。

「大船駅までは湊人くんに持ってもらって、そこから私に代わるのは?」

上目遣いで尋ねられ、思わずガラッとなるが、ここは心を鬼にして……。

「だめだよ。 二人で持つか、俺が持つかのどっちかだよ」

「ううーっ」

「ねえ、りこ。本當に俺は平気だから、今回は頼ってよ」

「でもでも、それ重いでしょう!?」

俺は苦笑して首を橫に振った。

「全然重くないから安心して。俺も一応男だし」

「重くないの? 本當に?」

「うん」

「……どうしよう。かっこよすぎるよ……」

「えっ!?」

「あ! 思わず本音が……!」

りこが慌てて口元を押さえる。

「でもすごいね湊人くん。そんなに重いものを軽々持てちゃうなんて」

心しきったじで言うから、照れくさくて仕方ない。

「こういう時、やっぱり湊人くんは男の子なんだーって思えて、ドキドキしちゃうの。えへへ」

ああっ。もう。かわいすぎて困る。

の力の差によってりこに意識してもらえるなら、今日から筋トレでもしようか。

◇◇◇

ゆっくり買いをしたため、家電量販店を出ると、ちょうど晝時になっていた。

「晝飯、どこかで食べてく?」

深く考えずにそう尋ねたら、りこは勢いよく頷いた。

おなか減ってるのかな?

なんだかかわいいなと思って自然と笑みが零れる。

りこと一緒にいると、ドキドキすることも多いけれど、こんなふうに穏やかで優しい気持ちになれて、いつもよりずっと笑う回數が増える。

天使みたいなりこの存在が、そんなふうに俺をかえてくれるのだ。

「りこ、どこの店にろうか? 何食べたい?」

「湊くんはいつもどんなでお店に行くの?」

「うーん、俺は食にこだわりないほうだから。安くて一人でもり易い店ばっかりだよ」

「私もそこに行ってみたいな」

「だけど、ラーメン屋とか牛井屋とかだよ?」

「うん。湊人くんが好きなお店で食べたいの」

りこはそう言ってくれたが、さすがに牛丼屋に連れてくわけにもいかない。

俺は悩みに悩んで、よく訪れる店の中でも比較的おしゃれなハンバーガー屋を選んだ。

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