《【書籍化】盡くしたがりなうちの嫁についてデレてもいいか?》デートなので傍にいたいと甘えてくる嫁
特別な日のデートにはサプライズがおすすめだと書いてあったので、今日の目的地はまだりこに告げていない。
行き先に関しては、麻倉が々と相談に乗ってくれ、その場所なら間違いないとお墨付きをくれたので、多分大丈夫なはずだ……。
目的地までのルートは、百回以上確認してすべて暗記している。
りこには、到著するまで行き先はだと伝えた。
するとりこは、「わあ、すごい! ワクワクしちゃうなあ」と言って、手を叩いて喜んでくれたのだった。
その振る舞いがめちゃくちゃらしくって、サプライズを採用してよかったと心底思えた。
ふたりで家の外に出ると、空は青く澄み渡っていた。
このじだと梅雨が明けたのかもしれない。
天候に恵まれて幸先は上々。
俺はりこを連れて大船駅へ向かい、予定通り到著した電車に乗り込んだ。
日曜日の車は、平日に比べて空いているものの空席を探すのは困難だ。
しかし、運よく隣の駅で目の前の客が下車し、正面の席が一つ空いた。
Advertisement
「りこ、座って」
「私は大丈夫だから、湊人くんどうぞ」
「えっ!? いやいや、りこどうぞ!」
りこは困り顔で首を橫に振る。
雑誌には、とにかくの子が疲れないよう気を遣ってあげることが大事だと書いてあったのに、予想外のことが起きて、心かなり焦った。
まずい。こういうパターンのときはどう立ち回ったらいいんだ。
りこは俺の返事を待たずに、席を立ち上がろうとしている。
こうなったら返事なんてなんだっていい。
とにかく、りこを疲れさせないことを最優先させないと……!
「俺は立ってたい気分だから、りこは気にせず座ってて!」
「立ってたい気分?」
りこはパチパチっと瞬きをした後、口元に手を當てて小さく笑った。
「ふふっ。私に席を譲ってくれようとしてるんでしょう?」
ああ、もう……。
あっさり意図を見破られてしまった。
これじゃあますます優しいりこは遠慮してしまうだろう。
案の定、りこはこんなことを言い出した。
「ねえ湊人くん、目的地まではどのぐらい?」
「えーっと……あと三十分ってところかな」
「そうしたら、半分まで行ったところで席を代しよう?」
「それじゃあだめだ……」
「え?」
俺が目の前に立っているせいで、りこは余計に気を遣うのだろう。
「俺、車両の奧のほうで寄りかかってるよ。りこはこのままここに座ってて」
りこの両肩を遠慮がちな力で摑んで座らせる。
ポッと赤くなったりこは、「こんなのずるい」と言いながら、俺を上目遣いで見上げてきた。
「降りる駅の前になったら聲かけるから」
「……! 湊人くん……!」
りこが焦ったような聲で小さくんだが、俺は心を鬼にしてその場を後にした。
このまま背を向けていれば目が合うこともないし、りこも俺に遠慮せず済むだろう。
今日のりこ、いつにもましてかわいいから本當はずっと視界にれてたいんだけど……。
自分の願より、りこを最優先させるのが正しいに決まっている。
そのまま退屈な車広告を見つめつつ、何日もかけて頭に叩き込んできたデートを功させるうえでのルールを暗唱していると、次の駅で電車が止まった。
パラパラ降りていく人と、パラパラ乗ってくる人。
人の流れが落ち著き、電車の扉が閉まったとき――。
「湊人くん」
耳に心地いいらかい聲を聞いて、驚き振り返ると、しむくれた顔をしたりこが真後ろに立っていた。
りこがさっきまで座っていた席には、大きな荷を抱えたの姿がある。
「席譲ってあげたの?」
「うん。だって湊人くんと一緒にいたかったから。もうっ、置いていっちゃうなんてひどいよ」
「ご、ごめん……」
反的に謝ると、りこはすぐ笑顔になった。
「はい、せっかくのデートだから傍にいようね」
「え? わっ!?」
りこは手すりに捕まっていないほうの右手に、きゅうっとしがみついてきた。
な、なななななにこのかわいい生き……!
「湊人くんと三十分も離れ離れなのは悲しいよぉ」
「そ、そうだったの?」
「私、デートだから浮かれちゃってるみたい。それできっと、いつもより張りになっちゃってるんだと思うの。……湊人くんはこうやってくっつかれるの嫌? もしかして、電車に乗ってるときまで一緒にいたがるの迷だったかな……。湊人くんが嫌なら悲しいけど我慢します……」
「まさか! 嫌なんてことないよ……!」
「ほんと? 我慢してない?」
「してない! ほんと!」
「そっか……。よかった……」
俺があわあわしている隣で、ぴたっとくっついたりこはうれしそうに瞳を細めた。
先週、りこと一緒に手を繋いで電車に乗ったとき以上に距離が近いから、どうしようもなくが苦しい。
もちろん先週もそうだし、春の遠足で満員電車に乗ったときもドキドキしっぱなしだったけれど、今回の幸福度は桁違いだ。
やばい……。
幸せ過ぎて何も考えられない……。
電車の中でこんな著してていいのかな……!?
いや、でも腕を組むぐらいなら多分許されるはず……。
ゆるされ……ゆるされ……だめだ、幸せ過ぎて脳みそがとけてる……!!
幸福に酔いしれてしまった俺が、落ち著きを取り戻すまで、三駅分かかった。
想欄は楽しい気持ちで利用してほしいので、
見る人や私が悲しくなるような書き込みはご遠慮ください( *´꒳`*)੭⁾⁾
書籍版のイラストを掲載しているので、是非下まで見てください~!↓
【書籍化&コミカライズ】私が大聖女ですが、本當に追い出しても後悔しませんか? 姉に全てを奪われたので第二の人生は隣國の王子と幸せになります(原題『追放された聖女は、捨てられた森で訳アリ美青年を拾う~』
☆2022/11/4 スターツ出版様 ベリーズファンタジーより発売予定です☆ 改題「私が大聖女ですが、本當に追い出しても後悔しませんか? 姉に全てを奪われたので第二の人生は隣國の王子と幸せになります」 ☆2022/6/12 白泉社マンガpark様にてコミカライズです☆ 原題「聖女は、捨てられた森で訳アリ美青年を拾う~今の生活が楽しいので、迎えに來られても帰りたくありません!~」でコミカライズ中です。 リアは九歳のとき、十二歳になる姉プリシラについて神殿に行く。そこで、姉妹ともども聖女と認定されてしまう。 この國ではひと家庭で二人以上聖女認定された場合、一人を差し出さなければならない。両親は聡明で美しく魔法を使えるプリシラを手放すのが嫌で、迷わず妹のリアを差し出した。 神殿に召し上げられたリアは聖女候補として厳しい修行を積み、六年後晴れて聖女となる。神殿の聖女の中でも、最も強い神聖力をもつリアは、神託により王太子の婚約者となった。 リアは金髪で美しく優しい王太子に淡い戀心を抱く。しかし、順風満帆に見えた將來に陰りが生じはじめた。 アリエデ王國の最北にある黒の森で魔物が大量発生したのだ。リアはこの國の聖女として討伐隊に參加しなければならない。王都と愛しい王太子に別れを告げ討伐隊とともに旅立った。 そして二年にわたる戦いののち、魔物の封印をなしとげ、王都に凱旋するはずだった。 だが王都に帰ったリアを待ち受けていたのは同僚聖女と戦友のうらぎり。 王太子との婚約もいつの間にか破棄されていて、新たに姉のプリシラが護國聖女の名を冠し、王太子の婚約者におさまっていた。 魔物討伐を長引かせた責をおわされ、役立たずの聖女として國を追放されたリアは、西側の隣國との緩衝地帯である惑い森へ捨てられる。そこにたくさんの魔物が巣食っていて……。 森をさまよううちに彼女は、魔獣に襲われた瀕死の金髪美青年を拾う。 ≪全51話予約投稿済み! 毎日18時ごろ更新予定≫ 流行りの追放聖女テンプレのつもり。聖女は無自覚でざまぁ(予定)します。題そのものがあらすじです。足の不自由な人が出てきます。タグ注意、地雷のある方はお逃げください。 誤字脫字報告ありがとうございます!!
8 95僕の前世が魔物でしかも不死鳥だった件
この世界に生まれたときから、僕は自分の前世が魔物であることを知っていた。 周りの人たちとは違うことを。 その前世の力は、今もなお自分に宿っていることも。 不死鳥。 死ぬことのない不死の鳥。 なら何故、不死鳥(ぼく)はこの世界に転生したのか。 そして、何故この平凡な現代を生きているのか。 以前に小説家になろうで公開したやつです。 お試しで投稿します。
8 168異世界転移で無能の俺 ─眼のチートで成り上がる─
淺川 祐は、クラスでの異世界転移に巻き込まれる。 しかし、ステータスは低く無能と蔑まれる。 彼が唯一持ったスキル「眼」で彼は成り上がる。
8 139始創終焉神の俺、異世界を満喫する!
神々を造り出した最古の神である俺、覇神魔王 竜鬼(はしまの りゅうき)はある日反逆した神達に殺された。そして異世界へ飛ばされてしまう。しかし自分の作った神が始めて反逆してくれたことに喜んでいた竜鬼は、異世界を満喫することに!?圧倒的な力で反逆者からの刺客を倒しながら世界を変えていく、彼の伝説が始まる… 処女作になりますゆえ、暖かい目で見ていただけると幸いでございます。投稿は速くするよう心掛けますが、不定期で投稿させていただきます。また、この作品では神の數えかたを一人、二人,,,とさしていただきます。よろしくお願いいたします。
8 187貓神様のおかげで俺と妹は、結婚できました!
勉強、運動共に常人以下、友達も極少數、そんな主人公とたった一人の家族との物語。 冷奈「貓の尻尾が生えてくるなんて⋯⋯しかもミッションなんかありますし私達どうなっていくんでしょうか」 輝夜「うーん⋯⋯特に何m──」 冷奈「!? もしかして、失われた時間を徐々に埋めて最後は結婚エンド⋯⋯」 輝夜「ん? 今なんて?」 冷奈「いえ、なんでも⋯⋯」 輝夜「はぁ⋯⋯、もし貓になったとしても、俺が一生可愛がってあげるからな」 冷奈「一生!? それもそれで役得の様な!?」 高校二年の始業式の朝に突然、妹である榊 冷奈《さかき れいな》から貓の尻尾が生えてきていた。 夢の中での不思議な體験のせいなのだが⋯⋯。 治すためには、あるミッションをこなす必要があるらしい。 そう、期限は卒業まで、その條件は不明、そんな無理ゲー設定の中で頑張っていくのだが⋯⋯。 「これって、妹と仲良くなるチャンスじゃないか?」 美少女の先輩はストーカーしてくるし、変な部活に參加させられれるし、コスプレされられたり、意味不明な大會に出場させられたり⋯⋯。 て、思ってたのとちがーう!! 俺は、妹と仲良く《イチャイチャ》したいんです! 兄妹の過去、兄妹の壁を超えていけるのか⋯⋯。 そんなこんなで輝夜と冷奈は様々なミッションに挑む事になるのだが⋯⋯。 「貓神様!? なんかこのミッションおかしくないですか!?」 そう! 兄妹関連のミッションとは思えない様なミッションばかりなのだ! いきなりデレデレになる妹、天然幼馴染に、少しずれた貓少女とか加わってきて⋯⋯あぁ、俺は何してんだよ! 少しおかしな美少女たちがに囲まれた少年の、 少し不思議な物語の開幕です。
8 70內気なメイドさんはヒミツだらけ
平凡な男子高校生がメイドと二人暮らしを始めることに!? 家事は問題ないが、コミュニケーションが取りづらいし、無駄に腕相撲強いし、勝手に押し入れに住んでるし、何だこのメイド! と、とにかく、平凡な男子高校生と謎メイドの青春ラブコメ(?)、今、開幕!
8 66