《斷罪された悪役令嬢は、逆行して完璧な悪を目指す(第三章完結)【書籍化、コミカライズ決定】》01.悪役令嬢は斷罪される
無知な公爵令嬢には驕りがあった。
だから王城で開催された學園の卒業パーティーにも、を張って一人で場できた。
しかし王太子殿下を見つけた瞬間、ただでさえキツい目がつり上がる。
「わたくしは殿下の婚約者ですのよ! どうしてエスコートしてくださらないの!」
恥をかかされたと、殿下へヒステリックに詰め寄った。
更には殿下の肩越しに妹フェルミナの姿を認め、ギリッと奧歯を鳴らす。
(どこまでも邪魔な子!)
クラウディアは、この半分だけの繋がった平民出の異母妹が大嫌いだった。
目が合うなり怯える姿にイライラさせられる。
しまいには冷ややかな態度の殿下でさえ気にらない。
「婚約者ではない。婚約者候補だ」
「どちらも同じですわ!」
このときまで、クラウディアは統に裏付けされた、自分の分は揺らがないと信じ切っていた。
國の第一王子であるシルヴェスターとは、はとこの間柄。
他の婚約者候補の爵位が、公爵家より劣っているのを鑑みれば、婚約者は自分に決まっていると。
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クラウディアがそう言い募ろうとしたとき、パーティーの主役であり、卒業生となる兄のヴァージルが妹を庇うように前へ出る。
「同じじゃない。それにもうお前は、婚約者候補ですらなくなった。父上が、公爵家からお前の籍を抜き、修道院へ送ると決められたからな」
兄の口から出た言葉の意味が理解できなかった。
瞳を大きく揺らし、ありえないと掠れた聲で呟く。
(修道院? わたくしが? 公爵令嬢で、殿下の婚約者であるわたくしが?)
瞠目するクラウディアを見下ろし、兄は吐き捨てるように続ける。
「お前がフェルミナを過度にげていたことは調べがついている。見損なったぞ。半分とはいえを分けた妹に、よくここまで非道になれたものだ」
兄の言葉に、殿下の隣に立つ騎士団長令息も、端整な顔を歪ませた。
彼も事を知っているらしく、一緒になってクラウディアを責める。
「果ては悪漢に襲わせようとするなんて……公爵令嬢として、あなたは何を學んできたんですか!」
(なに、どうなっているの?)
狀況に頭が追いつかない。
同い年である妹をげてきたのは事実だ。
人の子という立場をわからせるため、悪漢に襲わせようとしたのも。
けれど何故、この煌びやかな場で、自分が責められなくてはいけないのか。
大広間の天井ではシャンデリアが輝き、オーケストラの生演奏が風にのって聞こえてくる。
卒業生を祝うため、送り出す側の在校生は等しく著飾り、パーティーに花を添えていた。
クラウディアも兄の卒業を祝うため、寶石をふんだんにあしらったドレスを著てきたというのに。
「もう、やめてください!」
遂には嫌悪してやまない妹まで聲を上げる。
兄の背に隠れていた彼は、何を思ったのかピンクブラウンの髪を揺らしながら前へと躍り出てきた。
小を連想させるくるしい。
妖艶な黒髪を持つクラウディアとは正反対に、明るいで彩られた妹は、目に涙を浮かべている。
そしてクラウディアへ近付くと、まるで勇気付けるように肩を抱いた。
突然のことに、が強張る。
「お姉様だって、話せばわかってくださります。みんな責め立てないで!」
「フェルミナ、お前の優しさはクラウディアのためにならない」
「でもお兄様……!」
自分の主張が通らないとわかり、可憐なは悲しげに顔を伏せる。
その際、笑いを堪える口元を見たのは、クラウディアだけだった。
「あなたっ」
「お姉様、あたしは信じています! 修道院にれば、必ず改心してくれるって!」
肩から手を放し、クラウディアと向き合うフェルミナ。
かけられる聲はどこまでも同的で、周囲はフェルミナの優しさにした。
しかし、クラウディアの目に映ったのは。
愉悅に頬を染める、妹の兇悪な表だった。
妹の隠された一面を目の當たりにし、口を開いても言葉が出てこない。
そんなクラウディアを嘲るように、フェルミナは目で弧を描き、ぷっくりとしたらしいを音もなくかした。
――いい気味、と。
[完結しました!] 僕は、お父さんだから(書籍名:遺伝子コンプレックス)
遺伝子最適化が合法化され、日本人は美しく優秀であることが一般的になった。そんなご時世に、最適化されていない『未調整』の布津野忠人は、三十歳にして解雇され無職になってしまう。ハローワークからの帰り道、布津野は公園で完璧なまでに美しい二人の子どもに出會った。 「申し訳ありませんが、僕たちを助けてくれませんか?」 彼は何となく二人と一緒に逃げ回ることになり、次第に最適化された子どもの人身売買の現場へと巻き込まれていく……。 <本作の読みどころ> 現代日本でのおっさん主人公最強モノ。遺伝子操作された周りの仲間は優秀だけど、主人公はごく普通の人。だけど、とても善人だから、みんなが彼についてきて世界まで救ってしまう系のノリ。アクション要素あり。主人公が必死に頑張ってきた合気道で爽快に大活躍。そうやって心を開いていく子どもたちを養子にしちゃう話です。 ※プライムノベルス様より『遺伝子コンプレックス』として出版させて頂きました。
8 144【電子書籍化】婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣國へ行きますね
アンカーソン伯爵家令嬢メリッサはテイト公爵家後継のヒューバートから婚約破棄を言い渡される。 幼い頃妹ライラをかばってできたあざを指して「失せろ、その顔が治ってから出直してこい」と言い放たれ、挙句にはヒューバートはライラと婚約することに。 失意のメリッサは王立寄宿學校の教師マギニスの言葉に支えられ、一人で生きていくことを決斷。エミーと名前を変え、隣國アスタニア帝國に渡って書籍商になる。 するとあるとき、ジーベルン子爵アレクシスと出會う。ひょんなことでアレクシスに顔のあざを見られ——。 ※エンジェライト文庫での電子書籍化が決定しました。詳細は活動報告で告知します。 ※この作品は他サイトにも掲載しています。 ※「小説家になろうnavi」で2022/10の朗読作品に選ばれました。
8 147【電子書籍化】殿下、婚約破棄は分かりましたが、それより來賓の「皇太子」の橫で地味眼鏡のふりをしている本物に気づいてくださいっ!
「アイリーン・セラーズ公爵令嬢! 私は、お前との婚約を破棄し、このエリザと婚約する!」 「はいわかりました! すみません退出してよろしいですか!?」 ある夜會で、アイリーンは突然の婚約破棄を突きつけられる。けれど彼女にとって最も重要な問題は、それではなかった。 視察に來ていた帝國の「皇太子」の後ろに控える、地味で眼鏡な下級役人。その人こそが、本物の皇太子こと、ヴィクター殿下だと気づいてしまったのだ。 更には正體を明かすことを本人から禁じられ、とはいえそのまま黙っているわけにもいかない。加えて、周囲は地味眼鏡だと侮って不敬を連発。 「私、詰んでない?」 何がなんでも不敬を回避したいアイリーンが思いついた作戦は、 「素晴らしい方でしたよ? まるで、皇太子のヴィクター様のような」 不敬を防ぎつつ、それとなく正體を伝えること。地味眼鏡を褒めたたえ、陰口を訂正してまわることに躍起になるアイリーンの姿を見た周囲は思った。 ……もしかしてこの公爵令嬢、地味眼鏡のことが好きすぎる? 一方で、その正體に気づかず不敬を繰り返した平民の令嬢は……? 笑いあり涙あり。悪戯俺様系皇太子×強気研究者令嬢による、テンション高めのラブコメディです。 ◇ 同タイトルの短編からの連載版です。 一章は短編版に5〜8話を加筆したもの、二章からは完全書き下ろしです。こちらもどうぞよろしくお願いいたします! 電子書籍化が決定しました!ありがとうございます!
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