《斷罪された悪役令嬢は、逆行して完璧な悪を目指す(第三章完結)【書籍化、コミカライズ決定】》42.悪役令嬢は王太子殿下から宣言される
すっきりした目覚めだった。
まどろむこともなくクラウディアは起き上がる。
蓄積されていた疲れが解消されてが軽い。
しかし、いつものようにヘレンを待とうとしたところで違和を覚えた。
(ここは――!?)
自分が滯在している部屋との違いに気付いた瞬間、昨晩の記憶が次々と蘇る。
(やだ、わたくしったらあのまま寢ちゃったの!?)
シルヴェスターにベッドへ促され、押し倒されたときは張と恥ずかしさのピークだった。
荒々しい息遣いをでじたのを覚えている。
口付けは急だったけれど、れられる指使いは優しくて。
何度も、何度もが重なって息が上がった。
そのときの熱がぶり返して、両手で頬を包む。
(熱くて、焦れったくて、でももっとしてしくて……)
キスだけじゃ足りないと思いつつも、與えられる刺激が心地良かった。
がっしりした軀に覆い被さられても不安はなかった。
むしろ守られている安心があった。
(でも眠るのはないわ)
それでも元娼婦かと自分をなじりたくなる。
しかも隣でシルヴェスターが寢ていた形跡はない。
ホテルの部屋には寢室の他に客室もあった。
もしかしてそちらで眠ったのかと視線をかしたところで、再熱していたからさああっと音を立てての気が引く。
「起きたか?」
昨晩出迎えられたときにも座っていたソファーに、シルヴェスターがいた。
それも目の下にクマを作って。
「シル、ごめんなさい!」
疲れているのはシルヴェスターも同じだろうに、無理をさせてしまった。
しかもあんな狀況で寢落ちされた心境を考えると反省しかない。
銀髪を軽く揺らしたシルヴェスターから、いいんだ、とか細い聲が返ってくる。
「ディアの疲れが癒えたのなら良い」
「シルは、ずっと起きてらしたの?」
「寢ようと思ったのだが寢付けなくてな。徹夜は慣れているから気にすることはない」
立ち上がったシルヴェスターはそのままベッドへ腰かける。
そして寢起きで若干れたままの黒髪へ手をばした。
頭をでられると心地良くて、また目を閉じてしまいそうになる。
「安らかな寢顔や、寢起きの君を見られて々吹っ切れたよ」
「そ、そうですの?」
「初夜は寢かせない」
「シル!?」
「朝までと言わず、一日中し合おう」
「シル、あの」
「君が大丈夫そうなら期間を延ばしてもいい。何日でもし合おう。誰にも邪魔されないよう、執務はきっちり終わらせておく」
急を要する案件は父上へ投げればいいとまで言われ、クラウディアは慌てた。
発言が不穏過ぎる。
徹夜の影響なのは明かだった。
「シル! 今からでも眠ったほうがよろしいのではなくて?」
「君がいないところでか?」
「寢るまで見守っています! 子守歌も歌って差し上げますわ!」
「そうか、なら抱き枕になってもらおうかな」
「きゃっ」
クラウディアを腕に閉じ込めるなり、シルヴェスターが仰向けに倒れる。
ベッドのスプリングが軋み、二人のが弾んだ。
すると呆気なくシルヴェスターは寢息を立てはじめた。
(やっぱりお疲れだったのね……心労を上乗せしたのは、わたくしでしょうけど)
猛省するしかない。
本番はしなくても、男をすっきりさせる方法を知っているだけに申し訳なかった。
一回だけでも付き合えば、シルヴェスターも眠れたかもしれないのに。
(……一回では済まないかしら)
先ほどの不穏な発言が思いだされる。
あれは數をしたい本音の表れだろう。
腕に抱かれた狀態でシルヴェスターを伺う。
(そういえば、わたくしもシルの寢顔を見るのははじめてだわ)
逢瀬の中で、まどろんでいたときはある。
けれど無防備に寢ている姿は記憶になかった。
疲れているだけかもしれないが、信頼されていなければここにはいない。
二人の特別な関係が現されているようで、ほんわりとが溫かくなる。
目の下にあるクマに申し訳なさが募るけれど、クラウディアは目を閉じていても麗しい顔を飽きずに眺め続けた。
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