《斷罪された悪役令嬢は、逆行して完璧な悪を目指す(第三章完結)【書籍化、コミカライズ決定】》43.悪役令嬢は平常心を取り戻す
晝前には起きたシルヴェスターと晝食をとる。
支度を済ませたあとは、いつも通りの二人だった。
それでも夜を共にした――一人先に寢てしまったけれど――事実は変わらず、蜂のような甘い空気が漂う。
(くすぐったくじるのは、わたくしだけかしら?)
ちらりとシルヴェスターを伺っても、穏やかさは変わらない。
ただ目が合うと黃金の瞳がとろけた。
艶の増した表に頬が熱くなる。
互いに特別だとじているのは間違いなさそうだ。
なんとなく気恥ずかしくなって、膝の上で自の指を絡める。
いつまでもこの空気に浸っていたいが、そうもいかない。
「樞機卿のことなのですけれど」
「商館との契約についてだったな。教會とわすならと思うが、どうもきな臭い」
「やはり何か企みがありますわよね」
「ディアはどうするつもりだったのだ?」
「何かしらの方法で、連合王國を巻き込めないかと考えておりました」
ナイジェル樞機卿も言っていた通り、お互い損のない契約だ。
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表向きアラカネル連合王國は嫌がるとも言っていたが、果たして本當にそうだろうか?
アラカネル連合王國と手を組みたくないのは教會――ナイジェル樞機卿――のほうではないかとクラウディアは思う。
何せスラフィムは唯一神信仰を否定しないと公言している。
お互いに譲歩し合えるなら、手を組める可能があった。
「樞機卿は獨斷で人を移させたいのだと思います」
商館すら蚊帳の外にしたいから、教會が全責任を負うと言ったのだ。
けれど黙って見ているクラウディアではない。
商館の名前で募集をかける以上、商館にも責任は生じる。
アラカネル連合王國を巻き込めなくても、正式な書面での契約は監査を條件にするつもりだった。
介できる余地さえあれば、企みを阻止できるからだ。
「このままドラグーンに仕切ってもらうほうが、我々としては管理しやすいな」
ナイジェル樞機卿が港町をもドラグーンの縄張りにしようとしているのは、スラフィムやルキの報でわかっていた。
ここを拠點にアラカネル連合王國でも支配地域を広げようという魂膽だろうが、それ以外についてはわかっていない。
ナイジェル樞機卿も報洩は注意しているらしく、今後の展をドラグーンに話したりはしていなかった。
「スラフィム殿下がお許しになるでしょうか?」
「元々あちらも繋がっていたのだ。否は言わせぬ」
昨日クラウディアがケイラたちを助け、商館へ向かった頃、シルヴェスターはルキを捕まえていたことを聞かされる。
「ディアに付けていた影から報告があってな。影もあいつの変裝には気付けず、ディアに心していた」
変裝といっても、雙子といっても差し支えないぐらい似ている二人である。
事前にそれぞれ接していなければクラウディアも見抜けなかっただろう。
「影まで付けてくださっていたのですね」
「仮に教會が相手になるなら、出來る限りのことはしておきたかったのだ」
あくまで影は保険だった。
クラウディアの不安を煽るわけにはいかないため、にされていたという。
「ルキの存在で、スラフィム殿下との繋がりが判明した。協議で先に本人から白狀されたが」
「そうだったのですか?」
「狀況的に隠し続けるのは悪手だと判斷したのだろう。襲撃事件のせいで立場が悪くなっている上、私の追及をければ目も當てられぬからな」
だとしてもスラフィムには、ルキの存在がバレる確証はなかったはずだ。
彼らが合流したのは協議のあとだった。
それまでスラフィムは、ルキがシルヴェスターに捕まっていたことを知らない。
「確証はなくとも、可能で判斷されたのですね」
「襲撃事件で後手に回ったとはいえ、傷口を最小限で留めた形だろう。決斷力は流石といえるが、私が容赦する理由にはならぬ」
ハーランド王國が必要悪としてドラグーンを黙認する以上に、彼らには強い繋がりがあった。
既に利益も得ているとなれば、スラフィムは下手に出るしかない。
首の皮一枚で乗り切ったものの、協議は終始シルヴェスター主導で進められたようだ。
「構員の証言は証拠として使えないが、報は使える。樞機卿には早々にご退場いただこう」
ルキがここにいれば喜んだだろうか。
彼のみ通り、シルヴェスターがくのだから。
裏を返せば、それだけナイジェル樞機卿はあくどかった。
(もっと早く気付けていれば……)
無理な話だとわかっていても、犠牲になった人を思うとが痛い。
樞機卿は人質にとった貧民街の人々を見せしめに殺めていた。
それもドラグーン以外には悟らせない狡猾なやり方で。
(樞機卿本人でなくとも、貧民街の住民に比べて修道者の発言力は強いもの)
修道者が彼らの罪を訴えただけで、警ら隊は疑うことなくく。
軽犯罪が日常化している貧民街だ。
元々心証が悪い住民たちに対し、公正な捜査がおこなわれるとは限らない。
そこへ権力が加わればどうなるだろうか。
ナイジェル樞機卿は巧みに警ら隊を導し、無実の住民を罰した。
自分が手を汚すことなく、どれだけ容易に人を殺せるかドラグーンへ見せ付けたのだ。
(悪辣極まりないわ)
しかも彼がかしたのは警ら隊だけではなかった。
修道者を使い、村八分にされた住民もいるという。
普段世話になっている修道者から迫害された住民に逃げ場はない。
そもそも貧民街自が、弱者にとって最終的な逃げ場なのだ。
そこへ留まれなくなった人の末路を考えると、ルキの怒りにも納得がいく。
これらはルキがクラウディアを信用してくれたからこそ得られた報だ。
スラフィムも狀況が切迫したからシルヴェスターに全てを曬せた。
このタイミングでなければ事態はかなかった。
とはいえ、クラウディアのには悔恨が殘り続けた。
リターン・トゥ・テラ
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