《【書籍化&コミカライズ】偽聖とげられた公爵令嬢は二度目の人生は復讐に生きる【本編完結】》24話 お祭り
「ほら。ここに餌をつけて釣るんだ」
天のお店でロゼルトが大きな水桶にっている小魚を指さした。
桶のなかにはとても小さな小魚達が數多く泳いでいる。
ロゼルトはお店でだされた糸の先に餌を巻きつけてリシェルに渡してくれる。
「釣ってどうするのでしょう?」
前の人の釣っている様子を真剣に見つめながらリシェルが聞いた。
「餌を與えてない魚だかられ食い狀態で魚自はすぐ釣れる。
當たりなのは金の魚だ。
あれを釣れると今年一年幸運が続くって言われているんだ」
「おまじないみたいなものですね」
「ああ、そうだな。
ほら見てろよ」
そう言って勢い良く金の魚を目指して糸をたれ落とすロゼルトだったが……すぐに赤い魚が群がり釣れたのは赤い魚だった。
「あー。今年もだめだぁぁぁ」
頭を抱えるロゼルトに
「毎年來ていたのでしょうか?」
と、リシェルが聞く。
「祭りだろ?祭りは參加することに意義があるんだ。
參加しなくてどうするんだよ」
と真面目な顔で答える。
貴族が平民の祭りに參加するなどということがまずありえない事のはずですけれど。
と、リシェルは突っ込みたかったが人が沢山いるため笑ってごまかした。
リシェルも釣ってみるけれど、釣れるのは赤い魚で。
金の魚はお腹が一杯なのか餌に見向きもしない。
恐らく金の魚は餌を與えられているのだろう。
リシェルからみれば、釣れるはずのないものに熱狂する気持ちがわからないのだけれど、家族連れや人達が楽しそうに釣っているのをみて、そういうものだと納得する事にした。
ロゼルトと一緒に廻る祭りは楽しかった。
やる事全てが非合理的で。
何故これに熱狂できるのか。
何故これに平民達には大事なお金をだすのか。
小首をかしげたくなるような子供騙しの遊びなのに、楽しそうに遊ぶ子供や大人たちを見て、平民達の生活を知るのはリシェルにとっては新鮮なものだったからだ。
やや人ごみから外れた木でロゼルトに楽しいかときかれ、素直にその想を告げれば
「……リシェル。よく人とずれてるっていわれないか?」
と、何故か薄目で睨まれてしまう。
「言われた事はありません。
ずれているでしょうか?」
周りが大人ばかりだったため子供らしい子供時代を過ごした事もなくほぼ監狀態の青春期を過ごしたリシェルにはよくわからなかった。
比べるべき同年代の知り合いが婚約者だったフランツ位しかいないのである。
どこがおかしいのか本気でわからないという顔のリシェルにロゼルトは面食らう。
「あー。理由はどうあれ、楽しいならいいか。
もうしでラチェの実投げがはじまるから。
そろそろ避難したほうがいいかもな」
そう言って焼かれたクリの実をパクパク食べながらロゼルト。
「ラチェの実投げ?」
「ああ、ラチェの実って赤い木の実があるだろ。
あれを道行く人たちで投げあうんだ。
一年の穣を祈る祭りさ。
流石にリシェルにその行事は參加させられないしな」
「何故でしょう?」
「木の実をぶつけられるんだぞ?
公爵家のお嬢様のやる事じゃないだろう」
「ラチェの実といえば、確か服につくと汚れてシミが取れない実でしたよね。
平民にとっては買うのもやっとの貴重な服をダメにしてしまうのになぜ投げ合うのでしょう?
穣を祈りながら食べと服を無駄にするのは合理的ではないと思うのですが」
真顔で言うリシェルにロゼルトはポカンという顔をして
「お前の親父がなんで同年代くらいの案人をと指定したのか分かった気がする」
と、なぜか大きなため息をつかれてしまうのだった。
【書籍化コミカライズ】死に戻り令嬢の仮初め結婚~二度目の人生は生真面目將軍と星獣もふもふ~
★書籍化&コミカライズ★ 侯爵家の養女セレストは星獣使いという特別な存在。 けれど周囲から疎まれ、大切な星獣を奪われたあげく、偽物だったと斷罪され殺されてしまう。 目覚めるとなぜか十歳に戻っていた。もう搾取されるだけの人生はごめんだと、家を出る方法を模索する。未成年の貴族の令嬢が家の支配から逃れる方法――それは結婚だった――。 死に戻り前の記憶から、まもなく國の英雄であるフィル・ヘーゼルダインとの縁談が持ち上がることがわかっていた。十歳のセレストと立派な軍人であるフィル。一度目の世界で、不釣り合いな二人の縁談は成立しなかった。 二度目の世界。セレストは絶望的な未來を変えるために、フィルとの結婚を望み困惑する彼を説得することに……。 死に戻り令嬢×ツッコミ屬性の將軍。仮初め結婚からはじまるやり直しもふもふファンタジーです。 ※カクヨムにも掲載。 ※サブタイトルが少しだけ変わりました。
8 111【電子書籍化】神託のせいで修道女やめて嫁ぐことになりました〜聡明なる王子様は実のところ超溺愛してくるお方です〜
父親に疎まれ、修道女にされて人里離れた修道院に押し込まれていたエレーニ。 しかしある日、神託によりステュクス王國王子アサナシオスの妻に選ばれた。 とはいえやる気はなく、強制されて嫌々嫁ぐ——が、エレーニの慘狀を見てアサナシオスは溺愛しはじめた。 そのころ、神託を降した張本人が動き出す。 ※エンジェライト文庫での電子書籍化が決定しました。詳細は活動報告で告知します。 ※この作品は他サイトにも掲載しています。 ※1話だけR15相當の話があります。その旨サブタイトルで告知します。苦手な方は飛ばしても読めるようになっているので安心してください。
8 55井戸の中【完】
裏庭にひっそりとある、その古びた井戸。 誰からも忘れ去られて腐って黒ずんだ姿は、近付くのも恐ろしい程にとても不気味だった。 ーーだけど、それ以上に不思議な魅力があった。 次第にその井戸に取り憑かれてゆく俺。 そこは、俺の過去を隠す秘密の場所ーー。 ↓YouTubeにて、朗読中 https://m.youtube.com/channel/UCWypoBYNIICXZdBmfZHNe6Q/playlists ※ 表紙はフリーアイコンを使用しています 2018年10月29日 執筆完結作品
8 58ぼくは今日も胸を揉む
死んだ――と思ったら、異世界に転生してしまった。何故か、女の子の姿で。 元々変態少年だったぼくは、體が女の子になって大興奮! いつでも柔らかい胸を揉むことができるし、女湯にも女子トイレにも入ることができる。 しかも、普通の人間にはない能力がぼくにはあるらしく……。 とはいえ、痛いこととか怖いことは嫌だ。 だから自分の胸を揉み、他の美少女たちの裸を見たりしながら、平和に暮らしていきたいと思います。 もう、男には戻れません。 ……え、お金を稼ぐには戦闘をする必要があるかもしれない? 大丈夫大丈夫、ぼくにはチートと言っても過言ではないほどの能力があるし。
8 148究極の捕食者 ~チート融合スキルで世界最強~
七瀬素空(ななせすぞら)が所屬する3年1組は、勇者スキルを持つ少女に巻き込まれる形で異世界に召喚される。皆が《炎魔法》や《剣聖》など格好いいスキルを手に入れる中、《融合》という訳のわからないスキルを手に入れた素空。 武器を融合させればゴミに変え、モンスターを融合させれば敵を強化するだけに終わる。能力も低く、素空は次第にクラスから孤立していった。 しかし、クラスを全滅させるほどの強敵が現れた時、素空は最悪の手段をとってしまう。それはモンスターと自分自身との融合――。 様々なモンスターを自分自身に融合し自分を強化していく素空は、いつしか最強の存在になっていた――。 *** 小説家になろうでも同様のタイトルで連載しております。
8 96高欄に佇む、千載を距てた愛染で
山奧にある橋。愛染橋。 古くからその橋は、多くの人を見てきた。 かつては街と街を結ぶ橋だったが、今は忘れられた橋。 ある日、何故かその橋に惹かれ… その夜から夢を見る。 愛染橋に纏わる色んな人々の人生が、夢になって蘇る。
8 118