《【書籍化&コミカライズ】偽聖げられた公爵令嬢は二度目の人生は復讐に生きる【本編完結】》28話 三日後

「シーク!今日はこんな事をしました!どう思いますか!」

そう言って10歳らしい日常の想をシークに話すようになったのはこちらの領地にきてから10日目のことだった。

リシェルからすれば貴族視點と平民視點のすり合わせをシークとしているつもりなのだが、シークからしてみれば子供が一日の報告をしているのと何ら変わらないようにじる。

妹が今日はこんなことがあったのお兄ちゃんと報告してきたときと変わらないのだ。

最初の頃は怖い顔をしながら話していたリシェルも最近では笑顔が多くなってきた。

それはとても微笑ましいことだと思う。

復讐に囚われそのことばかりを考え行していたときとは比べにならないくらいの進歩だ。

遊びに対する想が人と若干ずれているのはじるが、それを除けば歳相応の様子といえなくもない。

ロゼルトは平民の事をいろいろ知り盡くしていてすごいとしきりと絶賛しているが、シークから見れば普通に遊んでるだけに見える。

の中で、ロゼルトの評価が過大評価なのも気にはなるが……敢えてそこにれるのはやめておいた。

純粋に楽しんでいる彼に水を差すような事はしたくなかったからだ。

話の途中でウトウトしだしたリシェルにシークが寢るように促せば「そうですね!明日に備えないと!」と、ベッドでちゃんと寢る所はまるで子供だ。

本來なら、これが正しい姿なのだろう。

記憶を思い出す前のリシェルは大人びてはいたが歳相応の無邪気さをもっていた。

けれど記憶を思い出してからは、常に思いつめていて、一人の時はまるで余裕などなかった。

願うことなら――このまま幸せな時を――。

シークはそっと神に祈りを捧げた。

□■□

「うん。リシェルは飲み込みがはやいな」

「本當ですか?」

牛のをしぼりながらリシェルがロゼルトに聞き返す。

今日は牧場を験してみようと、ロゼルトとリシェルは牧場に來ていたのだが、リシェルが験したいとしぼりに挑戦していたのだ。

「ああ、初めてにしちゃなかなかいい手つきだ。

てか、公爵令嬢が絞りとかグエン卿が知ったら卒倒するんじゃないか」

苦笑いしながら言うロゼルトに。

「父は私に興味ありませんから」

と、リシェルがそっけなくかえす。

……仲悪いな。

と、ロゼルトは心の中で思う。

度々話題にだしても、そっけないリシェルに親子仲があまり良くないのは察せられたが……そこは親子の問題なのでロゼルトが口をはさむ問題じゃないだろう。

「にしても、何でしぼりなんてしたいんだ?」

ロゼルトの問いに、

「……私は聖に、実りをあまり使いすぎれば農民達の仕事が増えるのでやめるようにと何度も進言しました。

もちろん聞きれてはもらえませんでした。

けれどよく考えれば、何がどう的に大変なのかは説明できていなかったのです。

私もこうして実際に験してみるまでは何が大変なのかは漠然としていて、わかりませんでした。

だから、験することで何が問題なのかがよくわかるようになると思いまして」

「あー。うん。何ていうか偉いなお前」

「え?」

「いや、10歳の時なんて俺そんな事全然考えてなかったぞ」

「私これでも18歳ですよ?

子供扱いしないでください」

「18なんて子供だろ」

「ロゼルトだって同じくらいのはずでは?」

「うーん。歳は一緒だったけどそのあとも生きてたからな。

確か最後が28歳だったかな」

「28歳ですか……。

……ロゼルト、私はまだ過去を教えてもらえないのでしょうか?」

そう、デートをしようと言われてすでに30日経過している。

そろそろリシェルも自分の領地に帰る時期も近づいていた。

冬になる前には自分の領地に戻り戦に備えたい。

「……ああ、そうだな。

じゃあ三日後。

きちんとお前に全部話す」

「三日後……ですか?」

「ああ、お前に話すのに立ち會わせたい人がいる。

その人もお前や俺と同じだ。

逆行前の前世を憶えている」

「私達の他に、ですか?」

「ああ、彼も準備を進めてるからな」

「ロゼルトはよくその人が逆行前の記憶を所持していることがわかりましたね」

リシェルの言葉にロゼルトはポリポリと頬をかいて

「簡単な話さ。

この時代に逆行したことは。

俺が仕組んだ事だからだ」

と、ロゼルトは微笑んだ。

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