無雙 ~仲間に裏切られた召喚師、魔族のになって【英霊召喚】で溺スローライフを送る【書籍化&コミカライズ】》第37話 、聖杖に認められる

日の神の剣は、すでに聖剣ではなく、聖杖になってしまった。それを握りしめ、私は途方に暮れていた。

ーーこれで何ができるっていうのよ!

『我がマスターよ。私を信じなさい』

私が思っていることは聞こえるとばかりに、頭の中に聲が響く。

「マスター、大丈夫ですか? えっと、それは? あ、太の石が……」

フェルマーが、私の様子を確認しにきてくれた。そして、なんとなく、こ(・)れ(・)が何であるかにも気がついたようだった。

「ロッドに、なっちゃったの」

私の戸いがじった言葉に、フェルマーは大きく頷く。

「わかります。日の聖剣ですね。マスターの質に合わせてその姿を変えたのでしょう」

フェルマーのいうことは、実際に起きたことを的確に言い當てていた。

その時、また頭の中に聲が響いた。

『マスター。まずは、私の力を発揮するために邪魔な月を破壊してください』

ーー月を壊す!?

あまりの指示容に、驚いて私はフェルマーに助けを乞うように、顔を見る。

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「ロッドが、つきを、こわしてって……」

そう言って、私は空を仰ぎ見て、赤いの月を指さした。

「なるほど……、それであれば、聖剣、いえ、聖杖の力を取り戻して、封印、いえ、今度こそ悪魔を滅ぼすことができるかもしれない」

私も、フェルマーのフォローでようやくそれが現実にすべき事なのだと納得できて、うん、と二人で頷いた。

「みんな! あの、つきを、こわして!」

私が、空に浮かぶ赤い月を指さして、英霊達に指示をする。

その言葉に、英霊達がそれぞれ天を仰ぎ見る。

「そうか、墮ちた月の神の力を削がねば、いつまで経ってもこちらが劣勢……」

素早く計算したのだろうか、マーリンがそう呟いた。

「長距離攻撃が可能なものは、まずは月を目標にせよ! 私に続け! 隕石召喚(メテオ)!」

すると、両手を掲げたマーリンの手の上に、たくさんの隕石が姿を現した。

私のの中から、ごそりと魔力がマーリンへと持っていかれるのをじた。

「月目掛けて、行け!」

そうマーリンがぶと、その無數の伝説の魔師達がその後に続く。

エルフの王アグラレス。

師アグリッパ。

師クロウリー。

その他にも、數えきれぬほどの魔師達が、我がの最高の魔をもって、月に攻撃を仕掛ける。

古の錬金師パラケルススは、弾を無數に浮遊させ、それを魔力で月に目掛けて投げ飛ばす。

勿論彼らも、私の魔法威力の向上と魔力の供給をけて、現世に生きていた頃よりも高能力である。

「バカか! 遙か彼方に浮かぶ月に攻撃などできるわけ……」

嘲笑をえて悪魔がその行為を愚弄しようとすると、最初のマーリンの一撃(と言っても複數個だけど)で、月が四分の一程欠けた。

「な、な……、地上から月を壊すだと? 非常識だろう!」

悪魔が喚いているけれど、その間にも、どんどん月が理的に欠けていく。

「マスター! まだ魔力は……」

マーリンが、私のを案じてくれる。

「だいじょーぶ!」

私が、ニヤリと大きく笑ってみせる。

「では、もう一度……。隕石召喚(メテオ)!」

無數の隕石が、地上から天へと飛翔していく。ある意味、とても不思議な景なのだろう。

そして、マーリンの放った隕石達は、わずかに殘った月を、々にして破壊した。

月に覆われていた太は、天で明るく輝き、空を、地上を明るく照らしていく。

「な、なんてことだ……!」

あまりの事態に、まだ呆然として戦意を喪失しているとはいえ、難敵の悪魔がいる。

それに比べて、私は、英霊達にありったけの魔力を與えてしまって、魔力が空になりそうなのだ。

ーーこの後、どうしよう。

それは、私と繋がっている英霊達もじているらしく、気遣わしげに、私の方を見る。

あれ?

私が手に握りしめている聖杖に、天上の太から、一筋のが降り注ぎ、その杖を通して、私に魔力が補給されていく覚をじた。

『この形態の時には、マスターは魔師系。ですから、太の恩恵さえ得られれば、魔力は無限に補給して差し上げられます』

頭の中の聲が、説明をしてくれる。

その言葉どおり、私の中に、溫かな魔力がどんどんり込んでくるのがわかる。

そして、それは英霊達にもじるようで、彼らの顔も明るいものになっていく。

「みんな、わたちのまりょくは、じゅーぶんよ!」

英霊達は、私の言葉に歓聲をあげるのだった。

リリスたん、とうとう魔法になりました!(違)

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