《無雙 ~仲間に裏切られた召喚師、魔族のになって【英霊召喚】で溺スローライフを送る【書籍化&コミカライズ】》第41話 と、神々
私達が、勝利に酔っていた時。
ふ、と、空を見上げて、夜を照らしてくれる月はもうなくなってしまったのだと思うと、悲しくなった。
『あなたが、それを悲しんでくれるのですか?』
そう頭の中に聲が響いた。
そして、長くしい金髪の、ローブ姿に黃金の冠を戴いたが半分けた姿で現れた。
そのが、口を開く。
「ガイアス、いるのでしょう。出ていらっしゃい」
この世界のどこに、というよりも、この世界のありとあらゆるところに語りかけるかのように、空を見回しながら、は語りかける。
すると、ゆらり、と影が彼の側に生まれた。
よく見るとそれは、長い黒髪に赤い瞳の禍々しさをじる男の姿だった。
「姉さん、見てよ。僕は、こんな醜い姿になってしまったよ……」
悲しげに、その男が嘆く。
その彼に彼が一歩近づき、そして、その頬にれる。
「銀の髪に蒼い目……。貴方はあんなにしかったのに」
も、そう呟いて嘆く。
Advertisement
が『ガイアス』と呼び、その彼が『姉さん』と呼ぶ。
と言うことは……。
「ガイアさまと、ガイアスさま……」
私がそう呟くと、彼らが私の方に振り向く。
「そうです。……この地に住まう者達には、長く迷をかけました」
ガイア神が、その場にいる全員に謝罪する。
「私が人だけをし、そんな教義を、私を信奉してくれるもの達に伝え続けたために、歪んだ國を作り、歪んだ行為に走らせてしまった……。その結果、私自が邪神に墮とされるなど、稽だな」
ガイアス神は、自分の考えの愚かさとその結末を自嘲気味に語る。
「つきは。あのよぞらをてらす、あのつきは。……もどらないのでしゅか?」
私が、彼らの謝罪の言葉を置いておいても、ただ、それが寂しいのだと彼らに伝えた。
「月は其方の土地を苦しめた。それでも、其方は、私が天にあることをしんでくれていたのかい?」
ガイアス様が、しゃがみこんで、私に目線を合わせる。
「はい。つきがないと、たびのひとも、こまりましゅ」
私は、頷いてそう答えた。
私達は、確かに、日食の日に苦しんできた。
そして、月がない、星空だけの暗い夜も好きだ。
でも、夜空を照らし、夜の安心を與えてくれる月も好きだった。
だから、そう伝えたのだ。
「優しい子だね。……こんなになった私にも、まだそう言ってくれるような子がいれば。そうだね、やけにならずに、また、一からやり直そうと思えるよ。……姉さん」
ガイアス神が、私の頬を優しくでてから、立ち上がる。
「僕は、僕の寫であるはずの貴だけをしていた。そして、貴だけに見ていてしかった。けれど、僕は何をしても貴には葉わなかった。……それ故に、貴に振り向いてもらおうと、誤った選択をした。でも、それは誤りだった」
ガイアス神が、ガイア神に告げる。
「やり直す、決心がついたのね?」
ガイア神が、ガイアス神に問う。
「うん、僕を殺して、産(・)み(・)直(・)し(・)て(・)しい。僕は、僕をしてくれるあの子がいるなら、墮ちた姿ではなく、元のあるべきしかった神の姿に戻りたい」
そう言うと、ガイアス神が、私を見下ろして微笑んだ。
「その聖杖を貸してくれる?」
そう言って、ガイア神が、私に片手を差しべる。
私は、ずっと握りしめていた聖杖をガイア神に手渡した。
「ありがとう。……これで、貴方を無かったことにします」
そう言うと、二柱の神々は微笑みあって、そして、ガイア神が、ガイアス神をその刃で貫く。
すると、その差し貫かれたから、ガイアス神の姿が消えていく。
そして、最後に、ストンと、その纏っていただけが殘った。
「えっ!」
見守る者達全てがその景に驚きの聲を上げた。
姉神が、弟神を殺したのだ。
「ガイア、しゃま……」
ガイア神の頬に涙が伝う。
「ガイアしゃま、だいじょぶ……?」
私は、心配になって、ガイア神のの裾を握る。
そんな私に微笑んで、しゃがみこんで、目を合わせてくれる。
「優しい子。悲しいのは、彼が一度死ぬことで、今まで築き上げた思い出がなくなってしまったから。……でもね。見て」
そう言われて、ガイア神が指し示す、ガイアス神が殘したの中から、小さな泣き聲がしたのだ。
「ふえぇぇ……」
そこには、銀の髪と青い瞳を持つ、赤子がいた。
ガイア神は、そっとその赤子を抱き寄せる。そして、おしげに頬りをした。
そして、立ち上がる。
「私達姉弟の諍いで、ご迷をおかけしました。この子は私をするが故に、その対抗心なのか……、誤った方向へ行ってしまいました。……今度こそは、生まれ変わったこの子を、健やかな心を持った神に育てます」
そう言うと、ガイア神もガイアス神も、消えてしまった。
私は、空を見上げる。
神年齢でもまだ十五歳の私には、その憎の深さはわからない。それでも、今度こそ、神様の願う通りの結果になったら良いな、と。そう願う。
戦いが長引き、もうすっかり夕方に差し掛かろうとしている。
そんな空に、小さな月が、沈もうとする太を追いかけるかのように、空に浮かんでいた。
これで、一旦実家の『災厄編』は終了になります。
再びになりますが、もしまだの方は、下記をどうかお願い致します(。ᵕᴗᵕ。)
・面白かった
・続きが気になる
と思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします。
評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップorクリックすればできます。
【第二部完結】隠れ星は心を繋いで~婚約を解消した後の、美味しいご飯と戀のお話~【書籍化・コミカライズ】
Kラノベブックスf様より書籍化します*° コミカライズが『どこでもヤングチャンピオン11月號』で連載開始しました*° 7/20 コミックス1巻が発売します! (作畫もりのもみじ先生) 王家御用達の商品も取り扱い、近隣諸國とも取引を行う『ブルーム商會』、その末娘であるアリシアは、子爵家令息と婚約を結んでいた。 婚姻まであと半年と迫ったところで、婚約者はとある男爵家令嬢との間に真実の愛を見つけたとして、アリシアに対して婚約破棄を突きつける。 身分差はあれどこの婚約は様々な條件の元に、対等に結ばれた契約だった。それを反故にされ、平民であると蔑まれたアリシア。しかしそれを予感していたアリシアは怒りを隠した笑顔で婚約解消を受け入れる。 傷心(?)のアリシアが向かったのは行きつけの食事処。 ここで美味しいものを沢山食べて、お酒を飲んで、飲み友達に愚癡ったらすっきりする……はずなのに。 婚約解消をしてからというもの、飲み友達や騎士様との距離は近くなるし、更には元婚約者まで復縁を要請してくる事態に。 そんな中でもアリシアを癒してくれるのは、美味しい食事に甘いお菓子、たっぷりのお酒。 この美味しい時間を靜かに過ごせたら幸せなアリシアだったが、ひとつの戀心を自覚して── 異世界戀愛ランキング日間1位、総合ランキング日間1位になる事が出來ました。皆様のお陰です! 本當にありがとうございます*° *カクヨムにも掲載しています。 *2022/7/3 第二部完結しました!
8 145無職転生 - 蛇足編 -
『無職転生-異世界行ったら本気出す-』の番外編。 ビヘイリル王國での戦いに勝利したルーデウス・グレイラット。 彼はこの先なにを思い、なにを為すのか……。 ※本編を読んでいない方への配慮を考えて書いてはおりません。興味あるけど本編を読んでいない、という方は、本編を先に読むことを強くおすすめします。 本編はこちら:http://ncode.syosetu.com/n9669bk/
8 72魔法科高校白百合學園底辺クラス1年C組〜実力で示してみろよ〜
魔法が使える世界、"魔界"に設立された『白百合學園魔法科高校』。 主人公、千葉 晴生《ちば はるき》は白百合學園1年C組という底辺のクラスに配屬される。 擔任の片岡 日寄《かたおか ひより》から、 底辺から脫出したければ実力で示せと言われるが、クラスの仲は徐々に悪くなっていくばかりであった。 そんな中、クラスを一致団結させようと篠原 盟《しのはら めい》が晴生に協力してほしいと頼まれるが…? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー お気に入りやコメント、いいねなど小説を書く上でとても勵みになります!少しでも良いなと思ったら、お気に入りやコメント、いいねよろしくお願い致しますm(__)m 同時連載中の作品...『勝ったら賞金10億』ゲーム依存者がデスゲームに參加した結果。 暇があれば是非!
8 110シグナル・オブ・デッド
エアガンとゾンビが大好きな高校生男子、湊音。今日はゾンビ好き仲間の斗哉・魁人と共にあのゾンビ洋畫の最新版を見に映畫館に來ていた。映畫の上映が終わり、次は何をしようかと模索する湊音。その時、湊音達の攜帯に悪夢が降り注ぐ………
8 54BLOOD HERO'S
聖暦2500年 対異能力人対策組織『スフィア』 彼らは『 Bl:SEED(ブラッド・シード)』と呼ばれている特殊な血液を體內に取り入れ得ている特別な力を使って異能力者と日々闘っている。 主人公の黒崎 炎美(くろさき えんみ)は記憶喪失で自分の名前とスフィアの一員になる事以外何も覚えていなかった。 だが彼は血液を取り入れず Bl:SEEDの能力を使う事が出來た。 一體、彼は何者なのか?何故、能力を使えるのか? 炎美とスフィアのメンバーは異能力者と闘いながら記憶を取り戻す為に古今奮闘する物語!
8 190世界にたった一人だけの職業
クラスでもあまり馴染むことができず、友達にも恵まれず高校生活を送っていた高校二年生の主人公の柏沢蓮斗。そんなある日、クラスでいつも通り過ごしていると先生の魔法詠唱によって足元に魔法陣が現れた。魔法陣に吸い込まれた後、目を覚ましたら異世界の王宮の中にいた。皆それぞれ職業に目覚めており、主人公もまた例外ではなかった。だが、主人公の職業はー 異世界の複雑な事情に巻き込まれていく ストーリーです。 新作 「スキル『日常動作』は最強です~ゴミスキルだと思ったら、超萬能スキルでした~」も興味のある方は見に來てください。 お気に入り1000突破! ありがとうございます!!
8 134