無雙 ~仲間に裏切られた召喚師、魔族のになって【英霊召喚】で溺スローライフを送る【書籍化&コミカライズ】》第42話 みんなで、労會

この世界に付いていた災いは去った。

壊れてしまった砦の修復や諸々の雑事はあるけれど、もう、夕日が赤く染まっている。

お父様は、これまで我が家が抱えてきた『災厄』が、スッキリと解決してとてもご機嫌で。

英霊も、魔族も、人も、どんな差もなく、この難事を一緒に乗り越えてくれた方達に、まずは、自慢の広い溫泉でを休めていただくことと、その後、戦勝會をしようと宣言した。

そうして、私は、湯で、フェルマーとアスタロト、その他、回復師さんや聖、魔師の達とお湯を楽しんでいた。

普通の家だと、狹い浴槽に、沸かしたお湯を注いで、湯浴みをするのが一般的だ。

王族ですら、広くいつでもれる浴槽なんて城に持っていない。

だから、一緒にった達は、まず、この浴槽の広さを見て歓喜の聲を上げ、そして、湯に浸かって、その湯の効能を口々に褒めそやしていた。

特に、おがつるっつるになるのは、とても嬉しそうだ。

Advertisement

アスタロトはうちの溫泉にるのは二度目なのだけれど、二度もしたからこそなのか、真面目に魔族領の城にも作ろうかと考え込んでいた。

ちなみにうちの溫泉は、カイン兄様の霊達が協力して作ったものだ。

水の霊が源泉のある場所を探し、そして、土の霊達が掘ったもの。

後は、人の職人達が、大きな浴場を作り上げて、湯を引きれている。

ちなみに、うちの溫泉は本當に広い。

それこそ、端から端までしっかり泳げてしまうくらいには広いのだ。

だから私は、今は陣に囲まれているけれど、今日こそ泳ごう! と企んでいた。

「それにしても、アスタロト様は本當におも綺麗ですし、スタイルも良くて羨ましいですわ」

フェルマーが、素直に彼しさを稱賛した。

「あら?」

言われて、逆にアスタロトが首を傾げる。

「フェルマー様こそ、普段はゆったりとしたローブで分かりませんでしたけれど、おも大きくてらっしゃって……、意外でしたわ」

陣は、なかなかを見合う、ということは普段ないので、お互いにそのしさやのキメの良さなどを褒め合っていた。

ーーうん、今がチャンスかしらね!

私は、泳ぐ隙を狙って、そろそろと、集団になっている場所を離れていく。

そして。

やった!

私は、パシャパシャと泳ぐことに功したのだ!

「あっ! リリスちゃんったら!」

「マスター! お行儀が悪いですよ!」

いとはいえ、はしたないですよ〜」

私がおこす水飛沫とそれによる水音に気がついた、アスタロトや、英霊達が私を嗜める。

やめるわけにはいかないわ!

やっと念願かなって泳げたんだから……、と思っていたら、あっさりと立ち上がって歩いてきたアスタロトにお腹あたりを捕獲されて、お湯から引き上げられてしまった。

「やぁよ〜! およぐの〜!」

私は手足をバタバタさせて、せめてもの抵抗をする。

「全く、十五歳だったはずなのに、すっかり外見に中も引きずられちゃって……」

アスタロトがため息混じりに言うと、フェルマーも同意見なのか、苦笑している。

「そんなに楽しいことに飢えているなら、みんなで洗いっこして楽しまない?」

ジタバタさせていた手足を私は止める。

だって、『洗いっこ』! なんか、とっても楽しそうな響きだわ!

「うん! やりゅ! あらいっこ!」

私が大人しくなったので、アスタロトに降ろされ、そして私は顔を上げて、彼の案に賛する。

ワクワクして、楽しそうなことに、両手が思わず握り拳になってしまう。

アスタロトは、仕方がないなあってじの顔をして、笑っていた。

そうして、私達は椅子に並んで腰掛けて、背中の洗いっこをする。

私は先頭で、アスタロトに洗われるのみだ。

「やっぱり、リリスちゃんは可いの権化よね〜」

私の髪のをあわあわにして、長いピンクの髪を頭の上でくるりとされる。

「しょうかしら?」

私自は、まあ、確かに可いと思うのだけれど、そこまでとは思えない。

子供時代に、『災厄』やなんだかんだで、子供の頃から戦闘要員であり、『強さ』を褒められても、『可さ』をほめそやされたことがないからだ。

「そうですよ! 英霊達は皆、もともとマスターを尊敬していましたが、今では、それに加えてそのらしさに、惹かれずにはいられませんから!」

今度はフェルマーが力説してきた。

今度は、たっぷりに泡立てたアスタロトの手で、を満遍なく洗われる。

「辺境伯の家に生まれてきたせいで、は真面目で苦労なのよね。実家の問題も解決したし、せっかく子供に戻ったんだから素直に子供らしくされていなさい」

アスタロトはそう言うと、私を振り向かせて、鼻の上にちょこんと泡を乗せた。

「あー! なに、しゅるの!」

私とアスタロトは立ち上がって、洗い場を追いかけっこする。

「あのお鼻、見て。マスター、可いわ!」

そんな景を、英霊達が微笑ましげに見守っていた。

そうそう。ちなみに男湯。

カイン兄様に、湯上がりに様子を聞いたら、激混みな上に、男同士の筋自慢、稱賛で盛り上がって、暑苦しかったらしい……。

    人が読んでいる<幼女無雙 ~仲間に裏切られた召喚師、魔族の幼女になって【英霊召喚】で溺愛スローライフを送る【書籍化&コミカライズ】>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください