《無雙 ~仲間に裏切られた召喚師、魔族のになって【英霊召喚】で溺スローライフを送る【書籍化&コミカライズ】》第46話 、部下の訓練をする
ご無沙汰してすみませんでした(*_ _)
おかげさまで、本作、書籍化していただけることになり、準備中です。
ただいま! 私はリリス。覚えててくれてた?
ちょっと、暫くぶりだから、復習から行こうかしらね?
私はもともとは人間で、ノートン王國のフォルトナー辺境伯の十五歳の末娘だったんだけれど、々あって、魔族になったの。キュートな羊のような丸いツノを持った外見四歳児よ!
だから、児化の原因になった、魔族化の薬の調合を間違えた孔雀(アドラメレク)が大っ嫌いなの!♡
でも、彼のファッションセンスは認めてあげるわ。
おかげで、私は毎朝、可いワンピースを選び放題なんだもの!
話を私に戻してっと……。
魔族になった私は、類まれな戦闘能力を持って、最後の四天王の座を埋め、そして、將軍に任命されたわ。
ちょうど今、魔王城の、騎士、兵士達の訓練場にいるところよ。
かなり広く、もちろん、魔導師向けの練習施設もある。
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私は、そこの観覧席で、アリアにれてもらった紅茶と、菓子の乗せられた小皿と共に、テーブルに腰掛けている。勿論、椅子は児用。作らせたのだ(えっへん!)。
いやまあ、普通の椅子だと足がぶらぶらして辛いから、ドワーフの職人さんにお願いして作ってもらいました……。
そして、私はその特製の椅子に腰掛けながら、訓練場で訓練の準備をしている騎士や兵士達を見下ろしている。
ーー將軍が観覧席で何してるの、って?
うん。観覧しているの。
だって、私の力とは、私自が戦う能力のことじゃないもの。
だって、私は『英霊召喚』の固有スキルに特化した『召喚師』!
私は右手を差し出して、顕現してほしい者達の名を呼ぶ。
「サモン、だいまおうパズス、えいゆうおうアーサー、だいせいじょフェルマー!」
私は、大魔王パズスと、マーリンの弟子でもあった伝説の王、剣聖アーサー、そして大聖フェルマーを喚んだ。
私の差し出した右手から、黃金の魔力が流れ出し、三人の人の形になり、それはやがて、大魔王パズスと剣聖アーサーと大聖フェルマーの姿となった。
「マスター、お呼びでしょうか」
三人が、律儀に禮をしてくれる。
「ありがとう、きてくりぇて」
ん。噛んだ。
その様子に、三人が微笑む。
「おや、ここは……、訓練場」
ぐるりと喚ばれた場所を見回したアーサーが、口にする。
「ということは、部下の訓練のための召喚ですな」
パズスが、訓練の準備のためにを軽めにかしている部下達を見下ろす。
「じゃあ、私は回復要員ということで……。マスターとこちらでご一緒してもよろしいかしら」
そういう顔がとても嬉しそうだったので、「もちろんでしゅ!」と言って、向かいの普通の椅子をフェルマーに勧めた。
「じゃあ、お邪魔しますわね」
アリアは、フェルマーの椅子を引いて座るのを手助けしてから、フェルマーの分の紅茶を準備する。
「では、お二人とも、いってらっしゃい」
にこやかに笑って、フェルマーと私が、階下の訓練場に移するパズスとアーサーを見送る。
こうして、恒例の訓練が始まった。
アーサーは、剣士達の教育擔當。手には木で剣を模したものを持っている。
そして、まだまだ部下達のレベルは「まとめてかかって來い!」狀態。
ーーまあ、一対一で戦える方がおかしいんだけれど……。
「始め!」の一言で始まると、アーサーは、ステップで大きく前進して、一人の部下の懐にり込み、彼がもし鎧を著ていたら空いているであろう、利き腕の肩関節を木の剣で突く。
「ぐあっ!」
一本取られた部下が顔を顰める。
続行に支障があると見ると、すがさずフェルマーが負傷者の方向へ腕を差し出し「ヒール」と言ってあっさり回復させてしまう。
「ふふ、頑張ってね。あ、リリス様、あーん」
「あーん」
そのばした腕を戻すついでに、菓子の小皿から小さなマドレーヌを手に取り、彼の言葉に応じて口を開いたその中に放り込む。
そう。怪我をしても、疲労しても、瞬時にフェルマーに回復される。
彼らは、決まった時間を、延々と休みなく訓練をし続ける、なかなかなハードモード訓練だ。
ちなみに、パズスに指導される魔導師達も、その辺りは変わらない。
「己のから魔力を引き出し、それを練り、より強力な攻撃にするのだ! それも一瞬にだ! 闇の弾丸(ダークバレット)」
そう言うと、パズスが両腕を空に向けて掲げ、無數の闇屬の圧された魔力の弾丸が出來上がる。
そのガラ空きのを、闇の弾(ダークボール)で狙う者が數名。
だが、パズスは「甘い!」と一言言って地を蹴って高く飛び上がり、彼らの攻撃は一撃も命中しなかった。
「じゃあ、こいつでどうだ! 闇の弾丸(ダークバレット)!」
宙に浮いて避けられないだろうと判斷した者が、パズスの腹に向けて弾丸を発する。
「甘いな。氷の障壁(アイスバーン)」
すると、パズスの足元に分厚い氷の板が出來て、パズスはそれを蹴って、橫にを避けていく。
「なかなか今日は上出來だったぞ。では行け、弾丸達よ!」
その命をけて、最初に生み出されていた弾丸が部下達に飛んでいく。
それは彼らをあっさり貫通し、全員倒れ込んだ。
それを、観覧席で見ていたフェルマーが、出番とばかりに手を差しべる。
「あらあら。エリアヒール」
すると、倒れていた部下達の傷が綺麗に治ってしまう。
「じゃあ、リリス様、あーん」
「あーん」
私は、口元に差し出された口溶けの良いチョコレートを頬張る。
ん。あれ?
何か視線をじる。
「「「リリス様は何をしにいらしてるんですか!」」」
下にいる部下達から、クレームが來た。
「……え。かんとく。しょーぐん、だかりゃ」
こてんと首を傾げてみた。
でも、ダメだったようだ。
「「「お菓子食べてるだけじゃないですか!」」」
暫くブーイングが止まらずに、練習が止まってしまった。
「どーして、ダメなのかしら」
むう、とを尖らせる私なのだった。
監督しているといいつつ、甘やかされるだけで何もしていない將軍……。
でも、効率の良い訓練で彼らはきっと、強くなるのでしょう。
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