無雙 ~仲間に裏切られた召喚師、魔族のになって【英霊召喚】で溺スローライフを送る【書籍化&コミカライズ】》第48話 、魔導兵開発をする

私は、フェルマーに抱っこしてもらって、自室に戻った。

「あら、お帰りなさいませ、リリス様」

すると、部屋の掃除をしてくれていたらしいアリアが迎えてくれた。

ニーちゃんは、相変わらずカゴの中でお晝寢してる。

うーん、この子、本來の姿からしたら長期なんてとうに過ぎているはずなのに、よく眠る。

寢る子は育つ、って、もう育ちようがないと思うんだけれど……。

でも、眠っているニーちゃんのお腹が規則的に、上下して、お鼻からは、ぷーぴーと呼吸音がする。

いからいいか。

そして、本題は私が英霊(エインヘリヤル)なしだと、戦力皆無だということだ。

それを克服して、陛下にぎゃふん! と言わせる。

それが目標だ。

「フェルマー、だっこありがと。あのいすにすわらせてくれたら、もうやしゅんで」

私の言うとおり、フェルマーは私をテーブル付きの椅子に座らせてくれた。

そして、「それでは」と一禮して、になって消えていった。

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ちなみに、アーサーとパズスには、練習場で戻ってもらっている。

そして、私は掃除をしてくれているアリアに聲をかける。

「アリア、かきもの、とってくだしゃい」

「承知しました」

アリアはこちらを見てにこりと笑い、掃除の道をその場に置いたまま、引き出しから私の目の前にあるテーブルに、ペンと紙を何枚か置いてくれた。

「こちらで、よろしいですか?」

そう言って、首を傾げ、私の回答を待つアリア。

そんなアリアに私は禮を言って、掃除に戻ってもらった。

私は、束の紙の中から一枚取り出し、自分の前に置き、そしてペンを取る。

『召喚式魔導砲』と紙の一番上に書く。

あ、外見四歳だけれど、ちゃんと十五歳までに読み書きとかちゃんと修めているからね!

でも児の指の短さとかいう理的障害で、字はずいぶん汚くなったけれど……。

あ、話が逸れた。

召喚するもののボディは、うーん、未定。

ああ、でも可いものがいいな。

いもの、と書き加えて置く。

力源は、私の魔力と魔石。

私の魔力で、例えばファイアーボールだったら、その威力や數、大きさ、強度などが決まる。

そして、魔石は、屬を持たない私の魔力に、その魔法の屬を與える。

魔石には、それぞれ、火、水、風、土といった四大屬の屬を持っている。だから、魔石で以って、その方向を持たせるのだ。

そして肝心のなんの魔法を行使させるかについては、何の魔法を発現させるか決めて、それを魔導師に魔法陣を再現してもらい、その魔法陣を付與師に、魔石に付與してもらう。

ーー大こんなじかしら?

一応、これ、マーリンに見てもらおう。

そう思って、私はペンを機に置いて、手をかざす。

「サモン、だいけんじゃ、マーリン」

そうすると、見慣れたマーリンが私のすぐ橫に姿を現した。

「どうなさいました? ……と、『召喚式魔導砲』。ほほう。これは面白い魔道兵ですね」

マーリンは早速私が書いているものを覗き込み、興味津々といった様子でその容を目で追っていく。

「じつげんほうしきを、かんがえたの。どうかしら?」

マーリンは、隣でぶつぶつ言いながら私の書いたものについて査しているようだ。顎に手をやって、でる。それは、考え事をするときの彼の癖だからだ。

「そうですねえ。ああ、ちょっと足らない能がありますね。私達英霊(エインヘリヤル)と違って、彼らは自分達で移出來ないでしょう。それと、自立か浮遊する能力がないと」

「あ、しょうね」

マーリンのおかげで、私に召喚されるには転移魔法と浮遊魔法を付與しなきゃいけないことに気がついた。

私が召喚できるのは、あくまでも英霊(エインヘリヤル)だけ。

だから、移能力は、彼らに持たせなくてはならない。

転移魔法や浮遊魔法が使える人に、魔法陣を展開してもらって、付與師に付與してもらう。

これが不足してたわ。……書き加えて、と。

あ、ちなみに、何度も『魔法陣を展開してもらって』って書いているけれど、これは、通常魔導師は表に出さずに省略している。ただし、その魔法を使えること、イコール、その魔法陣を暗記していることなのである。

そして、脳裏にその魔法陣を再現すると、魔法が発する。

また、いつもは省略していても、魔法を発するときに手やロッドをかざすときに、その手や杖の先端に、魔法陣を魔力で描いてから発することも可能なのだ。

そして、私はこれを使って、その描いてもらった魔法陣を付與魔導師さんに魔石に付與してもらおうと思っているのだ!

「こんなかんじ、でしゅかね?」

すると、マーリンがうんうん、と頷く。

「さて、なかなか特殊な魔法もありますし、これを可能とする人達を探さないといけませんね」

そう言うマーリンは、遊びを見つけた男の子の笑顔のように、楽しそうな顔をしていた。

ふふふ。まだ続く……。

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