無雙 ~仲間に裏切られた召喚師、魔族のになって【英霊召喚】で溺スローライフを送る【書籍化&コミカライズ】》第57話 年王と、の悪魔

「ね! 私と契約しようよ! そしたら、汚いことは、みぃんな私がやってあげるよ♡」

悪魔セーレが、僕のベッドにポフっと腰を下ろし、甘い笑顔で契約をう。

だけど、悪魔というものは、代償を求める者だったはずだ。僕は、隣に腰掛けたりはせず、立ったままで距離を取る。

「……その代償はなんだ?」

僕は、彼を睨みつける。警戒して當然だろう? 悪魔なんて、駆け引きに負けたら、何もかも持っていかれるのだから。

「んっとね! 君の大事なものだよ!」

「大事なって?」

ーー『』の悪魔。なら、僕の純潔と命ってところか?

なのに、一向に返事は返ってこなかった。

どういうことかと思って、ベッドに座っているはずのセーレを見ると、指先同士を絡めてモジモジしながら、頬を赤らめているではないか。

ーーえーっと?

「……の悪魔、なんだろう? 何を恥じらっている?」

僕は驚いて目を瞬かせる。

なんだこの悪魔は。

これも人を墮とすための演技なのか?

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「だからぁ。大事なって言ったら、大事なでしょう……。いちいち言わせないでよぅ」

ぷうっと頬を膨らませて、僕を睨みつけて蹴ってきた。

まるで、不貞腐れた子供のようだ。

流石に、姉さんに近いような年頃でそれをやるのはどうかと思う。

なんだか僕は警戒するのも馬鹿らしくなってきて、彼のいるベッドの方に歩いていって、そして、彼の肩を押して、僕は立ったまま、彼をベッドに押し倒す。

「……僕の清いと、命が、目的か」

そうして、十二歳の僕が彼を見下ろして睨みつけ。

「……そぉだけどお。ん、そうだよぅ。君の初めてと、その後も、ずっとじゃなきゃ、やだ。そして、死んだら、あなたの魂がしいの」

押し倒されただけで怖がって目に涙を溜めて堪えるのが、見た目姉さんと同じ年頃の年齢不詳の悪魔となると、頭が痛くなってくる。

しかも、『』の悪魔が押し倒されて、泣く?

というか、なんだ。

この言葉は、悪魔の契約の対価を求める言葉なのか?

そもそもってなんだ。

この悪魔は、どう考えても、一途なをくれと言っているにしか聞こえない。

それは、というのだっけ?

ふわりとベッドに広がる淡いピンクの髪に、姉さんと同じ菫の瞳。

押し倒して、顔を近づけているから、彼の甘い香りが鼻腔をくすぐる。

「汚いことをなんでもするって、どういう意味だ?」

その甘いに負けないように、僕は、契約容を確かめる。

「……あなた、殺したい人、たくさんいるでしょう。罪を犯してでも、守りたいものがある。だから、セーレが、あなたの殺したい人を全員、誰にも分からないように殺してあげる!」

僕の瞳を覗き込むようにして、セーレが僕に告げ、にこりと笑う。

そんな時、僕の部屋を外側から強く叩く音がした。

「陛下! フェリシア様がお倒れに!」

「なっ!」

僕は、その報告に、慌てて立ち上がる。

「……セーレ、人の姿になれるか?」

そして、ベッドに倒れ込んだままのセーレに手を差し出しながら、尋ねる。

「……それくらい、容易いことよ」

ふふ、と笑ってウインクしながら、僕の手を取って立ち上がり、橫に立った彼は、すでにドレス姿の人間のの姿だった。

ドアで、セーレをエスコートしながら出てきた僕に、報告に來た警備兵が、目を瞬かせる。

僕がを部屋にれることなど、今までにないことだったから、驚いているのだろう。

「……姉さんはどこだ」

「は、殿下の自室にてお休みです」

僕は、そのまま警備兵を置き去りにして、セーレを伴って、フェリシア姉さんの部屋に向かった。

僕は、姉さんの部屋の前まで來ると、ドアをノックして、名を名乗る。

すると、中に控えていた侍が扉を開けて僕達を招きれてくれた。

「陛下、その方は……」

セーレと一緒にろうとしたところを侍に咎められた。

「僕の客人だ。王の命だ通せ。それから、お前も不要。部屋を出ていろ」

「……はい、失禮しました」

きつめに告げると、慌てて侍が頭を下げた。そして、やや慌ただしげに部屋を出て行った。

その侍とのすれ違いざまに、セーレがこっそり僕に耳打ちをする。

「……あのの手、毒の甘い匂いがしたよ」

その言葉にハッとして、セーレの顔を見ると、彼の桜が弧を描いていた。

「止まってないで。ちゃんとお姉ちゃんの容を確認しないと、ほら」

僕が、セーレに見惚れていると、つんと額を指先でつつかれる。

「わっ、わかってるさ!」

そうして、二人で、ベッドで橫になっている姉さんのそばに行った。

「……姉さん」

姉さんは、青白い顔をして眠っている。僕の囁き聲に、起きる気配もない。

「……同じ、甘い、匂い」

僕の橫で、セーレが姉さんの口元に鼻を寄せる。

「……うん、あのに毒を盛られて、それを経口摂取したかな……」

「あの侍は、母の手の者。……そういうことか」

姉さんは引く手數多の貌の『妖姫』。その上、僕よりも正統な王家のを引いている。

まともな相手と結婚でもされて、子供を、男児を産まれたら困るというところか。

そんな時、セーレが僕の首に腕を絡めてきた。

「……契約しよっか? 大事なお姉さんの毒を取り除いて、毒を盛った人間を追って、順番に排除してあげるよ。その後も、君の理想の邪魔になる者は、みぃんな排除してあげる」

から紡がれるその甘い言葉は、とても、甘だった。

「どうして僕にこだわる?」

「一目惚れ。その目が、好き。暗い絶の中に、……何か渇と優しさが潛んでる」

のその言葉に、僕は彼の頬に手を添える。そして、見つめ合う。

「……僕がしいのは、姉の安全と幸せ。そして、本來幸福に生きるべき善良な臣民の権利を守る力。そして、この汚れた統の僕が座る玉座を、姉の統に返したい……」

「溫かい。……優しいの通った人間の手ね」

頬に添えられた僕の手にうっとりとするかのように、彼は一度ゆっくりと目を瞑って僕を見つめ直す。

僕は彼に吸い寄せられるようにし背びをして。

は、僕に合わせるように、し屈む。

呼吸同士がれ合うほどの距離になって、僕は告げる。

「……契約しよう。代償は、僕の純潔と、死んだ時に魂をやろう」

「……ふふ」

嬉しそうにセーレが微笑むと、れるだけの口付けを僕にした。

悪魔と契約=悪という宗教観もありますが。

契約を違えない限り、利益をもたらす悪魔もいるようなので。

二人の悪魔を対象的に扱ってみました。

あ。おねショタが書きたかっただけじゃないです!

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