無雙 ~仲間に裏切られた召喚師、魔族のになって【英霊召喚】で溺スローライフを送る【書籍化&コミカライズ】》第66話 、部下達と再會する

アベル兄様の婚姻の話が実家にやって來て、そのために呼ばれてしばらく魔王領を空けてしまった。

兄様達の婚約が上手くまとまったのを見屆けると、私とアスタロトは急いで魔王領に戻った。

そう。今部下達に大事な仕事を任せているのだ。

ミッション名は『魔導兵魔王計畫』。

パズスの『気合と』の特訓がなくても、魔王陛下が第二形態、第三形態と変化して、ラスボスの魔王らしく(?)なる計畫なのである。

私は、その開発を魔導研究所の皆んなに命令してから、しばらく留守にしてしまったのだ。

だから、マーリンに抱っこしてもらい、パズスも一緒に三人で、研究所に向かっている。

その途中、王國軍の練習場があるので、立ち寄って不在の間の様子を聞きに行った。

「きしだんちょう、おひさしぶりでしゅ」

「訓練は捗っておるか?」

彼が訓練をする兵士達を激勵しながら見守っているところに、私とパズスが聲をかけた。

「ああ、これはリリス様に、パズス様! はい、お留守の間も怠りなく研鑽させております。おい! 騎士団、魔導師団! 將軍とパズス様に、日頃の果をお見せしろ!」

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騎士団長がぶと、騎士達は一対一の撃ち合いを、魔導師達は的に向かって、渾の一撃を放って見せた。

「おお、これは、初めの頃より上達しておるな!」

パズスが強面の顔に喜を浮かべる。

「はい! しゅごい、じょーたつ、してましゅ!」

私も、絶賛して拍手をする。

騎士達は、當初、平和になれきった剣の撃ち合いだったのが、今では、フェイントや防、更なるフェイント……、と駆け引きを織りぜた頭脳戦になっている。そして、その一打も前より重い音がした。

魔導師達は、以前よりも魔力がよく練り上げられ、一撃の重さが変わっている。

「パズス様、アーサー様からご教授を賜ったおかげです。今後もより一層、研鑽してまいりたいと思います!」

「うん、がんばって!」

「はっ!」

私達は、皆んなを激勵して、その場を後にした。

以前、パズスとアーサーに、ボロボロになるまで特訓後、フェルマーの魔法で回復の繰り返しという、地獄の訓練を日々繰り返したところ、部下から苦が上がってしまったので、今では彼らの心も汲んで練習方法を見直している。

基本は彼らの自主的な訓練に任せ、定期的にパズスとアーサーがり、前回の課題の上達度のチェックや、更なる課題を課したりする。その程度の関わりにしたのだ。

その結果、自主が認められたこと、頑張って果を出した暁には、憧れである英雄達に褒めてもらえるということもあり、彼らのやる気は上がった。

そして、私が留守の間も、頑張って訓練を重ねてくれたらしい。

よかった!

そうして、ようやく研究所のある塔に到著した。

開閉式のドアが開いて中へると、所長のベリトが頭を下げる。

「お帰りなさい、リリス將軍、英霊の皆さん」

「へーかの、けいかくは、どーかしら?」

「以前のBー1室を専用の研究室として、陛下の武裝計畫、進んでますよ」

ご案しますね、と、再び、私のうさぎ魔導兵を開発した部屋へ案された。

部屋へ到著すると、見慣れた顔がちらほら見える。

付與師のフーガスに、技師のダン。

他にも様々な研究員がああでもない、こうでもない、と設計図や魔法陣を検討していた。

「あ、リリス様!」

「お帰りなさい、リリス様!」

私達の足音に気づいて、皆んなが聲をかけてくれる。

ベリトの案で、マーリンに抱かれて、設計図と魔法陣が描かれた紙が広げられている中央のテーブルの元へ行く。

「これが、今実現方式を検討している資料です。召喚師であるリリス様の時とは違い、起方法の検討から始めています」

そう言いながらベリトが、幾つかの魔法陣や設計図を指し示す。

「それと、陛下の通常のお力では敵わなかった場合にこのシステムが起しますから、まずは陛下の力を測定する機能、次に、一定以下になった場合におの回復をして、次段階の武裝を展開する……、といった複雑な仕様を、幾つかの連攜する魔法陣で実現するよう検討中です」

「へえ〜。けっこう、むずかしいのね」

描かれた図面を見ると、魔法陣から魔法陣へと矢印が描かれていて、とても複雑なものだった。

マーリンは、それらが読めるらしく、かなり興味を持って熱心に魔法陣擔當の研究員に説明を求めている。

帰ってきたらできてるかな〜、なんて安易に考えていた私は、お気楽すぎたらしい。

「ぶそう、って、どうしゅるの?」

私は、陛下がどんな姿になるのかが気になって聞いてみた。

すると、鍛治道っぽいを革で作った道れにたくさん差し込んでいる、一人のドワーフが私の問いに答えた。

「ミスリル、次にオリハルコンと、段階を踏んで、希金屬を用いた防を裝著できるよう、我らドワーフの鍛治師で設計中です。また、攻撃機能を備え付けられるように、裝備型魔導砲の設計もしております」

「おお、それは素晴らしい! 魔王らしく、威厳がありそうで良いのう!」

その説明に、息子の勇姿を想像したのか、パズスが嬉しそうに反応した。

ーーカッコイイ、のかあ。まあ、男の夢、なのかなあ?

私は可い方がいいんだけどな〜。

と、私はあらぬことを考え始めるのだった。

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