《無雙 ~仲間に裏切られた召喚師、魔族のになって【英霊召喚】で溺スローライフを送る【書籍化&コミカライズ】》第70話 勇者、逃亡しても心中
「ちょっとお〜。なんでまた魔王城なんかを目指すのよ〜」
元ノートンの勇者、ハヤトの背後でフォリンが文句を言っていた。
奴隷のから解放してくれるという謎のの手によって、ハヤト達は、自由と力を手にれた。
ちなみに、謎のとは、『傲慢』の悪魔プライドである。
ただし、その代償なのであろうか、彼らの容姿は総じてまがまがしいものに変わっていた。
ハヤトに文句を言ってくる、しかったエルフ、フォリンもそうである。は淺黒く不健康そうである。そして瞳は赤い。
ハヤトもそうだ。生粋の日本人だったはずなのに、いつの間にか目は赤く変わっていた。
魔導師のマリアもそう。
まあ、多の見てくれの変化はともかくとして、ハヤトが新たに手にれた能力は、彼にとっては期待以上に素晴らしかった。
まずは、ハヤトの手に握られた魔剣。プライドから譲りけたものだ。
この剣に斬られると、呪詛と毒狀態になるらしく、相手は呪詛によって能力が落ち、毒によって徐々に生命力を削られる。
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そして、フォリンの弓矢もそうだ。
その一撃をけると、かなり強力な毒に侵される。
マリアは、新たな魔法を覚えた。これも、なかなか強力だ。
何せ、呪とされる『邪屬』の魔法を習得したのだから(だが、彼らは『呪』が『忌』とされていることを理解していない)。
だから、今度こそ、ノートン王が俺達に期待している『魔王討伐』が出來ると踏んだのだ。
「……ノートン王は、俺に、魔王を倒した暁には、姫を與えると言ったんだ」
勿論、彼が『姫』と言っているのはフェリシア姫だ。
そもそもハヤト達は、ノートン王が変わったことも知らないし、フェリシア姫がフォルトナーのアベル王太子と婚約中だなんてことは知らない。
ノートンの前王と樞機卿が存命だった頃に、彼らに発破をかけるために言った戯言を、ハヤトがまだ信じているだけだった。
(だってさあ、異世界転生のお約束だろう? 魔王を倒した勇者は姫と結ばれて……國王になる!)
彼はそう思っていた。
ハヤトは日本から召喚される前から、ライトノベルやゲームといったものが好きだった。
そして、彼にとっては、現実に存在する世界に移されたとしても、価値観はあくまでゲーム覚。
『魔王を倒し、姫をもらって王になる』は王道だったのだ。
「「え、ちょっと待ってよ! じゃあ、私達はどうなるのよ!」」
ハヤトとそ(・)う(・)い(・)う(・)関(・)係(・)である二人が苦言を呈した。
「おいおい、お前ら、國王になる俺に見合う分だと思ってんのかよ。ほら、人とかにならしてやるからさ、それで満足しとけ」
ぶうぶうと文句を言う二人をハヤトが軽くあしらう。
「まあ、私達、お貴族様でもないし、ねえ……」
分を指摘された二人は、顔を見合わせる。
「じゃあ、その分、贅沢はさせてよねー!」
「寶石に、ドレス、約束よ!」
二人がハヤトの両脇にやってきて、腕を絡めた。
そんなことを話しながら二度目の魔王領に足を踏みれると、ハヤト達は村を発見した。
「は? ゴブリンの、村?」
そこは、ごくごく簡素な普通の人里と相違ないような、小さな村だった。
違うのは、住人のが緑なだけだった。
魔王領。
実はそこは、エルフを除いた『亜人』達の住む領地である。
魔王を王にいただく、『亜人』のための國家とも言える。
魔王領に住んでいる亜人は、まず獣人。
人と同じく二足歩行をする人種であるが、のどこかに獣の部位を持つ。
まず、もっとも人と近い容姿である場合は、獣の耳と尾を持つのみ。そして、より獣化が多い種族になると、頭部や全が獣(狼など)、と、一括りに獣人といっても様々だ。
人よりも、力、腕力といった能力に優れる種が多い。
広範囲に言えば、コボルド、リザードマン、ミノタウロス、ドラゴニュートなども含まれ、彼らも魔王領の住人である。
そして、ドワーフ。
筋質ではあるけれど、背が低く、鍛冶や戦闘に優れた種族である。
そして、ハーフリング。
某有名なファンタジーに出てくる、小さな人たち。
平和を好み、安穏な農耕生活を送っている。
そして、ゴブリンやオーク、オーガ。
ファンタジーでは敵役としてよく出てくる彼らも、ここの住人だ。
彼らの中で、知があり、集団生活が可能なものは、魔王領の住人として集落を作り、平和に生活している。
そして、魔族。
人に比べて非常に魔法に秀でた亜人で、その特徴として角を持つ。
とすると、やはり魔王領というものは亜人の國と考えるのが適切なのだが……。
「え? ゴブリンって、スライムの次に出てくるくらい雑魚モンスターだよな? え? 村で生活してるって何?」
だが、無知なハヤト達はそんなことは知らない。
ハヤトは嘲笑いながら、プライドから與えられた剣を抜く。
そして、ツカツカと無言で歩いて行って、村のり口にいた警備のための住人らしきゴブリンを、切り捨てた。
「勇者様は、モンスターは退治しなきゃあ、なあ?」
濡れの剣を握って、ニヤリと笑う。
「おい! お前何してやがる!」
ぷうんとハヤトの周りを飛ぶのは一匹の蠅。
それが、ハヤトの目の前に來ると、一人の魔族の年兵士の姿に変わる。
黒髪に赤い目。そして、手の爪が鋭利で長い金屬様なのが特徴的だった。
彼はベルゼブブが領に配備している警備兵で、普段は蠅の姿で人知れず監視をしている。
彼らは、蠅の王の眷屬。なので、非常にきが速いのが特徴的で、まず、魔王領の侵略者を逃すことはなかった。
……はずだった。
「……え?」
気がつくと、年の腹に、ハヤトの剣が突き立てられていた。
「この僕が、……見えなかった?」
混に目を瞬かせながら、年は口からを吐いた。
「悪いな。勇者様の俺は、もっと上なんだよ」
嘲笑うように言って、ハヤトは剣を引き抜く。
支えをなくした年は、そのまま地に伏せるように倒れ込むのだった。
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