無雙 ~仲間に裏切られた召喚師、魔族のになって【英霊召喚】で溺スローライフを送る【書籍化&コミカライズ】》第77話 、白蛇を救う

力と被害の順から言って、まずは白蛇の救助が先ですかな」

私、マーリン、フェルマー、ガレス三兄弟のメンバーで、早速白蛇が住む祠があるという山に向かう。

行き方はいつもの抱っこ付き、空中散歩である。

空は快晴、風も穏やかで暖かい。

気持ちの良い行程だ。

やがて、目的の山の麓に村を見つけた。

私達は、一度聞き取りのためにその村に立ち寄ることにした。

「こんにちは」

村のり口に降り立って、一番近くにいる村人に聲をかける。

村人はリザードマンだった。そう、大きなトカゲが二本足で立っている。

「おや、ずいぶん小さい魔族のお嬢さま……。あ! リリス様ですか!?」

まあ、濃いピンクのツインテールに、珍しい魔族の。目立つといえば目立つけれど……。

とはいえ、なぜ知っているのかしら?

「どうして、しっているのでしゅか?」

村人に尋ねると、この村の守護者の件を王城に陳したら、宰相のアドラメレクから、私を派遣すると言われたのだそうだ。

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全く。本人にいう前に勝手に約束するなんて、これだからくじゃくは……。

「見た目はらしいですが、攻守、回復とも萬全の、四天王の中でも一番の將軍だとお伺いしております!」

ふ、ふん。わかっているじゃない、くじゃく。

々ちょろいのかもしれないけれど、その言葉に私はすぐに気を良くした。

「そう。あなたたちの、たいせつな、しゅごしゃを、たしゅける。だから、みちをおしえて」

守護者を助ける、その言葉に、村人は歓喜の表を浮かべる。

「山に一番詳しいものを連れて參ります!」

そう言って、彼は村の中へと走っていった。

そうしてしばらく待って、彼が連れてきたのは、とりどりの石でできた首飾りやと頭飾りをつけた、白裝束を纏ったリザードマンのだった。

「村の巫です。守護者様へのお供えや祈りは彼の務め。間違いなく、皆様をご案できるでしょう」

男のリザードマンが彼の背を軽く推すと、白裝束のが頭を下げた。

「ご紹介に預かりました、この村の巫、テユと申します。白蛇様の祠までご案させていただきます。よろしくお願いいたします」

こうして、私達はテユという巫を道案として、山にって行くことにした。

マーリンは私、フェルマーはテユ。三兄弟は、白蛇要員だ。

「テユさんはだから、私の方が良いですよね?」

抱いていく相手を決めるときに、すぐにフェルマーが気を遣って、テユさんに申しれていたけれど。

ーーじゃ、私はなんだろう? っての範囲外?

なんて言っても、文句を言うのも野暮だし、私は大人しくマーリンに抱かれて、祠まで続く山道を進む。

やがて、道が開けて、砂利でできた小さな広間に出た。その両脇には、白蛇を讃えているのだろうか、一対の石づくりの白蛇が鎮座していた。

そしてその奧に、祠らしきがあった。

「あ……、ここです。この中にいらっしゃいます……!」

「あっ!」

フェルマーの腕の中から飛び出して、テユがの中に走っていく。

私達がその後を追いかけると、ただ、暗闇の中に、テユの啜り泣く聲だけが響いていた。

「ライトボール」

明かりがないので、フェルマーが魔法での球を作り出すと、そこには、男ほどもある太さの立派な白蛇が、ぐったりと橫たわっていた。

その腹には痛々しい刃によると見られる傷があり、臓が見えてしまっている。

そして、そのは呪いと毒で、禍々しい合いをしている。

「主(あるじ)様……。おいたわしい」

テユは、で汚れるのも厭わず白蛇に抱きついているので、じわりじわりとそのによって、白裝束が汚れてゆく。

そんなテユの背後にしゃがみ込んで、フェルマーがそっと彼を抱きしめる。

「大丈夫。あなたの主様は私達がきっと助けましょう。……信じて?」

フェルマーが、穏やかな聲で丁寧にテユを諭すと、テユは背後のフェルマーに向かって振り返り、一つ頷いた。

「治療をするから、し離れていてね」

そう言って、フェルマーはテユを背後から抱いたまま、一緒に立ち上がり、白蛇から距離を取らせた。

「さて、マーリン。絶対に助けますわよ」

「當たり前でしょう。私にできぬことはありませんからね」

いつものペアが、好戦的に笑い合う。

「解呪(ディスペル)」

「解毒(アンチドーテ)。……クリーン、そして、ハイヒール」

マーリンの解呪とフェルマーの解毒ではだいぶ良くなった。

そして、フェルマーのハイヒールで傷も臓の損傷から傷口まで綺麗に治っていった。

「だが、……これではやはり、が足りないだろう」

ガレスがグッタリとしている白蛇の口をこじ開けて、その中のを観る。

「娘よ。この者はが不足している。魔王城でなら、十分に療養してやれる。連れていくが良いか?」

ガレスがテユに問う。

「……私は、白蛇様の巫であり、婚約者なのです。……共に、ついて行かせてくれませんか?」

私達は皆で顔を見合わせる。

そう言う理由なら、親しいものがそばにいた方が回復も早いだろうと、意見があって、魔王城へ連れていくことにした。

ガレス三兄弟が、刺激しないようにそっと白蛇を抱え上げる。

マーリンが私を、フェルマーがテユを抱き上げる。

そうして、皆で村に降りて行き、村長を含めた村のもの達に説明をしてから、魔王城へ帰ったのだった。

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