無雙 ~仲間に裏切られた召喚師、魔族のになって【英霊召喚】で溺スローライフを送る【書籍化&コミカライズ】》第81話 勇者と魔王、戦う②

「リリス! おい、降りてこい! 何をしてくれたんだ!」

陛下が闘技場で怒鳴っているのが聞こえる。

そして怖いのが私の真橫だ。

パズスが陣取ってきた。

そして、ゴゴゴゴゴゴ……と地響き的な轟音でも発しそうな表で、私を見つめている。

「マスター……うちの息子の初陣に何してくれてるんですか?」

目は半眼。

コワイ。

「く、くじゃく、こわすぎて、もらしちゃいそうでしゅ! はやく、いかないと!」

アドラメレクの腕の中でジタバタするのだが、所詮四歳ので大人の男に姫抱っこをされている狀態だ。

自力で逃げることは敵わない。

「……リリスちゃん、自分のしたこと、ここで反省しようね」

私のバレバレの噓は通じず、私はにっこりと笑った彼に捕獲されたまま、そして怖い前魔王に半眼で睨まれたまま、陛下の戦いを観戦し続けることになったのだ。

逃げるのは諦めて、もう一度闘技場を見下ろす。

すると、とりあえず陛下は、視界が悪いのがどうにも気に食わないようで、くまの頭の部分を外して、投げ捨てているところだった。

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「全く暑苦しい! 待たせたな勇者! いくぞ!」

「おっおう……」

陛下が告げるも、ハヤトはまだ引いている。

「チッ、この姿じゃ気が乗らん。……まあ、仕方ない。あ(・)れ(・)でダメならこれでいかせてもらおう。……隕石召喚(メテオ)!」

陛下が掲げた手の上に、それよりも上、障壁の頭頂部に三つの隕石が生まれる。

「……ッ、油斷してた隙にしまった」

「ちょっと、どうするのハヤト!」

「避けるしかないでしょう!」

狼狽える勇者一行は、散り散りに逃げようとする。

「行け!」

だが、陛下の命をけた隕石は、勇者一行の三人を的確に標的にして、真っ直ぐに落下していく。

ドオオオォン!

闘技場が揺れる。

三箇所で、隕石が勇者達を捕らえて押し潰し、地にめり込み、そして灼熱の塊が地面を溶かす。

ーーすごい、これなら勇者達は……。

この地に災いをもたらすものが排除された安堵と、一抹の憐憫を心に抱きながら、その様子を見守る。

「流石にこれを食らえば、再生はあるまい……ん?」

陛下は、の片端をあげて、勝利を宣言する。……が。

途中でその言葉が、疑問調に変わる。

テラテラる高溫に溶けた地面の上に、何やら小指の先程の赤い粒と、そこからっこのようなものが生えた、謎のが、それぞれ三つ宙に浮いていたのだ。

「なんだあれは!」

観覧席で見守る魔族達も當してざわついている。

「なんだ、これは」

そう陛下が訝しげにしていると、やがて、灼熱の地面から大量の煤が、謎のに呼ばれるように宙に浮いて集まってくる。

「……まさか」

陛下が當して思わず、そ(・)の(・)可能を口にする。

「死なない、のか?」

そう。

煤は人型に集まり、やがてとなり、勇者達のは復活したのだ。

「……殘念でした」

ニヤリ、とハヤトが笑う。

「私たちはね」

そうしてフォリンが続き。

「死なないの」

マリアが笑った。

「……そうか」

陛下が靜かに呟いた。

「だったら、許してくださいと泣き喚くまで痛め続けてやろう! 我が臣民を斬り、魔と罵った罪は重い! 食らうがいい。炎の鉄の処(ファイアメイデン)!」

陛下がぶと、笑っていた勇者達三人の頭上に、乙の形狀の鉄の箱が現れる。

そして、それは観音開きに開く。

中は空

鉄製の楔が側全に施され。

中は業火が渦巻いている。

観客の様子にハヤト達は笑いをとめ、頭上を見て、顔を青ざめさせる。

「ま、まさか……、あれにれと」

「……ご名答」

ハヤトが震える聲で問い、陛下が冷笑しながら答える。

「……死なないとはいえ、痛みは……」

フォリンが許しを乞うように告げるが、そのは無慈悲にも乙に引き寄せられるように宙に浮き始める。

「いやあぁ!」

すでに乙に捕らえられているマリアが徐々に高度が上がる中、足掻く。

「「「助けて!」」」

だか、無慈悲にも三人は乙の中に捕らえられ、そして。

バアァァン!

無慈悲な金屬音を立てて、扉が閉まった。

「「「ギャアアアアァァァァ!」」」

そして、散々杭に嬲られ、炎に焼かれ、解放される。

と思うと。

「串刺し公の火刑場!」

休む間もなく今度は足元から鉄槍が突き出し、串刺しにされる。

そして炎で再び責められるのだ。

「やめで、ぐれええええええーーーー!」

永遠かと思うくらい繰り返す苛み。

勇者達の心が折れるのは、そう遠くは無さそうだった。

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