《「もう・・・・働きたくないんです」冒険者なんか辭めてやる。今更、待遇を変えるからとお願いされてもお斷りです。僕はぜーったい働きません。【漫畫1巻+書籍2巻】》12 バフ魔法

腹ごなしに散歩していたら、急にの気が引いた。ぐっとを押さえる。

視界がブラックアウト。

やばい。

ドッ・・・

突然、空気が重くなったような覚。

が、怠い。

苦しいよ。

フラフラとして呼吸が苦しくなり立っていられなくてその場でヘタりこむと、の悲鳴のような聲がした。

年っ!大丈夫かい!?」

ふわりといい匂いがした。

安心する。

調不良の波が落ち著いてきたので霞む視界で見上げると、知らないお姉さんが心配そうに覗きこんでいた。ち、近いよ。

「あわわ。びっくりさせて、すみません。バフ魔法が切れただけなので何も問題無いんです。こんなのいつもの事ですから。サポート1」

筋力+1

生命+1

敏捷+1

知力+1

MP+1

AP+1

サポート1は、バフ効果のありそうな初級魔法を同時発させる僕のオリジナルのドーピング魔法だ。なんと全て効果が+1なのだぜ。しょぼすぎて泣ける。

年。駄目だよ、無理しちゃ。いつもの事ですませていいわけないだろ」

僕は尖ってる魔法使いと同じく、上級魔法の素質を獲得する時に強度を捧げたので、貧弱ボディなのだ。

そのくせ仕事で無理してマイナス狀態になってるので、たった+1とはいえ、もはやこれが無いと行不能になってしまう。

湧き上がるAPにが無理矢理にき始めた。効く効くぅ。

おおおっ復活。

「ほらスッキリ!ご心配お掛けしました」

年、大丈夫そうだね??」

心底、不思議そうな顔で見てくる。

魔法使いに見えるのに。

なんで?

「そんなに意外そうに見つめなくても。バフ魔法は珍しいですか?」

「いやあ、ごめんね。ちょっと私は學者になってから疲れやすい質になってね。年もそうかと思ったのだが心配しすぎたみたいで恥ずかしい」

へー冒険者なら割と近な魔法だけど、學者さんなら知らないのかも。

「そうだ。だったら、助けてくれたお禮に掛けてあげましょうか?」

「そうなんだ、ありがとう年」

ふふっと微笑まれる。

いや、ちゃんと使えますよ。

なんだか背のびしちゃってーみたいな失禮な視線をじる。

まぁ確かに初級魔法なんですが。

「サポート1。これで1か月は疲れませんよ?どうで…あ、あの、お姉さん??」

お禮に魔法を掛けてあげたら、わなわなとお姉さんが震えだした。

「何だ?これは??力が無限に湧き上がってくる。うおおおお――!!」

「初級のバフ魔法ですけど?」

まるで尊敬されてるような視線で見られた。気のせいだと思うけど、なんだかむずむずする。

大人しかったお姉さんの顔が食系子みたいにギラギラしだした。

「今なら何でも出來そうだ!謝するぞ、年。あの研究を完させてやる。うおおおお――!!!!」

元気になりすぎたお姉さんは何処かに走っていった。

わあー、バフ魔法初験おめでとうございます。これで上級バフを験したらどうなるのだろう。

僕は魔導師になる前は、上級バフが使えてたので、初めて筋力+10を使った時は家の林檎を全部握り潰したのを思い出した。

あの後、1ヶ月お小遣い無しにされ悲しかった。いいかい?力に溺れては大切なモノを失うんだ。

「うーん?それにしてもあの反応はし大袈裟すぎるような?」

もしかしてヤバい魔法だったのか?

一般人には。

風が吹いた。

われるように遙か大空を飛ぶ粒のようなワイバーンを見つめる。

今日も良い天気だ。

僕は何も見なかった。

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