《12ハロンの閑話道【書籍化】》別次元からの刺客(1)
掲示板スタイル、IDやレス番つけないと無機質になってあまりよくないんですが、正直毎回手間だったのでやはり省くのじゃ
のじゃー
全米で今年最も人々を驚かせた競走馬はグラッチェシモンをおいて他ならないだろう。或いは競馬史において最も驚かせた競走馬の一頭として名前が挙がる可能すらある。
生まれはケンタッキー州南西に位置するハイランド&ディークファーム(以下H&D牧場)。過去二十年まで遡らなければ重賞制覇のない、ひなびた牧場であった。牧場の特としては生産から調教までを敷地面積だけは無駄に広い自家施設で執り行えることで、だからこそ高騰しつつある委託料や施設料金に運営資金を取られずに済み、零細ながらもなんとかやってこれたといった経緯がある。
その辺の騾馬を捕獲して訓練し、競馬場で走らせる。一攫千金を夢見たアメリカンドリームに端を発した牧場らしい現狀と言えるだろう。
そんなH&D牧場に雷鳴が落ちる。學力はそうでもないが聲だけはでかい牧場の跡取り息子、サイモンの怒鳴り聲だった。
「おい叔父貴ッ! てめーまた借金しやがったなどういうことだ!」
うるさそうに耳を塞ぎながら広げた新聞を畳んだのは、牧場所有馬の調教を一手に引きけるシモン。一手に引きけるといえば聞こえがいいが、現役で競走生活を送る馬は5頭なので肩書きほどの実は伴っていない。
Advertisement
「どうって何がだよ。ボーイ」
「なにがじゃねーよ! せっかくグラッチェがダービーを勝って借金が消えたってのに、また借金なんかしてどーすんだよ! というかなんで借金だ!? テレビにCM、賞金だってあった! 暫く喰ってけるくらいに稼いだはずだろ!」
「それなんだがなボーイ」
真剣な顔をして前かがみになるシモン。
「ジェシーがよ、ジュエリーがしいって言ったんだ」
「ハァ?」
ジェシーって誰だよ。ジュエリーって何だ。寶石か? アクセサリーか? それはあれだけあった蓄えを放出するほどの値段なのか? というかをにして雑務を引きける俺に対して報いるとかそういうのが先なんじゃないのか?
翻って、つまるところに貢いだと理解した瞬間、H&D牧場に再びの雷鳴が轟いた。それは放牧に出ていた仔馬達が立ち驚くほどであった。
「まあまあ落ち著けってボーイ。俺達にはあるじゃねーか。金の鉱脈がよ」
予め耳を塞いでいなしていたシモンは柳に風、仔馬をあやす様に言った。
「グラッチェのことか!? あれだって三ヶ月行方不明だったじゃねーか! 俺が探し出さなきゃ今頃どうなってたと思ってんだ!」
「そういう不幸なすれ違いは過去のことだ。今に目を向けろよボーイ」
Advertisement
グラッチェ、グラッチェシモン。
全米競馬界における昨年度のシンデレラボーイと評される。
地道なドサ周りと連戦によってロードトゥケンタッキーダービーのポイントを3著や4著で稼ぎ、3頭出走回避が出たことでなんとか漕ぎ著けたダービーデイ。
連戦でやつれた貧相な馬と相まって本番では最低人気。誰しもが勝利を考えなかったそんな馬。
《先頭はヘイムダル! ヘイムダル!
食い下がるのはガリムンド、外からはフラッシュビートも足をばしているがヘイムダルが先頭、ヘイムダル……
ウワーオッ! から一頭、どの馬だ、これは、これはグラッチェシモン!?
グラッチェシモンが先頭だ!
グラッチェシモンが先頭だ!
なんだかよくわからないが!
どうやら今年のダービー馬は
グラアアアアアアアアアアッチェ、シモオオオオオオオオオオオオオンッ!
二著にはヘイムダルだ!》
とんでもない最強襲がハマった。それは戦前にシモンが指示した作戦だった。
史上最大のフロックと呼ばれたこの一戦。とはいえ勝ちは勝ちで、傾きかけたH&D牧場は救われたのだった。
だったのだが、それでも競馬は続いていく。春シーズンが終われば當然冬シーズンも。ダービー馬グラッチェシモンの冬初戦は地元のOP戦、特に國際グレード等ついていないようなレースだった。
Advertisement
それは周囲どころか當人達(調教師のシモン叔父を除く)ですらグラッチェの競走能力を疑問視していたからである。
當日のレースでも一応一番人気に推されはしたが、どちらかといえばお手並み拝見というか、怖いもの見たさというか、スリルを味わいたい客層が好んで買ったためというのが競馬記者達の見解であった。
大方の予想を裏切らず凡走。8著となった。
事件が起こったのはまだこれからの馬だ、次があると帰りの輸送を手配した後だった。翌日、翌々日と牧場でグラッチェをまっていたサイモンはさすがにおかしいと輸送業者に連絡。すると
「え? 確かに貴方の牧場に屆けましたよ?」
輸送代をけちっていつもと異なる業者を使ったのが失敗だった。自分の牧場に屆いていない以上、業者は間違った牧場へグラッチェを屆けたのだ。
それからはもう嵐のようであった。當然怒り散らして裁判を起こしたのは言うまでもなく、問題なのはグラッチェの行方だ。さして珍しくもない栗よりの明るい鹿の馬で他に特徴があるわけでもないから、その辺の牧場に紛れ込まれると見つけることは困難だ。
というか屆けられた方も気づけよ、と呪詛の念を吐きながら必死になって3ヶ月。當馬不在で屆けられたドバイワールドカップへの招待狀が虛しく飾られる中、ようやくグラッチェは発見された。
「暢気に草くってんじゃねえよ!」
「?」
騒ぐ人間達もどこ吹く風。グラッチェは隣州の乗馬クラブが所有する放牧場でのんびりとした生活を送っていた。なんと驚くべき事に、ここ數ヶ月で乗馬として數多の素人をその背に乗せていたという。知らぬこととはいえった客は幸運であろう。ダービー馬の背中など頼んでもれるものではない。
ちなみに発見が遅れた原因としては、間違えられた馬とグラッチェがあまりにも酷似していたことと、乗馬クラブと放牧場の間で連攜が取れておらず、今どの馬が何処にいるのかなど管理が杜撰であった、そのためグラッチェとよく似た馬はお互いがそうとは知らずにれ替わりでクラブと牧場を行き來していたから、との事だ。
発見した直接の理由も客がいつも馬場に居る(普通いくらか働くとその乗馬クラブでは放牧へ出して休ませていたため)グラッチェ似の馬に疑問を抱いたからであり、そうでなければ永遠に乗馬として一生を過ごしていたかもしれない。
そんなこんなで今。ドバイは棒に振ったが調教での上積みは十分。さて春シーズンのレースはどこからろうかと思索を練っていた時期である。
過去の出來事を不幸なすれ違いと言い切るには些か損害が大きすぎた。それゆえ慎重になっていたサイモンに対し、シモンは宥めるように続けた。
「いいかサイモン坊や。俺達のグラッチェは今注目を集めている。史上最大の下克上を決めたダービー馬で、秋は凡走、その上行方不明。結局走るのか走らないのか分からないままだ。
ここまではいいな。
そして次に何をするかでグラッチェの商品価値は決まる。普通の事をすれば、それは凡百の馬に埋もれるだけだ。古馬戦線? 結構なことだ。勝ちさえすれば大きな関心を得られる。だがし弱い」
「叔父貴。さっさと教えろよ。借金の理由と、そのご大層な説教の行方をさ」
へっ、と鼻をり、シモンは背の低いテーブルに乗り出して、囁いた。
「日本だ。ケンタッキーダービー馬グラッチェシモンは日本のレース、それも芝のだ。芝マイル戦、ヤスダ・キネンに參戦するんだ。さぞや注目を浴びるだろうぜ。そしてその注目は、金を集める力なのさッ!」
クレイジー。反的に呟いたサイモンは頭を振る。
「オー……叔父貴……そいつは無理だ。いくらなんでも勝てる見込みがなさ過ぎて面白さより無謀さが前面に出ちまうよ。そんなんじゃ金を出す奴なんか」
「ということで出資金を募って、日本の滯在牧場とも話をつけた。9ヶ月で諸々含めて50萬ドルとはいやーウマイ話だったぜ」
「居たのかよ出すのかよ決めたのかよ! チクショー! おまえー!」
「うわーなにをするやめろー!」
米ダービー馬グラッチェシモン、安田記念に電撃參戦。
【限界説】サタンマルッコ part102 【早説】
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
???「全然違うじゃん!」
P「……」
???「言ったよね!?『2400mならサタンマルッコは絶対取りこぼさない』って! この結果は何?」
P「キャリオンナイトも歴戦の勇士、後方一気の腳をあの位置から使えるなら當然の結果です」
???「もういいよ!私競馬辭める!」
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
そうそうこれよこれ。
なんかレース終わったじしないと思ったらこれ見てなかったからだわ。
めっちゃ経ってるけどサンキューな!
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
いやでも正直キャリオンに負けると思わなかったわ
なんかガッカリ
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
わかる
ダービーで負けたライダーを見たときのじに近い
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
ゆうても魔王様結構負けてるぞ
クエスに鉄剣にサンクルーうっ頭が
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
サンクルーのことは忘れよう。な?
あれはノーカン
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
なんやキャリオンかっておめでとうでええやないか
キャリオンが勝ってワイは嬉しいぞ!
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
當然馬券は単勝しこたま突っ込んだんやろなー(ニコニコ)
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
おう(尚複勝)
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
國だと現役でサタンに先著したことある馬が鉄剣だけで
そこにキャリオンが追加された訳か。
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
キャリオンがどうのっつーか8がG1勝ったのが意外
あいつ重賞初制覇は速かったけど、ああいうタイプはG1勝つまで長いと踏んでいたんだがな
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
ああ分かる。しかし三年前デビュー組は細原といい八といい若手ジョッキー育ってるな
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
馬が強いだけ説
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
あると思います
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
外人が勝つよりいいだろ
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
しかしライダーは大阪杯よく勝ったな。
まるいのの所為で忘れがちだが、2000mで七星に勝つとか相當凄いことだぞ
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
個人的にはドバイの裏番組扱いされてたけど、大阪杯の方が激熱だったわ。
俺的には既に今年のベストレースに定している。
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
しらんがな
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
結局4歳勢は全く歯が立たなかったな。
S氏もダイランドウもいないからペース落ち著いていたのにあのたらく。
能力差は如実だわ。もう買わなくていいだろ。
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
(あっ、こいつウワアから買ったな)
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
ま、ええやん。
有馬も結局三著だったわけだし、何気にS氏が走ると3著率高かったんだぞキャリオン
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
上積み増えたじはないが、早枯れしてるじはしないよなサタン。
親父の現役績考えると尚の事
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
腳質的なもんもあんじゃねーの
毎回あんな全力で走ってたら早晩ポキるだろ普通
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
丈夫さも親父譲りなんだろたぶん
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
しかしここいつも思うが専用スレッドというより雑談スレだよな
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
いつからここが専用スレッドだと錯覚していた?
ここは競馬板総合だぞ
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
ワイ児スレタイを二度確認す
あっていることに安堵。そして今からお前を毆る、右手でだ!
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
(URL)
向きてたぞ
ダイランドウ安田でサタンは寶塚直行か
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
なんだ天皇賞いかんのか
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
さすがにドバイから天皇賞は厳しいだろwwww
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
天皇賞組
鉄剣
七星
ウワア
安田組
ダイランドウ
ライダー
こんなもん?
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
馬ねえwwもうちょっと調べてから書けよwww
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
向はっきりしてんのはそのへんか
大阪杯の後って毎年グダグダするよな
寶塚の位置付けが微妙なのが悪い
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
そういってやるなよ
近年盛り返してきてるだろ
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
まあ寶塚はローテ云々より暑さがね
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
でもお前ハゲじゃん
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
はっ? 殺すぞ
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
ヒェッ
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
安田のライダーVSダイランドウは激熱だな
去年は春調子悪かったけど、今年はライダーがやってくれると信じている
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
いや無理だろ
ダイランドウ相手にマイルじゃかてっこねー
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
あのあの、米國さんからはるばるやってくるグラッチェシモンという馬がですね
ドバイを制したラストラプソディーさんもですね
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
え、見つかったのかあのダービー馬www
名無しさん@競馬板 20NN/04/05
競走馬に対して見つかったとかいう言葉をかけた場面を初めてみた
………………
…………
……
速水が更新された!(ここに書くくらい嬉しい)ので俺も更新です
れてない大阪杯とラスト君勝利については別で一通り盛り上がった後の空気で。
名前だけ登場していたグラッチェシモン。
設定だけは閑話の前の番外編書き始めたときくらいからあったりして、じつはお気にりです。
前フリが長い奴は大死するこの時空において、既に発済みのグラッチェ君の明日はどっちだ
星の家族:シャルダンによるΩ點―あるいは親友の子を引き取ったら大事件の連続で、困惑する外科醫の愉快な日々ー
東大醫學部卒。今は港區の大病院に外科醫として勤める主人公。 親友夫婦が突然の事故で亡くなった。主人公は遺された四人の子どもたちを引き取り、一緒に暮らすことになった。 資産は十分にある。 子どもたちは、主人公に懐いてくれる。 しかし、何の因果か、驚天動地の事件ばかりが起きる。 幼く美しい巨大財閥令嬢 ⇒ 主人公にベタベタです。 暗殺拳の美しい跡取り ⇒ 昔から主人公にベタ惚れです。 元レディースの超美しいナース ⇒ 主人公にいろんな意味でベタベタです。 大精霊 ⇒ お花を咲かせる類人猿です。 主人公の美しい長女 ⇒ もちろん主人公にベタベタですが、最強です。 主人公の長男 ⇒ 主人公を神の如く尊敬します。 主人公の雙子の娘 ⇒ 主人公が大好きですが、大事件ばかり起こします。 その他美しい女たちと美しいゲイの青年 ⇒ みんなベタベタです。 伝説のヤクザ ⇒ 主人公の舎弟になります。 大妖怪 ⇒ 舎弟になります。 守り神ヘビ ⇒ 主人公が大好きです。 おおきな貓 ⇒ 主人公が超好きです。 女子會 ⇒ 無事に終わったことはありません。 理解不能な方は、是非本編へ。 決して後悔させません! 捧腹絶倒、涙流しまくりの世界へようこそ。 ちょっと過激な暴力描寫もあります。 苦手な方は読み飛ばして下さい。 性描寫は控えめなつもりです。 どんなに読んでもゼロカロリーです。
8 121學園の男子が、俺以外全員男の娘だった件!
とある有名學園に入學した どこにでもいそうな平凡な男子學生 青鷺 一樹(あおさぎ いつき)。 彼は入學式の最中とんでもない事実を知らされる。 男の娘だらけの學園で始まる、青鷺 一樹のドタバタ青春ラブコメ! 彼は無事に學校を卒業することができるのか?
8 1352度目の人生を、楽しく生きる
日本で殺されたはずの少年は、死ぬ前に「次は自由に楽しく暮らせる人生がいいな…」と願いながら命を落とした。 そして次に目を覚ますと……そこは見知らぬ家のベッドで、少年は5歳になっていた、しかし少年には日本での記憶があった。 そこで少年が目にしたのは…剣を腰に差す男性と、手から火を出し調理をする女性だった。 男性は自分は父だと言いと女性は自分は母だと言った。 この2人には全く見覚えがない。 2人は少年の事を見ると口を揃えてこう言った。 「「おはよう、ルージュ!」」 ………いや、誰? どうやら少年は異世界に記憶を持ったまま転生したらしい。 少年は…ルージュは誓う、この世界では、楽しく、自由に生きると。
8 112FANTASY WAR ONLINE
『FANTASY WAR ONLINE』通稱『FWO』主人公である龍血昴流はVR技術の先駆者である父親の友人から世界初のVRMMOを手に入れる。しかも、家族全員分。人族と魔族の陣営に分かれて戦うこのゲームで龍血家は魔族を選択し、『FWO』の世界へと足を踏み入れる。
8 87夢見まくら
射的で何故か枕を落としてしまった兼家海斗は、その枕を使って寢るようになってから、死んだはずの幼なじみ、前橋皐月が出てくる夢ばかりを見るようになった。そして突然、彼の日常は終わりを告げる。「差し出しなさい。あなたたちは私達に搾取されるためだけに存在するんですから」絶望と後悔の先に――「……赦してくれ、皐月」――少年は一體、何を見るのか。
8 99ひざまずけ、禮
「ひざまずけ、禮」 理不盡な死を遂げた者たちが、その運命に抗うため、化け物を退治する。どこまでも平凡な少年と文學少女が織りなす、學園ストーリー。・・・になるといいな!(白目)
8 71