《剣聖の馴染がパワハラで俺につらく當たるので、絶縁して辺境で魔剣士として出直すことにした。(WEB版)【書籍化&コミカライズ化】【本編・外伝完結済】》40:アビスウォーカーの影
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「ディモル、いくぞ!」
「クェエエ!!」
準備を終えた俺は、牧場で待っていたディモルの背にる。
すでに日が落ちて辺りは闇に包まれているが、屋敷の方は松明を掲げた騎士団員たちが忙しそうにき回っているのが見える。
「フリック様、お待たせしました!!」
いつもの魔師のローブに著替えたノエリアが屋敷の方から駆けこんできた。
俺はノエリアに手を差しべると、ディモルに著けた騎乗用の鞍に彼を引っ張り上げた。
「ノエリアは俺にしっかりと摑まってくれ。魔境の森まで飛ばしていくから」
「は、はい。あ、あの失禮します」
ノエリアが遠慮がちに俺にしがみついてくる。
かなり飛ばすつもりなので、あんまりしがみつくのを遠慮されると振り落とす可能があった。
「ノエリア、もっとしっかりしがみついて!! 飛ばすから!」
「は、はい……。これでいいですか?」
ノエリアが、俺のに手を回しギュッとしがみついてきた。
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これだけしっかりと摑まってくれたなら、振り落とすこともないな。
「よし、じゃあ行こう! 目的地は魔境の森のり口付近だ。この前調査隊が通った道に近い場所らしい」
「承知しました。わたくしは子供の時からアビスウォーカーの姿を父上に嫌というほど教えられたので、見間違えることもないと思います」
俺も大人たちから聞いたアビスウォーカーの姿は想像できるが、判斷を間違えると大変なことになるので、確認のためにもノエリアが同行してくれるのはありがたかった。
その分、彼を守ることも忘れてはならない。
報告してきた冒険者によれば、目撃した數は一だそうだが、その後どうなったのかまでは確認してないそうなのだ。
もしかすると到著したらアビスウォーカーで溢れているということもある。
魔にも気を付けなければならないし、気を抜くことは許されない飛行になりそうであった。
「ノエリア、期待してるぞ。よし、ディモル出発だ!」
「クェエエっ!」
俺はディモルに著けた革製の手綱を引くと、空に飛びあがらせ、目的地である魔境の森へ向かうことにした。
快速を誇る翼竜ディモルのおかげで、ユグハノーツから徒歩で數日を要した魔境の森までの行程を夜明けまでに飛翔していた。
ロイドたちもすでにユグハノーツを進発しているだろうが、目撃現場にはどんなに急いでも二日はかかると思われるので、それまでは俺たちでアビスウォーカーの捜索を進めておくつもりであった。
「ノエリア、高度を落とす。下に降りたら一旦仮眠をとろう。徹夜で飛んでディモルも疲れてるだろうし」
「え? もう、終わりですか……あ、いえ。はい、分かりました」
半分寢ぼけているのか、ノエリアから妙な返答が戻ってきた。
やっぱり寢ずに飛んだのはマズかっただろうか。
代で仮眠をとってから、アビスウォーカーの捜索にるとしよう。
仮眠をとることにした俺は、降下をするようにディモルの首を軽く押した。
「クェエエっ!」
こちらの意図を察したディモルが、徐々に高度を落とし、し開けた場所を見つけるとそこに著地をしてくれた。
「おし、到著。すぐに仮設のテント作るから」
「では、わたくしは軽い食事の準備を。昨日の夕食からなにもお腹にれてませんし」
「そういえば、そうだな。聖域(サンクチュアリ)はいちおう張っておく。警戒だけは怠らないでくれよ」
「承知しました」
ディモルから降りたノエリアはそう言うと、すぐに鞍に括りつけたカバンから食材を取り出して料理の準備を始めていた。
俺もすぐに荷からテントを取り出して組み立てていく。
現在の場所は魔境の森にる一歩手前なので、まだ魔の気配はそう多くない。
だが、油斷すればいつ寢首を掻かれてもおかしくない場所だった。
テントの準備を終えると、簡単に食事を取り、代で仮眠をとった。
仮眠を終えると、目撃報告があった魔境の森のり口付近の捜索を開始する。
【ふぁあああ……。おはようございます! マスター! って、ここはどこです?】
昨日の夜から話しかけてこないなと思ったら、どうやら魔剣は寢ていたようだ。
寢る子は育つってみんな言ってたけど、魔剣も寢たら育つのだろうか。
「寢てたのかよ」
【はい、マスターが楽しそうにディモルちゃんの拭いてたんで眠くなって……今まで寢てました!】
「フリック様がディモルのを楽しそうに……わたくしも、して……おほん、いえなんでもないです」
俺と魔剣の會話を聞いていたノエリアが急に顔を赤らめていた。
ノエリアも、もしかしてディモルのお世話をしたかったのだろうか。
そうだったら、今度ってみるか。
ディモルも喜ぶだろうし、アビスウォーカーの件が片付いたら話してみるとしよう。
【で? なんでこんな場所にいるんです? たしか、ユグハノーツに居たはずなのに?】
そういえば、魔剣は寢てたから俺たちが魔境の森に居る理由を知らなかった。
俺は眠っていた魔剣に対し、ここにいる理由を話してやった。
「アビスウォーカーって化けが目撃されてな。俺たちはディモルに乗って先行偵察中さ」
【アビスウォーカー?】
アビスウォーカーを知らない魔剣は魔石を淡く明滅させた。
「ええ、貴方は知らないかもしれないけど、この國を二〇年前に滅亡の危機へ陥れた生たちのことをアビスウォーカーって言うの。終息して二〇年、ずっと目撃例がなかったんだけど……」
【それが発見されたってことですね! 大変だ! そのアビスウォーカーって強いですか? もしかして、せ、せせ戦闘ですか!?】
「ええ、探し出して見つけたら即戦闘になるわ」
ノエリアの説明をけたことで魔剣がカタカタと震え始めた。
「大丈夫だって、俺とお前はあの魔獣ケルベロスも倒したんだぞ。アビスウォーカーの一や二くらい」
【マスター! は、はい! 頑張ります!】
「そうですね。フリック様たちなら、アビスウォーカーの一や二くらいは余裕ですね」
そんな風に話していると、奧の森の方で人影らしいものがくのが見えた。
ただ、まだ発しているはずの聖域(サンクチュアリ)は、効果範囲であっても反応を示していない。
「さっそく居たかもしれない。みんな、油斷するなよ。ノエリアはディモルに乗って上から見張ってくれ。地上要塞亀《グランドフォートレスタートル》がいるかもしれないから、あまり高くは飛び上がらないでほしいが」
「は、はい。承知しました。わたくしは上からアビスウォーカーを探しま――」
「クェエエ!!」
ディモルはノエリアのローブの襟を咥えると、自分の背に乗せすぐに飛び立っていった。
【ディモルの反応はやっ! ノエリアさんを電石火で乗せて飛んできましたねー! 早業だー!】
「ああ見えてもディモルは賢いんだぜ。そんなことよりも、俺たちもあの人影を追うぞ」
【あ、はい! 戦闘ですね!! 新しく覚えた魔法でガンガンいっちゃいます!!】
俺は魔剣を鞘から引き抜くと、人影が消えた森の方へ駆けていった。
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