《剣聖の馴染がパワハラで俺につらく當たるので、絶縁して辺境で魔剣士として出直すことにした。(WEB版)【書籍化&コミカライズ化】【本編・外伝完結済】》外伝 第二十一話 ソフィーとの出會い
お金稼ぐため、サーチャーの依頼を優先してこなすようなってから一か月。
サーチャーの依頼は近場であることが多いこともあり、一日でいくつも依頼をこなす日々だった。
おかげで、ご飯もちゃんと食べられるようになってきたし、宿にも泊まれてるし、ニコライに剣を打ってもらうお金もしずつ貯まってる。
「今日の依頼はこれで終わりだよね。魔は出て來なったけど……。はぁ、帰って鍛錬しよっか」
「そうだね。日が暮れる前に帰れば、しは鍛錬の時間も取れるし。今日はこれくらいで」
籠に薬草をれたフィーンが立ち上がった時、雑木林の奧に誰かの気配をじ取った。
「誰? 名乗って!」
剣に手をれ構えると、気配の相手に名を尋ねる。
フィーンも気付いたようで、剣に手を掛けていた。
最近、駆け出し冒険者を狙って金を巻き上げてる中堅冒険者集団がいるって話を聞いたけど、そいつらの仲間かしら。
気配は一人しかじないし。
「ちょっと、剣に手を掛けないでもらえるかしら? こっちは攻撃する意思を見せてないでしょ?」
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雑木林の中から現れたのは、同い年くらいの冒険者だった。
比較的軽裝ななりからすると、サーチャー専門でやってる子かもしれない。
とはいえ、油斷はできない。
知らない人が必ずしもこっちの味方であるとは思えないし。
「名前、名乗れないなら剣から手を外さない」
冒険者はこっちが剣から手を離さないことを見ると、呆れた顔をして肩を竦めた。
「ソフィー、私はソフィーって言うわ。こっちが名乗ったからには、あんたらも名乗りなさいよ」
「あたしたちに何か用なの? 用がないなら、それ以上近づかないでソフィーさん」
剣から手を離すことはしない。
問題の中堅冒険者たちは、冒険者で油斷させて、隠れてる仲間が襲うってパターンもあるって聞いてるし。
被害をけてるのは、駆け出しの鉄等級の冒険者ばかりって話だし、王都に近い場所でも発生してるって噂をフィーンが聞いてるから、気を付けないといけない。
「あんたら、私が例の中堅冒険者たちの集団の手先だって思ってるの?」
「だとしたら?」
「お門違いね。あんな連中の仲間だと思われるのは心外だわ!」
「証拠はないでしょ? 勝手に近寄らないで」
こちらに寄ろうとしたソフィーに対し、剣を引き抜いて制止を求めた。
「アルフィーネ、剣をしまって。冒険者同士の私闘が誰かに見られてバレたら、ランク査定に響くから」
「フィーン、でも――」
「アルフィーネとフィーンって言うのね。お互い、査定に響くようなことはしたくないでしょ」
「くっ、しょうがない。剣はしまう」
引き抜いた剣を鞘にしまうと、ソフィーを視線で制する。
「なんで、まだ敵意を見せるの。こっちは、話をしたいだけよ。なんで、そんな野良貓みたいに警戒するのよ」
あたしの機嫌が悪いと見たフィーンが、ソフィーとの間に立つと口を開いた。
「ソフィーさん、今は例の事件で々と冒険者たちが疑心暗鬼になってる時ですし、初対面の人に警戒をするのは當たり前かと思いますよ。それにうちのアルフィーネはもともと人と話すのがあまり得意じゃないんで」
「へぇ、そうなの」
ソフィーの視線が、こちらに注がれる。
「で、用事はなんでしたか?」
「最近になって冒険者になった黒髪の若い剣士がいるって聞いて探してたの。ほら、黒髪って王家の筋って話もあるじゃない。それに剣士って聞いたらさ。初代剣聖様を想像するじゃない。だから、一回見てみたいなって思っただけ」
「は!? そんな理由!?」
黒目黒髪が王家の筋なんて迷信だって言う人が大半じゃない。
なんで、そんな話を聞いただけで探したりするの。
意味わかんない。
「ほら、ご利益あるかもって思うじゃん」
「意味不明!」
「でも、ビビッてきたわ! アルフィーネとは絶対に気が合いそう。これでもう顔見知りだし、友達だね」
「ちょ! なにするの! 手を離して!」
ソフィーはフィーンをひょいっと避けると、あたしの前に來て手を握っていた。
のこなしが軽すぎない? っていうか、馴れ馴れしすぎでしょ!
「酷くない? 別に握手くらいいいじゃない」
「あたしは勝手にれられのが嫌いなの!」
「じゃあ、っていいよね。るよ。うんうん、けっこうごつい手をしてるね。剣の練習はすごくしてるみたい」
ソフィーの言葉に呆気に取られてしまい、されるがままに手をれられた。
ダ、ダメだこの子。
人の話をちゃんと聞いてない。
「フィーン、帰ろう! すぐに! 今すぐに!」
「あ、うん。そうだね。ソフィーさん、アルフィーネが嫌がってるから、やめてあげて。僕たちはこれで失禮するよ」
「えー、せっかく會えたのに! しょうがない、今日はこのくらいにしとくね。アルフィーネ、またお話しよう!」
「知らない!」
ソフィーが手を離した隙を突き、あたしは兎のごとくその場から駆け去った。
換金を終え、宿に戻り、食事を終えてベッドにっても、ソフィーのことを思い出すとドキドキして眠気が飛んでしまう。
ずっと孤児院でも、同年代の同とは馴染めなかったから、ずっと距離を置いてきてたけど……。
ソフィーって子は、なんで勝手にあたしとの距離を詰めてきてるのか理解ができない。
ご利益を求めて? それとも、フィーンが目當て? まさか、本當にあたしと話をしたいなんてわけないよね?
本當に何が目的なの……分かんないよ。
フィーンは悪い人じゃなさそうだって言ってたけど、そんなに簡単に信用できないって。
絶対に何か企んでるはずだし!
ソフィーのことを考えたら、一睡もできず夜が明けることになった。
「やった! アルフィーネ、今日も會えたね。依頼はどれけるの?」
「教えない」
「同じ方向なら一緒に行こうよ。三人の方が効率よく納品集められるし」
「やだ」
「なんで、じゃ、じゃあ、フィーン君が良いっていたらいいの?」
「ダメ」
「ひどーい。私とアルフィーネは友達じゃん!」
「なった覚えない」
フィーンが依頼を探してくれてる間、冒険者ギルドにいたソフィーに聲をかけられ続けた。
面倒くさいとは思いつつも、孤児院にいた同年代の子にはなかった心地よさをじている自分に驚く。
ダメダメ、信用したらダメだから!
なにをされるか分からないし、適當にあしらっておかないと。
「ねー、アルフィーネ。ねーってば!」
「フィーンが戻ってきたから、じゃあね。フィーン、今日の依頼は取れた?」
「うん、納品ばっかだけどね」
「じゃあ、手早く済ませよっか」
「アルフィーネ、私も一緒に付いてくから待って~。すぐに依頼けてくるからっ! 待ってて! 待っててよ! 先に行ったらやだからね!」
ソフィーがこちらをチラ見しながら、自分の依頼をけに窓口に消えた。
「じゃあ、行こう。ソフィーが戻ってくる前にね」
あたしはソフィーが戻る前に、フィーンとともに今日の依頼先へ向かうことにした。
更新読んで頂きありがとうございます。
ソフィーは、メイラと出會う前にアルフィーネが唯一同年代の友達だったキャラとして本編に出てます。
基本的に引っ込み思案で人嫌いなアルフィーネを友達にする子は、押しの強くグイグイ來るキャラの子なので、ソフィーもメイラと同じようにグイグイ來る子です。
アルフィーネの返し方もアレですが、ソフィーもかなり図太い子かなって思いますねw
でもそれくらい図太くないとアルフィーネの友達はやれないかなって思います。
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