《【書籍化】その亀、地上最強【コミカライズ】》あいさつ
僕は一緒に行くパーティーの方へ頭を下げて、末席に加えてもらうことにした。
右も左もわからないので依頼の注を任せたところ、リーダーのがけてきた依頼は『オーガの討伐』だった。
隣町のカーターにある森に出沒するようになったらしいオーガを倒し、町の人達を安心させるための依頼である。
今は必要な買い出しを終え、彼達がチャーターしてくれた馬車に乗り込んだところ。
これから目的地へと向かおうとしているその最中だ。
「私たちを選んだこと、後悔はさせないわ」
パーティーのリーダーであるエナさんが、僕にがっちりと握手をしてくる。
僕もそれを握り返すが、彼の握力が強すぎて、手が悲鳴を上げる。
けどなんとか痛みを我慢して、栄ですと言葉を絞り出した。
僕が、というよりかはアイビーが熱烈に推していた四等級パーティー『ラピスラズリ』。
アイビーが彼達を選んだ理由は、とてもシンプルだった。
――僕たちを勧してきた人達の中で、彼達が一番いい匂いがして清潔だったからである。
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そんなことかよと思うかもしれないが、アイビーは人間の僕が驚くほどのきれい好きだ。
僕がを洗わず寢ようとしたら、無理矢理大きくなって服をがして水浴びをさせられた、なんてエピソードもある。
清潔な彼からすると、どうやら何日もを拭かず獣のような匂いを出す男冒険者達がお気に召さなかったようだ。
僕としては実力的には彼達より高い、三等級の『エスト・エスト・エスト』を推したんだけど、アイビーがつーんとそっぽを向いて拒否してしまったのであえなく斷念した。
確かにリーダーのマキシムさん、髭ボーボーで臭かったもんね……。
「じゃあ改めて自己紹介するわね。私がリーダーのエナ。務めるのは前衛で得はこの絶骨刀ね」
エナさんは茶い髪をばっさりと切り揃えたショートヘアー。
戦うときに邪魔にならないようにするためか、前髪はかなり短い。
いわゆるおかっぱヘアーだ。
著ているのは青い鱗の鎧である。
僕は詳しくないので、なんの魔のものかはわからない。
馬車の脇、いつでも手が屆くような位置には、エナさんの背丈くらいの長さがある真っ白な剣がある。
名前から察するに、何かの魔の骨を削って作った剣なのだろう。
「私はサラ。後衛で、得意なのは氷魔法。ガス欠にならないよう攻撃は基本地味だけど許してね? ってなわけで、よろしく」
「僕はアイシャ。中衛だけど前衛もできる萬能型ってじ。僕が時間を稼いでる間に、二人がどでかいのかまして勝つっていうのがうちらの基本戦。噂は聞いてるよん、よろしく」
サラさんは頭に魔みたいなトンガリハットを被った、靜かそうな青髪の。
僕っ娘なアイシャさんは口調とイメージの違う長い金髪をなびかせている、元気そうなだ。
この三人が『ラピスラズリ』のフルメンバーである。
ムースさんに聞いたところ、四等級ではかなりまともなパーティーらしいので、騙されたり酷い目に遭わされたりすることはまずないだろう。
オーガの討伐も何度か実績があってのことなので、アイビーがいるから無理して依頼をけようなんてじじゃないし。
「僕はブルーノ。なぜか四等級に上がった新人冒険者です」
「僕たちは二年かかったんだぞー! 僕たちの二年を返せー!」
「茶化すなアイシャ、ブルーノが困ってるだろう」
「あ、あはは……どうぞよろしくお願いします」
なんていうか、その……こういうのを、かしましいって言うんだろうか。
ばかりの空間だし、なんとなくいい匂いがするしで、どうにも落ち著かない。
アイビーも雌なので、実質雄1対雌4なわけだし。
「みー」
「で、この子がアイビー。こう見えて、結構きれい好きです」
今のアイビーは、手のひらサイズである。
僕の肩に乗っているアイビーは、しゃっきり背筋をばした。
そしてちょんちょんと、手を使って僕の肩の骨のあたりをつついてくる。
意図を察して笑ってから、彼の前に手を出す。
そしてするりと手の上に乗ったアイビーを、三人の前に突き出した。
「みー」
アイビーがつぶらな瞳で三人を見回してから、ちょこんと頭を下げる。
よろしくお願いしますという彼の気持ちが、『ラピスラズリ』の先輩達にちゃんと伝わるといいな。
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