《【書籍化】その亀、地上最強【コミカライズ】》ラピスラズリ
アイビーの真の姿を見ていたのは、當然ながら敵方の魔達だけではない。
最前線と後方の間に配置されていた『ラピスラズリ』の面々も、彼の実力を目の當たりにしている冒険者の一人だった。
「あ……あはは、すご……」
「たしかに、それ以外の想は出ては來ないな……」
アイビーの放った魔法はその全てが敵の魔へとぶつかり、瞬時に死を積み上げていく。
一つとして外れることもなければ、跳ね返されたものや流れ弾がこちらに飛んでくるようなこともない。
人間側にはただ一つの被害もなく、アイビーはたった一でアクープの街にやってくる魔達を倒し続けていた。
冒険者である彼達にできるのは、アイビーの戦っている姿を見つめることと、彼の足踏みによって生まれる地響きに合わせて、を揺らすことだけだった。
「いや、一ではないな……」
リーダーであるエナが見つめるその視線の先を、サラとアイシャの二人が追いかける。
そこにはまるでアイビーの一挙手一頭足を見逃すまいと駆け回り、彼と何かを話しているブルーノの姿があった。
彼は自分達と會った後に、グリフォンをなんとかする依頼をけ、なし崩し的にテイムまでしてしまったらしい。
おかげであの時は先輩面をしていたというのに、今ではもう彼の方が階級が上になってしまった。
だがこうやって純粋な実力差……というか、格の差を見せつけられると、悔しいという気持ちすら湧いてはこない。
先を行かれたことへの悔しさよりも。
先に行ってくれて良かったという、安堵の方が強かった。
彼とアイビーのような存在が、早足で冒険者としての階段を駆け上ることは、冒険者ギルドという場所において、絶対に間違ったことではないのだから。
三人は周囲の冒険者を見渡す。
彼らが浮かべている表は様々だったが、それらは一つの単語で容易に表せることができた。
それは――恐怖。
たった一人の従魔師(テイマー)と、彼が使役するアイビーだけで、魔達を躙できてしまう。
その事実に、皆が怖気づいていた。
あの化けの攻撃の矛先が、次は自分に向けられるのでは無いかという予測に、恐れ、怯え、臆していた。
きっとエナ達も、以前一緒に任務をけていなければ、皆と同じような顔をしていたことだろう。
けれど彼たち『ラピスラズリ』は、彼らとは違う。
「……私たちがすべきことは、わかってるな?」
「うん、もちろん」
「どれだけ効果があるかはわからないけど、できるだけやってみよう」
三人は知っているのだ。
ブルーノが、ほんのし前まで火の熾し方も知らず、警戒の糸が切れて馬車の中で眠りこけてしまうような年であることを。
アイビーが従魔用の腕を自分で削っておしゃれをする、かわいらしい部分があることを。
そして彼は誰かに化けと言われると、本當に悲しそうな顔をすることも。
だから彼達は互いに頷き合って、別々の場所へと向かった。
もちろん、戦闘をするためではない。
だがそれもまた、ある種の戦いではある。
――強力な力を持つ魔と、それを使役する年が、いったいどのような存在なのか。
それを皆へ周知させるための戦いだ。
エンドルド辺境伯も、ギルドマスターのアンドレも、彼らにはひどく協力的だ。
自分達もその一助となって、アイビー達が恐れられないようにするために、何かができるはず。
(そうだな…………じゃあまずは、ブルーノがの子の目を見て話せないヘタレってことでも、教えてあげようかしら)
エナは「ちょっといい?」という、作戦中にあるまじき気安さで、同業者達へと話しかける――。
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