《【書籍化】絶滅したはずの希種エルフが奴隷として売られていたので、娘にすることにした。【コミカライズ】》第23話 リリィ曰く、「ひげのおっちゃん」
「エスメラルダ先生の印象は?」と訊かれれば、魔法學校の卒業生全員が「とにかくヤバい人」と答えるだろう。
魔法の実踐授業では教室を吹き飛ばし、実地演習では未許可での討伐がじられている魔を跡形も無く消し飛ばし、何よりここ30年見た目が変わっていないらしい。
こじんまりとした老婆ではあるのだが、どういう訳かその姿をずっとキープしている。確かに俺が卒業した時とリリィを連れて帰ってきた時で、外見が変わっているようには見えなかった。見た目はどう見ても人間のそれなのだが、もしかしてエルフだったりするのだろうか。エルフだとしても、30年全く見た目が変わらないという事はないはずだが。
そんな訳だから「知り合いの杖職人がいる」と言われても、どうしても構えてしまう。類は友を呼びがちだし、エスメラルダ先生から紹介されるような人と言う時點でまともとは思えない。クリスタル・ドラゴンの角を加工出來る技を持っている點もその予を加速させる。
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リリィにはこの世界の綺麗な所だけ見て生きてしい。當然俺は1人でその杖職人の所へ行こうと思っていたのだが────
「おるすばんやだ! りりーもおでかけいく!」
────両手を広げ玄関でとおせんぼうするリリィを説得する事が出來ず、俺は渋々リリィを連れて杖職人の元を訪れていた。杖職人の工房は帝都の外れと言ってもエスメラルダ先生の工房とはまた別方向にあり、帝都を周遊している魔法バスを利用してもそれなりに時間がかかった。
「本當にこんな所に工房があるのか…………?」
地図の辺りは、一言で言うと「廃墟の群れ」だった。半分崩れたような建がまばらに並んでいて、罅割れた道には瓦礫やら木材が散している。一瞬ゼニスに戻ってきたのかと錯覚するが、間違いなくここは帝都。まさか帝都にもこういう暗黒街(スラム)があるなんてな。
「ぱぱ…………りりーちょっとこわい…………」
「抱っこするか?」
「ん」
俺の服の裾を摑んで歩くリリィを抱っこする。流石に襲われる事はないだろうが、警戒はしておいた方が良いだろう。間違いなく帝都の中で一番治安が悪い地區だ。抱っこするとリリィはぎゅうっ…………と俺のにしがみついた。
「…………一応人は住んでるのか」
人の営みがあるようには見えないが、ちらほらと人が歩いている。著ている服は皆一様にボロボロで中には靴を履いていない者もいる。道理でバスが近くまで行かない訳だ。道も通れなければ、そもそもこんな所に用がある人間など皆無だろう。
ジロジロと向けられる周りからの視線を無視しつつ歩いていると、ついに地図の場所に辿り著いた。
「ここか…………」
その建は周囲の家だ(・)っ(・)た(・)も(・)の(・)よりもまだ辛うじて建の形を保っていた為、そこが目的地だと分かった。看板も無ければ呼び込みもいない。このオンボロ小屋が工房だと判斷するのは外見からでは不可能だろう。
「邪魔するぞ────」
そのまま取れてしまうんじゃないかと不安になりながらドアを開け、中にると、そこには見違えるような立派な工房が────という事も無く、テーブルとベッドがぽつんと置かれているだけの埃っぽい部屋があるだけだった。
…………何が工房だ。エスメラルダ先生、まさか冗談言った訳じゃないだろうな?
「────ぁんだァ…………?」
地の底からしわがれた聲が聞こえて來た。よく見れば、床に小汚い老人が転がっている。いかにも「酒で太りました」と言わんばかりの膨れた腹。ベッドがあるのにどうして床で寢ているのか。きっと酔ってそのまま寢てしまったんだろう。すぐ傍には空になった酒瓶が転がっていた。
「エスメラルダ先生の紹介で來たんだが。凄腕の杖職人というのはアンタの事か?」
老人はのっそりとを起こした。てっぺんほどまで禿げ上がった頭に、壁の隙間から差し込んだが反してる。
「エスメラルダだぁ…………? こりゃまた懐かしい名前だなァ。いかにも俺ァ帝都いちの杖職人だが…………ガキ連れたお坊ちゃんが一何の用だ?」
ぼさぼさの髪と髭に覆われた中から、鋭い目が俺を抜いた。決していい質の目ではないが、刃のように研ぎ澄まされている。ただの飲んだくれオヤジという訳ではなさそうだ。
「娘の為に杖を作ってしいんだ。クリスタル・ドラゴンの角を用意したんだが、扱える職人がいなくてな」
魔法鞄からちょっとした木材ほどの大きさの角を取り出して、老人に見せる。老人はさして興味もなさそうに薄くる角に視線をやった。
「…………確かにそれは並の職人にゃあ扱えねェな。あいつが俺を紹介するのも分かるってもんだ」
「なら────」
俺の言葉を、汚い聲が遮った。
「────斷る。こちとらもう職人は辭めたんだ。どうしても作ってしいンなら、とびきり味い酒でも持って來るんだな」
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