《【書籍化】絶滅したはずの希種エルフが奴隷として売られていたので、娘にすることにした。【コミカライズ】》第26話 ヴァイス、渉立
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「────これが、そ(・)う(・)な(・)の(・)か(・)?」
「そうだ。これが我がフロイド家伝の酒だ」
テーブルの上に置かれた明な瓶にはラベルが無かった。厳に言えばこれは商品ではない為、何かを表示する必要がないんだろう。パッと見では空き瓶に水でも溜めているようにしか見えないが、その正は帝都で最も飲むのが難しい幻の酒である。
「それにしても…………まさか塩で換できるとはな」
…………ゼニス名『ロレット塩』。
味には自信があったのだが、け取ってくれなければ意味がない。よくもまあ帝都を代表する名家の主が、得の知れない小瓶にった塩を舐めてみる気になったものだ。
「────そうだ。ヴァイス、あの塩は一何なんだ?」
ジークリンデは興した様子で口を開く。
「どうかしたのか?」
「どうもこうも…………父があの塩を一舐めした瞬間、取り憑かれたように酒を飲み始めたんだ。酒を飲んでは塩を舐め、また酒を飲んでは塩を舐め…………はっきり言って異様な景だった。父は結局酔い潰れるまで酒を手放さなかった」
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「…………ああ、そういう事か」
それはロレットの酒場じゃ別に珍しい景じゃない。あの塩を初めて舐めた奴は皆そういう反応をするんだ。細かく刻まれた薬草が酒の風味を綺麗に打ち消して、いくらでも飲めてしまうような気持ちになるんだよな。俺も目を覚ましたら酒場だった事がある。
「ジークリンデは舐めてみなかったのか?」
「気にはなったが…………あの父の様子を見ると何となく怖くてな」
「別に、ただ味いだけの塩だぞ? …………そういやお前って酒は飲めるのか?」
「嗜むくらいだ。仕事が忙しくてな、なかなか飲む時間がないのが正直なところだ」
「そうか。なら、今度暇な時うちで飲まないか? その時に塩も試してみようぜ」
譲って貰ったロレット塩はまだストックがある。ゼニスの話をジークリンデに聞かせてやることは出來ないが、第二の故郷に思いを馳せるくらいはしてもいい頃合いだろう。
「…………そうだな。お前がこの10年、どこで何をしていたのかも気になる。グラスをわすのも悪くない」
そう言うと、ジークリンデは立ち上がった。
「とりあえず、譲って貰ったのはその2本だけだ。またしければあの塩を持ってきてくれ。そのうち父の方から要求して來そうな気はするがな」
「分かった。簡単に手にるものじゃないんだが、また何とか手してみるさ。ありがとなジークリンデ」
それではな、と言い殘しジークリンデは玄関から出ていった。
…………そういえばあいつ、仕事が忙しいと言っていたけど。その割に頻繁にうちに遊びに來るんだよな。そんなにハイエルフの事が気になるんだろうか。
◆
「────ロメロ。おい、起きろ。幻の酒を持ってきた」
「…………ァ…………? 酒…………?」
「そうだ。これでリリィの杖を作ってもらうぞ」
ジークリンデから酒をけ取った俺は、早速杖職人ロメロの元に足を運んだ。
「この前のひげのおっちゃんの所に行く」と伝えたら、リリィは珍しくお留守番してると言うので、前回と違って今日はひとりだ。俺と一緒にいれば萬一の事もないとはいえ、この地域の治安の悪さを考えればその方がいいだろう。
ロメロは端々に埃が積もった汚いベッドからのっそりとを起こした。きっと掃除などしたことがないんだろう。掃除をした所で、家の壁のところどころに空いた隙間から砂やらゴミがってくるから意味がないと思っているのかも知れない。まあ実際意味はなさそうだ。
「…………おめェは…………ああ、この前の子供連れか。エスメラルダの知り合いとかいう」
「そうだ。紹介狀もある」
俺はエスメラルダ先生に書いてもらったメッセージカードをベッドの上にり落とした。ロメロの濁った鋭い目が『こいつの力になってやってくれ』という先生のメッセージの上で止まる。
「…………ふン、こんなもんはどうでもいいがな。幻の酒を持ってきたってのは本當か?」
「これだ」
俺は瓶をロメロの前に差し出した。
「これは帝都のとある金持ちが自分で楽しむ為だけに作らせているものでな。勿論市場には出回らないし、滅多な事では譲って貰えない。俺はちょっとしたツテで手にれる事が出來たんだ」
「ほう…………」
ロメロの視線が瓶に注がれている。メッセージカードに向けていた目とは大違いの、興味津々といった様子の瞳だ。
「もし俺の依頼をけてくれるのなら、この酒を譲ってやってもいい」
本當は頭を下げてでもけて貰わないといけないんだが…………渉は下手(したて)に出たら負けだ。相手がこちらの手札に興味を示している時は特に。弱みを相手に見せないことはゼニスでは基本中の基本だった。
「…………」
俺の言葉に、ロメロのがゴクリと鳴った。
「…………酒が先だ。中がただの水だって事も有り得る。味だって信用出來ねェ。飲んでみて味かった時だけおめェの依頼をけてやってもいい」
「それで構わないさ。グラスはあるのか?」
「んなもんある訳ねェだろ。酒は直飲みが基本だ」
「ちっ…………ける前に口をつけられても困るんだよ。手出せ、そこに注いでやる」
「わかった。それでいい」
文句のひとつも言われるかと思ったが、ロメロは素直に両手を重ねて差し出してきた。まだ飲んだことのない幻の酒を目の前にして俺の態度などどうでもいいんだろう。
俺は瓶を開封すると、ロメロの手にゆっくりと酒を注いだ。明なとともに、嗅いだ事のない獨特な匂いが部屋中に広がる。キツめの薬草のような、甘い果のような、不思議な匂いだった。
注ぎ終えると、ロメロは獲を前にした野生の魔のようなスピードで水面に顔をつけた。
「ずずズっ…………こ、こりゃア…………!」
一瞬で酒を飲み干したロメロは、顔を上げると走った目で俺を睨みつけた。
「何でもけてやるッだからさっさとその瓶を寄越しやがれ…………!」
「…………そんなに味いのか、この酒」
2本とも渉材料に使うつもりだったんだが…………こんな反応をされると俺も気になるな。何とかこの1本だけでけて貰って、殘りの1本はジークリンデとの飲みに取っておくことにしよう。
「ほれ、好きなだけ飲め。だがしっかりと働いて貰うぞ」
俺が酒を差し出すと、ロメロはひったくりのような力強さでそれを奪う。瓶に口をつけるや否や瓶のを天に掲げ、酒はみるみるにロメロの中に消えていった。
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