《【書籍化】宮廷魔導師、追放される ~無能だと追い出された最巧の魔導師は、部下を引き連れて冒険者クランを始めるようです~【コミカライズ】》謎の男
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【side ???】
私――王國第一騎士団序列第四位、サクラ・フォン・アルスノヴァ=シグナリエはリンブル王國において數ない『聖騎士』の名を冠することを許された人間だ。
優秀な者達がより抜かれて集められる王國第一騎士団の中で高い序列を保持することは並大抵のことではない。
ただ剣の腕が達者で、戦場で活躍できるというだけでは『聖騎士』にはなれない。
白兵戦だけではなく遠距離からの魔法や支援としての回復魔法や強化魔法なども使いこなし、部下の騎士団員をきちんと統制し、有事の際は統率してみせなければならないからだ。
『聖騎士』とは一定以上の魔法の練度を持つ、魔導騎士でもある。
魔法の修練に必要なは一に統、そして二に教育である。
各種魔法を使いこなせる私は、その名前からも察することができるように名家であるアルスノヴァ家の生まれであり、しっかりとした教育をけて育ってきた。
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いずれはアルスノヴァ家で代をこなし、領地の一つでももらいけようと思っている。
そんな風に順風満帆に生きていた私は今、かつてないほどの窮地に立たされていた。
デザントと條約の締結がり紛爭問題が解決した現狀、リンブルは小康狀態にある。
政には暗雲が立ちこめてはいるが、戦が始まるほどではない。
『聖騎士』である私の業務も減り、仕事容も國で起こる些細な問題の解決ばかり。
國からはこの機會にと休暇の許可が下り、半月ほどの短い期間ではあるが、生家であるアルスノヴァ家へと戻ることになった。
久方ぶりに慣れ親しんだ空気を楽みながら家に帰ると、現アルスノヴァ家當主である父から、領地の視察をする次期當主である妹のオウカへの隨行を命じられる。
特にやりたいこともなかったので、休みの期間中ならばと了承し、久方ぶりの姉妹団らんを楽しむこととなった。
そこまではよかったのだ。
だがそこで事件が起きた。
オウカが突然、失蹤してしまったのだ。
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彼は元から活発で、し目を離せばどこかへ行ってしまうようなお転婆娘だった。
そのため父から借りけた騎士団員を監視にり付けていたのに……彼はそれすらも抜けてどこかへ抜け出してしまった。
隠蔽の魔法でも使ったのかと思うほどの凄技だ。
誰かに拐されてしまったのかもしれない。
オウカが行方不明になったのは、私の監督不行き屆きである。
次期當主であり、正妻の娘であるオウカに萬が一のことがあれば、私は詰む。
第一騎士団で出世の道が絶たれるだけではない。
側室である母の家での立場もなくなり、領地から追放に処されるような可能さえあるだろう。
だがそんなことはどうでもいい……いや、どうでもよくはないが。
何より私が一番案じているのは、オウカのの安全だ。
々と面倒をかけさせられもするが、オウカは私のかわいいかわいい妹だ。
そのにもしものことがあればと思うと、震いせずにはいられなかった。
捜索隊を結し、必死になってその行方を追い続けているが……結果は芳しくない。
オウカの姿が忽然と消えたガードナーの街で、聞き込みを続けるも、手がかりは何一つ手にらなかった。
捜索は既に三日目に突しているが、狀況は変わっていない。
街の出りには目をらせてもらっているが、報は何一つってはこない。
やはりもう、ガードナーにはいないのだろうか。
(まずい、このままでは……)
頭の中によぎる暗い想像を振り払いながら聞き込みを続けていた時のことだった。
「何かお探しですか? 微力ながら力を貸しますよ」
「――実は尋ね人が居るのだ」
私は聲を上げそうになるのを必死で抑えながら、ゆっくりと後ろを振り返る。
自分に言い聞かせなければ、聲もうわずってしまっていただろう。
(こいつはいったい、どこから現れたのだ!? これほどの距離に近付かれるまで、その存在に気付かないとは……)
自慢ではないが、私の知能力は高い。
お前の気力知は王國でも五指にはるだろうと、団長に太鼓判を押されたこともあるほどだ。
王國でも有數の力を持つ私の警戒を掻い潛り、後ろに立つ。
そんなことができる人間が、このガードナーにいるとは思っていなかった。
もし相手が敵対的な人間だったのなら、私は既に死んでいただろう。
「失禮しました、私はアルノード。現在は銀級の冒険者をやらせてもらっています」
「――サクラだ、見て分かる通り王國で騎士をしている。アルノードは冒険者だったのか。……いきなり背後に立つのはやめてほしい、心臓が飛び出るかと思ったぞ」
「それはすみません。自分の方も慣れない騎士様と話すので、しばかり気持ちが浮ついていたのやも」
アルノード……いや、まさかな。
彼が張しているようには見えなかったが、黙って首肯しておく。
これほどの男が私に話しかけてきたことには何かがあるかもしれないが、現狀では背に腹は代えられない狀況だ。
たとえ裏があるとしても、実力者の手はどんなものであっても借りたいのが正直なところである
銀級にもなれば、私が著けている鎧がマジックウェポンであることは察しがついているはず。
それだけのを持てる人間だとわかっても態度は何一つ変わらない……それだけの大ということか。
冒険者をやっているあたりは、訳ありなのだろうが。
「探しておられるのは、どのような方なのでしょう?」
「特徴はここに書いてある……消息不明の私の妹だ」
私の手に握られているのは、外見的な特徴の記されたペラ紙だ。
下の方には、絵師に頼んで描かせた似顔絵がある。
だが男――アルノードはそれをちらと一瞥しただけで読み込もうとはしなかった。
彼は指を立て、
「その人の魔力の殘滓……いえ、その人が使っていた品はありますか? 使い続けていればいるだけいいです」
「……使っていたか? 長年使い続けていたものとなると――し待っていてくれ」
一度宿泊している宿に戻り、言われた通りのがないかを探す。
オウカが道中使っていた、アンガータートルのべっ甲で作った櫛が目にる。
これは――今から五年ほど前に、私が彼へ誕生日プレゼントとしてあげただ。
どんどんと新しいを買い、お金を消費して経済を回すのも貴族の責務の一つだ。
だがオウカは私があげたこれだけは、長年手放さずにいたのだろう。
使い続けていたことを示すように、その櫛は買ったばかりの頃より沢を増しており、そして歯の部分がし削れていた。
――気付けば強く拳を握っていた。
歯を食いしばりながら、そっと櫛をハンカチに包み、ポケットの中へとれる。
「――とうとう私も、焼きが回ったのだろうか」
大通りへ戻る最中、自嘲の笑みがこぼれてくる。
何に使うかもわからないというのに、言われるがままにオウカのを漁るなどと。
名高きリンブルの『聖騎士』が、銀級冒険者の言うことを鵜呑みにするとは。
それだけ自分が追い込まれているということか。
藁にも縋るとは、正にこういうことを指すのかもしれない。
「オウカが使っていた櫛だ。數年間は使用していたはず」
「ありがとうございます」
去る前と同じ場所に立っていたアルノードへ櫛を手渡す。
何に使うのかを確かめるため、目を皿のようにしてその一挙手一投足を観察することにした。
アルノードの佇まいに、何一つおかしなところはない。
敵対的な態度を取られているわけではないし、むしろ彼は私に対し努めて友好的であろうとしている。
だが……全く、寸分も隙がない。
『聖騎士』として生きてきた私には、アルノードの所作は武人のそれだということがわかる。
銀級程度に後れを取るはずはない。
しかし、どうしてだろう。
彼と戦って勝つビジョンが、今の私には見えなかった。
アルノードはそっとハンカチをめくり、そして何やら小れのようなものを取り出した。
上に緑の袋があり、その下に紫の長い取っ手が付いている。
緑をした魔があんぐりと口を開けているようだった。
こんな奇っ怪な道は、見たことも聞いたこともない。
ひょっとして私は、謀られたのかもしれない。
「それはいったいなんなのだ?」
「とある魔の素材で作った魔道です、対象の魔力を知してその場所を割り出すために使います」
「居場所を……割り出すだと?」
魔法技による恩恵をける國家で、魔法に攜わる貴族として生きてきた私には、一通りの魔道の知識がある。
私自が這いずり回ってオウカを探していたことからもわかるだろうが、居なくなった人間を探し出せるような便利な魔道などこの私でも持っていない。
そんなものがあるのなら、父上に土下座してでも貸してもらっていただろう。
魔道は便利なものであっても、決してなんでもできる魔法の道ではない。
だというのにどうしてだろうか、私は目の前の男が噓をついているようには思えなかった。 もしそんなものを持っているのだとしたら、いったい彼は――。
「見つけました。南に百キロほど行った場所です。街はなかったはずなので……山賊の城か何かだと思うのですが」
「本當、なのだろうな」
「ええ、信じがたい気持ちはわかりますが……」
「――いや、信じよう。どのみち他に手がかりもないのだ、行くだけ行ってみようじゃないか」
折角垂れてきた一本の糸をみすみす逃すことはない。
私は自分の直に従い、彼を信じてみることにした。
この選択をしたことを神に謝するようになるのは……もうしだけ後になってからの話である。
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