《【書籍化・コミカライズ】さないといわれましても~元魔王の伯爵令嬢は生真面目軍人に餌付けをされて幸せになる》17 おいしいおさかなはほしてもおいしい
侯爵家のお庭は広くてお花もいっぱい々咲いています。向こうに見えるのは生垣迷路だって、昨日旦那様が言っていました。後で連れて行ってくれるそうです。今は侯爵家の私兵?の訓練に付き合っているはずです。旦那様お強いですからね。
そして私は侯爵夫人にお招きされてお茶會です。お招きされてのお茶會は初めてです。旦那様のお兄さまの奧様、……なんていうんでしょう。義姉でいいのでしょうか。お名前はまだ直接教えてもらってないのですが、ステラ様だそうです。昨日旦那様が教えてくれました。ステラ様も一緒に三人でお茶會です。
四阿(あずまや)にセットされた三段のアフタヌーンティースタンドには、小さなスコーンや小さなケーキやサンドイッチが賑やかにのっていて、それがなんと二つもあるのです。三人なのに!
三人で囲むテーブルにも小さなクッキーとかのお皿が三枚あります。ちょっとよくわかんないのも載ってます。
お屋敷でお茶するときはタバサがいいですよっていった分しかテーブルにはのりません。これ全部一種類ずつ食べてもいいのでしょうか。四阿の端のほうに控えているタバサを見ると、小さく橫に首を振ってました。駄目みたいです。なんてこと……ここから選ぶだなんて……。
Advertisement
「ノエル子爵家ではよくしていただけてる?タバサがとても有能なのは勿論知っているのだけど……所作もまあまあお綺麗だし大丈夫かしら?」
それぞれがお茶を一口飲んで、侯爵夫人が私に問いかけました。ステラ様も微笑んでいます。お上手な微笑みです。お二人ともタバサに習ったのでしょう。タバサはすごいですから。
本當は席に著く前にご挨拶するのだとも習ったのですけど、侯爵夫人はこの前の夜會の時と同じようにご挨拶の途中で「堅苦しいのはなしよ」とおっしゃったのです。これはお名前を呼んじゃいけないってことだと習いました。だから、多分侯爵夫人は私を名前で呼ばないのです。でも私を見てるので私にだと思います。
「タバサはとっても優しいです」
「……そう。そうね、今は子爵夫人ですけれど、あなたも伯爵令嬢だったわけですし、高位貴族の所作もなんとかについているようでよかったわ」
「はい」
侯爵夫人が何かびきってなった気がしますけど、私は自分のななめ前に今おかれたお皿に載ってるものに釘付けなのです。これなんでしょう。……枝?フォークが刺さるとは思えません。フォーク添えられてないですし。だけど一口にはちょっと長いです。
でもきっとこれ私のです。侯爵夫人とステラ様の前にはケーキがありますし、私の前にも同じケーキおかれましたけど、この枝のお皿があるのは私のところだけです。だからこれ私のです。
「さあ、召し上がって?子爵家の料理人は確かスイーツを得意とはしてなかったでしょう?あの子は甘いものはそれほど好みませんから――え」
パンみたいに手でちぎれなかったので、そのままくわえてみたらいです。これい。歯でもちぎれません。
侯爵夫人はちょっと固まってから小さく咳ばらいをされて、ステラ様は素早いきで扇をお顔の前に広げました。
あら?でもこれお魚の味がします。ぎゅってしたお魚でしょっぱい。ちぎれないので、端のほうをもったまま味わいました。これは癖になるお味ではないでしょうか。味しいです。お魚の味がぎゅってしてます。ぎゅっとしてるからきっといのでしょう。
タバサをちらりと見るとほんのしだけ眉間に皺がよってます。違う?ぎゅっとしてるからじゃない?
「……お口にあうかしら――そ、そう……まるで躊躇いがないのね」
ちぎれないのでお返事ができませんから頷きましたら、侯爵夫人も頷きました。味しいですこれ。
「ま、まあ、軍のお仕事の関係で結婚自は仕方がなかったのでしょうけど、今はロングハースト領も大変らしいでしょう。せめて、あなたが侯爵家の縁者として恥ずかしくないように私もお世話したいと思ってますのよ。あなたの姉のような振る舞いをされても困りますし」
あ、しらかくなってきたでしょうか。つまんでる指でちょっと引っ張りましたけど、やっぱりちぎれません。しょっぱさは薄れた代わりにお魚の味が濃くじられる気がしてきました。ずっと味しいです。これ。
「――っ母上」
あ、旦那様。何故だか旦那様が走ってきました。さすが足もお速い。訓練の時間はもう終わったのでしょうか。あれ、でもそんな時間でもないような?隣に立つ旦那様はちょっと息が切れてます。
「……っ、勝手に連れ出されては困ります」
「あら、どうして?だけの茶會ですよ。夫が口だすことではないでしょう。ずいぶん無粋だこと。呼ばれもしていないのにそんな慌ててくるなんて」
「サーモン・ジャーキー(こんなもの)まで出す茶會の意味を俺が知らないとでも?――アビゲイル、部屋に戻……味いか?」
サーモン・ジャーキーっていうんですか。これ。味しいですから頷きました。
「お、おう、噛み切れないのか……寄こしなさい」
旦那様は私の手からジャーキーをとって、二口で食べてしまいました。まだいとこも一口で!
侯爵夫人は、ぎっと睨んだ旦那様をやっぱり面白そうに?興味深そうに?見ています。すごいですよね。
「――旦那様さすが歯までお強い」
「……茶會でこれを出す意味は、『余計なことをしゃべらずに黙って聞け』だ。母上、これはドリューウェットだけで通じる嫌がらせですよ。ずいぶんと下世話な真似をされる」
「いやだわ。穿ちすぎよ。他領からいらしたのだから、この地を學んでもらわなくてはね」
「俺はとっくに獨立した他家の者です。必要ない――行くぞ。アビゲイル」
旦那様に手をひかれて四阿から出ました。タバサもついてきてくれてます。
ジャーキー味しいけど口の中がぱさぱさになったので、お部屋でお水をもらえたらうれしいです。
明日の朝はちょっと更新むりなのかもしれません。夜になるかも…いや明後日かも…。
【書籍化決定】拾ったギャルをお世話したら、〇フレになったんだが。
ある日、吉永海斗(よしながかいと)はバイトを終えて家に帰ると。 一人暮らしをしているアパートに、ずぶ濡れのギャルがうずくまっていた。 なんとその子は、同じ高校に通っている1年生にして、トップカーストの中でも上位の超勝ち組。 清坂純夏(きよさかすみか)だった。 見るに見兼ねた海斗は、純夏を家に上げて獻身的に面倒を見る。 一人暮らしかつ優しい海斗に、純夏はとんでもない関係を持ち掛けた──。
8 139血染めの館
私たちの通う學校の裏の館では昔、殺人事件があったそう。館の中は血だらけだったけど、遺體はいまだに見つかっていない。その館は「血染めの館」と呼ばれ、人々に恐れられていた。 ある年の夏、私たちの學校の生徒が次々に消える失蹤事件が起きた。と同時に、奇妙な噂が流れ始めた。 「血染めの館で殺された館の主人の霊が現れる」と。 そんなわけないじゃいかと、私たちオカルト研究部が調査に入った。まだそこでなにが起こるかも知らずに…
8 109引きこもりLv.999の國づくり! ―最強ステータスで世界統一します―
毎日引きこもっていただけでLv.999になっていた―― ちょっと前まで引きこもりだったのに、王女様やら幼女やらが近寄ってきてハーレムも起きてしまう。 成り行きで勇者をぶっ飛ばし、代わりに魔王の娘、ロニンを助けることになった主人公・シュン。 みなが驚く。 引きこもっていたくせにこんなに強いなんてありえないと―― 魔王の娘と関わっていくうち、シュンはすこしずつ変わっていく。 ――平和な國を作るとか、そんなめんどくせえことやりたくねえ。 ――でも誰かがやらないと、またロニンが不幸な目に遭う。だったら、俺が…… いつまでも自分の世界にこもっていられない。 引きこもりによる國づくりである。 皇女セレスティアとの爭い、國王エルノスとの政治的駆け引きなど、さまざまな試練を乗り越えながら、シュンは自分の國を育てていく―― 全力で書いております。 読んで後悔はさせません。 ぜひお立ち寄りくださいませ。 *キャラクター人気投票を実施しております。よりよい作品にするため、ぜひご協力をお願い致します。リンクは目次と各話の一番下にございます。 *アルファポリスにも掲載しております。
8 1222度目の転移はクラスみんなで(凍結中)
主人公、黒崎仁は元勇者だった しかし今はいじめられっ子 そんなある日突然、教室に魔法陣が現れた そして黒崎仁はまたもや勇者になって世界を救うことになってしまった やっと移動してきました!
8 56魅力1000萬で萬能師な俺の異世界街巡り〜
毎日毎日朝起きて學校に行って授業を受けて、家に帰って寢るという、退屈な學校生活を送っていた黒鐘翼。 何か面白いことでもないかと思っていると、突然教室の中心が光り出し異世界転移をされてしまった。 魔法の適性を見てみると、全ての魔法の適性があり、 中でも、回復魔法の適性が測定不能なほど高く、魅力が1000萬だった。さらに職業が萬能師という伝説の職業で、これはまずいと隠蔽スキルで隠そうとするも王女にバレてしまい、ぜひ邪神を倒して欲しいと頼まれてしまった。が、それを斷り、俺は自由に生きるといって個別で邪神を倒すことにした黒鐘翼。 さて、彼はこの世界でこれからどうやって生きていくのでしょうか。 これは、そんな彼の旅路を綴った物語である。 駄文クソ設定矛盾等ございましたら、教えていただけると幸いです。 こんなクソ小説見てやるよという方も、見たくもないと思っている方もいいねとフォローお願いします。
8 145拝啓、世界の神々。俺達は変わらず異世界で最強無敵に暮らしてます。
幼い頃、生死の境をさまよった主人公、秤彼方は大切な人が遺した力を神々から受け取った。 異世界転移に巻き込まれる前にチート能力を授かった主人公。彼は異世界をどう歩んでいくのか……。 「拝啓、神々。なんで俺が異世界の危機を救わなければならない?まあ、退屈しのぎになるから良いか!」 少年は神より譲り受けた銀に輝く雙剣と能力とで異世界を崩壊へ導く邪悪を絶ち切っていく! 少年が異世界を奔走し、駆け抜け 退屈を覆してゆく冒険譚、ここに開幕! 小説家になろうでも投稿してます! イラストはリア友に描いてもらった雙子の妹、ルナです!
8 128