《【書籍化・コミカライズ】さないといわれましても~元魔王の伯爵令嬢は生真面目軍人に餌付けをされて幸せになる》26 まほうじゃないのにまほうみたいで
エッグベネディクトは知ってます。お屋敷でも食べました。
カリカリのベーコンとポーチドエッグ、薄く切ったトーストにオランデーズソース。
とっても味しいのです。全部どーんって順番に重なってるのもすばらしいです。
「旦那様」
「うん」
「これはお屋敷のエッグベネディクトと違います。これもエッグベネディクトですか」
お城にきてから朝ごはんはお部屋で旦那様といただいていました。今日は侯爵夫妻もスチュアート様とステラ様も食堂で一緒にいただくことになったのです。
「ああ、うちのとはし違うけどエッグベネディクトだぞ。俺もこっちにいるときはずっとこれだった。懐かしいな。ここの料理は見栄えもいいし君も」
「玉子(エッグ)はわかります。ベネディクトはどれでしたか……」
「べねでぃくとかー……どれかな……」
ぷるるんってしてるポーチドエッグは同じ。たっぷりとろりかかってるオランデーズソースも同じ。
でもその下にあるのはベーコンじゃなくって、オレンジ?赤?その中間くらいののおですかお魚ですか。さらにその下にある、え、これどのくらいありますか、お屋敷で使ってる私のスープマグくらいの高さがあるんじゃないでしょうか。パンケーキ?パンケーキですかこれ!すごい!
瑞々しい葉っぱも添えられてます。ちょっとだけ橫にずらそうとしたら壁際にいるタバサの片眉がきました。違います。ご立派に積んであるパンケーキを橫から全部見たかっただけです。
「……すごいです旦那様こんなに大きくてごり「大丈夫だアビゲイル。高さがあるからたくさんに見えるが、ちゃんと君が食べられる量をタバサが伝えてくれてるから」はい!」
カチャってどこかから食が跳ねる音がしました。みなさんお行儀よいですのにって思って顔をあげてみましたが、全員おすまししてます。お上手です。タバサから習ったのでしょう。
「……アビゲイル、もう調は大丈夫なのかね」
「はい!元気です!」
侯爵様にきかれましたので答えましたが、なんできかれたのかはちょっとわかりません。まだごはん食べてないのに。でも旦那様が大丈夫だとおっしゃったので、これ全部食べてもきっと大丈夫です。
オランデーズソースのかかっているてっぺんから、メイプルシロップをたっぷりかけてナイフをいれるとするするはいっていきました。手ごたえがない!するってはいった!オレンジのおのとこもパンケーキのとこも!――味しい!
わぁ、パンケーキふわふわです。お屋敷のはトーストなのでしっかりしてるのです。それもとっても味しいのだけど、これも味しい!パンケーキもお屋敷で食べましたけど、それともちょっと違います。どっちも味しい。やっぱりお城の人だから……っ。
ふわふわでとろとろで甘いのとしょっぱいのと……あら?オレンジのおはおじゃないです。これ多分お魚です。匂いも知ってます。
「……サーモン・ジャーキーと同じ匂いします!このオレンジのはサーモン・ジャーキーのやわらかいのですか」
「……っ……失禮」
ステラ様がちょっとぐらっと揺れて、またおすましに戻りました。
「スモークサーモンですよ。使ってる魚は同じサーモンね」
侯爵夫人がこほんと小さく咳払いして教えてくださいました。同じ……同じお魚のサーモン……。すごいおさかなです……。
「ジェラルド、あなたたち明日には王都へ帰ると聞いていたけれど、もうしこちらにいるのでしょう?」
「そうですね。數日のばします。あ(・)れ(・)のことがありますから」
「まあ、そのことは食事の後にしよう。アビゲイル、魚が気にったのなら市場を見に行くのはどうだ?まだ行っていないだろう」
「市場にはお魚いっぱいいますか」
「海の魚が々いるぞ。私が案「俺が連れて行きますので、父上はあ(・)れ(・)のほうをお願いします」……おまえ……」
海のお魚。川のお魚とは違うって習いました。海も見たことないですけど、とても大きいらしいです。ということはお魚も大きいのではないかと思います。このオレンジのがいっぱい。今度はオレンジのおだけ一切れ食べたらやっぱり味しかったです。樹の匂いがうっすらするのです。
夜會の時に食べたお花のおは豚だったそうです。豚は森の近くにもいましたからわかりますが、海には樹はないって聞いたのに。
添えてある葉っぱも食べたらしゃきっとした歯ごたえで、口の中がすっきりです。タバサを見たら頷いてくれました。大丈夫です。葉っぱも好きです。おのほうが味しいですけど、葉っぱも味しいです。あ、トマトも味しい。
「ねえ、アビゲイル様。今日は仕立て屋を呼んでいるのよ。ご一緒しない?」
ステラ様がにっこりしてくださいました。あれ。ステラ様のエッグベネディクト、減ってない。味しいのに。私はもう半分も食べました。まだ食べられます。
「今日は廚房を見に行くのです」
侯爵夫人が見に行ってもいいですよって言ってくれたのです。私が廚房に行くの好きなことをご存知なようでした。廚房?とステラ様が首をかしげます。
「……主人として屋敷の差配のうちですから。ステラもよく私についてきてましたでしょう」
「ええ、それはもちろん。そうですわね。規模も大きくて勉強になりますわ」
「廚房は毎日いきます。王都の屋敷では私の椅子も用意してくれてたのです」
「――椅子?」
「はい!廚房のはしっこに用意してくれました。料理人たちはすごいのです!魔法も使わないのに火を大きくしたり小さくしたり、おだって真っ黒こげにならないし、たまねぎだってあっという間にたくさん切っちゃうのです」
「……っ、そうね、すごいわ、よね」
魔法じゃないのに魔法みたいですからずっと見てられるのです。すごい。
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