《【書籍化・コミカライズ】さないといわれましても~元魔王の伯爵令嬢は生真面目軍人に餌付けをされて幸せになる》43 またおおきくなりましたし、まだまだおおきくなるのです
馬車から降りると、冷たい風で鼻の奧がつんとしました。
結婚式が來月にあるので、侯爵夫人(カトリーナ様)――義母上(ははうえ)が義父上(ちちうえ)と一緒に王都へいらしてるのです。侍がいっぱいいるのでお支度もちゃんとできるから、お式と披宴のドレスはドリューウェットの王都邸(タウンハウス)に屆けられることになりました。今日は試著をします。
「義母上(ははうえ)!おはようございます!今日はお招きありがとうございます!」
「おはよう。よくきました。調は――今日も元気でいいわね」
「はい!」
馬車回しまでお出迎えしてくださった義母上は、禮をとった私に頷いてご挨拶をしてくれます。
「あなた寒くはないの」
「大丈夫です!タバサがあたたかい下著を何枚も「めくらない」はい!」
「――これからもっと寒くなりますからね。タバサのいうことをちゃんと聞いて冷やさないようになさい」
部屋は暖めてありますから早く行きますよと、すすすすすっと先導してくださいます。タバサの教えてくれたドレスでの早歩きです。私も上手ですけど、義母上もお速い。
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「――アビゲイル」
「はい!」
「競わなくていいのよ」
「はい!」
義父上(ちちうえ)が前に王都にいらしたときは數日で領にお帰りになりました。元々社のシーズンでもあまり王都に長く滯在することはなかったそうですが、前回はロングハーストのことがあったので特別だったそうです。そして今回も旦那様と私の結婚式があるので特別です。結婚式まで王都にいて、式や披宴にお呼びする方たちと社とか々してくださるって言ってました。
お二人が王都に到著した日、私は義母上(ははうえ)に聞いたのです。
「カトリーナ様はやきもちしましたか」
「――何の話の続きですか」
「私が義父上(ちちうえ)って呼んだら、カトリーナ様が義父上に怒って喧嘩になったって聞きました!」
義父上が領地に戻った後、旦那様にお手紙が屆きました。アビゲイルは本當に義父上(ちちうえ)と喜んで呼んでいるのか、無理やり言わせられたのではないかって、それでカトリーナ様と義父上が喧嘩になったって。
私も読んだのですけど、ちょっとよくわかりませんでした。字も文章も私はちゃんと読めます。でも読んでも何故それで喧嘩になるのかがわからなかったのです。旦那様も「何をしてるんだあの二人は」って言ってたから、わからなかったんだと思います。
一応タバサとイーサンの言う通りに、嫌でも無理やりでもないってお手紙は出しておきました。
でも私は考えたのです。
サミュエル様が旦那様に抱っこされたとき、私はやきもちしたらしいです。後から教えてもらいました。私と旦那様は喧嘩しませんでしたけど。
「――カトリーナ様は義父上(ちちうえ)の妻です。なので、私と同じかと思ったのです」
「あなたそれ、あれからずっと考えてたの」
「ときどきです!」
義母上は、真っ赤になったお顔を扇にくっつけてしばらくの間笑ってました。
それから、ふぅって息を吐いて、あなたは義母というものに嫌な思いしかしていないからと思ったのだけどって、ちょっとまたよくわからないことを呟きました。
義母ってロングハーストの義母でしょうか。義母上はサーモン・ジャーキーくれるし全然違います。
「そうね、ええ、やきもちだったかもしれないわね。あなたが嫌でなければ……ああ、いいえ、アビゲイル、私も母と呼んでくれたらうれしいわ」
こうしてカトリーナ様を義母上《ははうえ》と呼んでいいことになったのです。旦那様と同じが増えました。
「……ねえ、サイズ測ったのいつだったかしら」
「ドリューウェットから帰ってきてすぐです!」
四著目のドレスを試著しています。これは両肩が全部出ています。プリンセスラインてデザイナーさんは言ってました。おから裾まで空がどんどん濃くなって夜空になります。それに金の刺繍がはいったレースがかぶさってるのです。肩が寒いからってふわふわのショールをかけるから、両手をぴって橫にばしました。
「ジャストサイズね……ねえ、あなた本當にきちんとタバサの言う通りにちゃんと食べてるんでしょうね」
「いつも全部きれいに食べられます」
本當はときどきもうちょっと食べられるんじゃないかと思うのですが、タバサのいうこと聞かないとおなかいたくなりますので。
デザイナーさんとお針子さんが、タバサが指示したとおりに大きめにつくったって義母上に教えたら、さすがねって頷かれてました。
「――あらあらあらまあ、それでもちょっとおがきつくおなりですね。大丈夫ですよ。合わせられる程度ですから」
「そう、よかったわ」
義母上はもう一度満足げに頷きます。そしておつきの侍に目配せをすると、さっと丸っこい陶が差し出されました。すごい。どこからだしてきましたか。まるでうちの家令のイーサンみたいです。
「もうしがんばりなさい――はい」
陶から真っ赤で丸いお菓子をひとつつまんで、口にれてくれました。あ!不思議なかんじ!さくっとでもなくてしっとりしてるけど、歯にくっつくようなくっつかないようなじです。中に甘酸っぱい――。
「苺!苺の味します!赤いですし!」
「マカロンですって。最近流行ってるそうよ。昨日出席したお茶會で教わってね」
「味しいです!」
「ほら、もうちょっとだけ首まっすぐ!」
「はい!」
お茶會では々な新しいお菓子とか教えてもらえるそうです。お茶會すごい。
いよいよギブです!明日は更新おやすみしますよ!多分明後日は更新できるはず多分!
無理だったらしあさって!
【書籍化】隻眼・隻腕・隻腳の魔術師~森の小屋に籠っていたら早2000年。気づけば魔神と呼ばれていた。僕はただ魔術の探求をしたいだけなのに~
---------- 書籍化決定!第1巻【10月8日(土)】発売! TOブックス公式HP他にて予約受付中です。 詳しくは作者マイページから『活動報告』をご確認下さい。 ---------- 【あらすじ】 剣術や弓術が重要視されるシルベ村に住む主人公エインズは、ただ一人魔法の可能性に心を惹かれていた。しかしシルベ村には魔法に関する豊富な知識や文化がなく、「こんな魔法があったらいいのに」と想像する毎日だった。 そんな中、シルベ村を襲撃される。その時に初めて見た敵の『魔法』は、自らの上に崩れ落ちる瓦礫の中でエインズを魅了し、心を奪った。焼野原にされたシルベ村から、隣のタス村の住民にただ一人の生き殘りとして救い出された。瓦礫から引き上げられたエインズは右腕に左腳を失い、加えて右目も失明してしまっていた。しかし身體欠陥を持ったエインズの興味関心は魔法だけだった。 タス村で2年過ごした時、村である事件が起き魔獣が跋扈する森に入ることとなった。そんな森の中でエインズの知らない魔術的要素を多く含んだ小屋を見つける。事件を無事解決し、小屋で魔術の探求を初めて2000年。魔術の探求に行き詰まり、外の世界に觸れるため森を出ると、魔神として崇められる存在になっていた。そんなことに気づかずエインズは自分の好きなままに外の世界で魔術の探求に勤しむのであった。 2021.12.22現在 月間総合ランキング2位 2021.12.24現在 月間総合ランキング1位
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