《【書籍化・コミカライズ】さないといわれましても~元魔王の伯爵令嬢は生真面目軍人に餌付けをされて幸せになる》6 にんげんにはつじょうきはないしぶんれつもしないそうです
ステラ様のおなかに子がいたということは、発期があったはずです。
あのおなかの中の魔力の塊の大きさからいって、多分半月前とかそのくらい?そうなると私や旦那様にも、そのころに発期あってもおかしくないのではないでしょうか。でも心當たりがありません。
魔王の時には、番(つが)うものもいませんでしたし、そういうのはなかったので、気にしたことはありませんでした。だから私にはわからなかったのかもしれません。でも旦那様はわかってもいい気がします。
「人間の発期っていつですか」
「んんんっ?」
旦那様は固まった後に、視線をあちこちに彷徨わせました。なんだかとても言いにくそうです。というか考え込んでしまいました。
ステラ様からいただいたマシュマロバーを齧って待ちます。もにゅっとしてカリコリもして甘くて味しい。
……よく考えたら私が産まれたのはこの時期です。誕生の祝いを旅行先の港町でするって旦那様が言ってました。去年はまだ結婚したばかりの頃で私のは元気じゃないからって、お祝いのご馳走は控えめだった。いえ、私にとっては初めて見るご馳走がいっぱいの豪華さでびっくりしたんですけど。
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誕生日はお祝いをするのだとその時初めて知りました。私は産まれたときから記憶があるので知ってますが、お母様は産まれたばかりの私を見て悲鳴とともに気絶したし、伯爵や他の人たちもとても嫌そうだったので、お祝いをするようなことだと思ってなかったのです。今度のお誕生祝いはどんなご馳走でしょうか。港町ですからお魚のケーキとかかもしれません。
まだ見ぬご馳走にちょっとうっとりしましたけど、そうではありませんでした。発期です。人間が籠っている期間は十か月ほどだと習いました。長い。私が産まれた日とか、旦那様の誕生日とかを考えると、人間の発期は個人差がとてもあるのだと思われます。多くの魔は秋が繁期ですけれど、そうではない種族もいます。強いのは數十年に一度だったりしますし、弱いのは年に何回もあったりします。人間はどうでしょうか。閨について教えてくれた家庭教師も発期のことは言ってませんでした。
「あー、アビゲイル」
「はい!」
旦那様がきました。
私は旦那様の膝の間に座ってたのですけど、抱えなおされて橫抱きになります。
ちょっとお耳の先が赤いです。摑んでみたらそっとその手を降ろされました。
右手で腰を支えられて、降ろされた手は左手で包まれて、向かい合った旦那様は真剣なお顔です。
「人間に発期はない」
「ない!?」
「いやっ、ないというかあるというかだな。あー、うん、発期と決まってはいなくて、いつもというか」
「いつでも発期!?」
「間違ってないなー。間違ってないけどだな……」
子を産むのも妻のお仕事なはずです。いつでも発期ということはそれはつまり――なんてこと!
「旦那様!なんで私繁してませんか!」
「いや待ってくれ!ちょっと待ってくれ頼むから!順番!順番にな!?」
旦那様は私をぎゅっと抱きしめて、つむじの上で唸ります。順番とは。
「閨教育はけたって言ってたよな。で、俺達は習ったことと同じことをまだしてないだろう?」
「誤差だと」
「ぶふぉっ――い、いや誤差とかはない。習ったとおりにしないと子はできない。というか、また大雑把にくくってたか……」
「合しなくても一匹で二匹に増えたりする魔もいるので」
「お、おう。合な、合か。そこはちゃんと習ってたか。うん。人間にそんな能力はない」
「そうでしたか……」
人間の繁にも々あるのだろうと思ってましたが、々なかったようです。それなら何故旦那様は合しなかったのでしょう。私は妻ですのに。そう聞こうとしたら、またぎゅうっとされて顔が旦那様のに埋もれました。
「人間というものは、繁のためだけに合するわけじゃない」
腕が緩んだので旦那様を見上げると、ちゅっとに口づけされました。
「したいしされたいと言ったのは覚えているか?」
「はい!」
「人間すべてがそうではないが、人間はを……あー、いやそうじゃないな」
おでことおでこをくっつけて旦那様はまた考え込みました。
それから、うん、と頷いて私の目を覗き込みます。
「ほかの人間がどうであっても関係ない。アビー、俺は別に子を持っても持たなくてもいい。君をしてるから、合したいと思う」
「はい!」
「う、うん。それでな、君はまだちょっとが弱い」
「もう元気です」
「あー、それでもだな、こういう旅行中とかでは君のに負擔がかかりすぎる」
「からだにふたん」
「お、おう。まあ、そういうものだと思っておいてくれ。俺は君のが大切なので無理をさせたくない。だからその――ぐっ!?」
がたんと馬車が大きく跳ねました。
私も結構浮いて、でも旦那様がぐっと引っ張って抱き戻してくれたのですが、なんかおの下がごりってした気がします。変です。ここ、いつもとちょっと違う場所です。
「ちょっ、待て、くな」
旦那様は、しばらくぎゅっとしてから場所を調整してくれました。あ、ここです。いつもの場所。
「うん……港町についてからにしよう」
「はい!」
旦那様はそれからしばらく「なんか違わないか……」って呟いていましたけど、どうしましたかと聞いても、いやいいんだっていうのでいいんだと思います。
港町についたらちゃんと習ったとおりの閨をするのです!
高校生男子による怪異探訪
學校內でも生粋のモテ男である三人と行動を共にする『俺』。接點など同じクラスに所屬しているくらいしかない四人が連む訳は、地元に流れる不可思議な『噂』、その共同探訪であった--。 微ホラーです。ホラーを目指しましたがあんまり怖くないです。戀愛要素の方が強いかもしれません。章毎に獨立した形式で話を投稿していこうと思っていますので、どうかよろしくお願いします。 〇各章のざっとしたあらすじ 《序章.桜》高校生四人組は咲かない桜の噂を耳にしてその検証に乗り出した 《一章.縁切り》美少女から告白を受けた主人公。そんな彼に剃刀レターが屆く 《二章.凍雨》過去話。異常に長い雨が街に降り続く 《三章.河童》美樹本からの頼みで彼の手伝いをすることに。市內で目撃された河童の調査を行う 《四章.七不思議》オカ研からの要請により自校の七不思議を調査することになる。大所帯で夜の校舎を彷徨く 《五章.夏祭り》夏休みの合間の登校日。久しぶりにクラスメートとも顔を合わせる中、檜山がどうにも元気がない。折しも、地元では毎年恒例の夏祭りが開催されようとしていた 《六章.鬼》長い夏休みも終わり新學期が始まった。殘暑も厳しい最中にまた不可思議な噂が流れる 《七章.黃昏時》季節も秋を迎え、月末には文化祭が開催される。例年にない活気に満ちる文化祭で主人公も忙しくクラスの出し物を手伝うが…… 《八章.コックリさん》怒濤の忙しさに見舞われた文化祭も無事に終わりを迎えた。校內には祭りの終わりの寂しさを紛らわせるように新たな流れが生まれていた 《九章.流言飛語》気まずさを抱えながらも楽しく終わった修學旅行。數日振りに戻ってきた校內ではまた新たな騒ぎが起きており、永野は自分の意思に関係なくその騒動に巻き込まれていく 《最終章.古戸萩》校內を席巻した騒動も鎮まり、またいつものような平和な日常が帰ってきたのだと思われたが……。一人沈黙を貫く友人のために奔走する ※一話4000~6000字くらいで投稿していますが、話を切りよくさせたいので短かったり長かったりすることがあります。 ※章の進みによりキーワードが追加されることがあります。R15と殘酷な描寫は保険で入れています。
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