《【書籍化進行中】斷罪された悪役令嬢は、元兇の二人の娘として生まれ変わったので、両親の罪を暴く》08.またも婚約破棄か
それから一週間ほど、穏やかに時間が流れた。
ヘレナの不興を買った侍がどうなったのかは知らないが、処刑されたという噂は聞こえてこないので、おそらく命は助かったのだろう。
その件があってから、これまでセシリアを軽んじていた侍たちの態度が、し変わってきたようだ。
ずっとおどおどとして言いなりになっていたセシリアが、毅然と斷るようになったことが衝撃だったらしい。
侍たちが以前より真面目に働くようになってきたのは、良いことだ。
「ごきげんよう、セシリアさま」
「ごきげんよう、モニカさま」
學園でも、しずつ同級生たちとは仲良くなってきた。
登校したセシリアは相手の名を呼びながら、にこやかに挨拶を返す。
まだ同級生たちからの態度に壁はあるようだが、それはアデラインのときもあったものだ。ある程度は仕方がないのかもしれない。
「ごきげんよう、セシリアさま。昨日行われた歴史の小テスト、いかがでしたかしら?」
Advertisement
「私、歴史には自信がありますのよ。よろしければ、教えて差し上げましてよ」
ある意味、壁がないのが自稱友達のシンシアとイザベラだ。
親切そうに話しかけてきながら、聲には優越が滲んでいる。
まだ結果が出る前から、セシリアはろくな績ではないと決めつけているようだ。
「それなりには解けたと思いますわ。お気持ちだけいただいておきますわね」
セシリアは二人を笑顔であしらっておく。
歴史は前世の學園で學んだものと、さほど変わりがなかった。さらに、王家に嫁ぐ予定だったアデラインは、もっと深いところまで學んでいる。
「まあ……強がりをおっしゃって……」
二人は嘲笑うように小聲で呟くと、優越を浮かべたまま、去っていく。
それから授業が始まり、昨日行われた小テストの結果が発表されることとなった。
「満點が一名、セシリア・オルティス。まだ授業では行われていない範囲も含まれていたが、よく予習している。皆も見習うように」
教師がそう言うと、教室に控えめな歓聲が上がる。
多くは好意的なものだったが、セシリアがそっと様子をうかがうと、シンシアとイザベラは愕然とした顔で何かをいていた。
どれだけセシリアのことを見くびっているのだろうと、々頭が痛い。
その日の授業が終わった後も、シンシアとイザベラは気まずそうに、セシリアから逃げるように教室から立ち去っていった。
「セシリアさま、満點なんて素晴らしいですわね。私は予習をおろそかにしてしまって、解けなかった問題がいくつかありましたの。セシリアさまを見習いますわ」
同級生のモニカがにこやかにセシリアに近づいてくる。
彼は、セシリアが早朝にエルヴィスと會った日、最初に聲をかけてきた子生徒だった。
あまりおじしない格らしく、その後もよく話しかけてくるのだ。
それをきっかけに、他の同級生たちと話すこともできている。
「たまたま知っていたところが問題として出ただけで、運が良かったのですわ」
微笑みながらセシリアも答え、そのまま授業容についてや世間話など、穏やかに會話をわす。
こうした同級生との會話で、噂話程度ではあるが、貴族間の関係やちょっとした事件の話を聞くことができていた。
貴族間の力関係は、大局で見れば前世とがらりと変わるほどではなかったが、細かい変化はいくつもあるようだ。
ローズブレイド公爵家も先日聞いたとおり、一時期は落ち目だったようだが、今は盛り返しているという。
しかし、悪役扱いされているアデラインが噂と違う人だったという話については、発言した同級生に詳しく尋ねようとしても、言葉を濁されてしまった。
「……セシリアさまのお耳にれるような話ではありませんわ。余計なことを申してしまい、失禮いたしました」
同級生は恐して口をつぐんでしまい、それ以上を聞き出すことはできなかった。
アデラインが悪役になっているのは王太子夫妻のためなので、それを覆すような話は、王太子夫妻の娘であるセシリアの機嫌を損ねると思ったのかもしれない。
実際は機嫌を損ねるどころか、嬉しくなるのだが、ままならないものだ。
だが、アデラインが実は言われているような悪ではないという話が存在することは、わずかながらも救いである。
「王太子ご夫妻といえば、真実のを貫いた熱の方々として有名ですわよね。憧れてしまいますわ」
ただ、うっとりとこのようなことを呟く子生徒には、セシリアは苦笑するしかなかった。
彼はずっと地方の領地で暮らしていて、學園學のために初めて王都にやってきたという。
王太子夫妻の話は談として、國の隅々まで伝わっているようだ。
しかしながら、それを聞いた他の子生徒たちの中には乾いた笑みを浮かべる者もいた。ざっと見回せば、元から王都に住んでいる者たちだ。
ということは、王都では真実のとやらの実態がどうであるか、知られているのかもしれない。
この日も放課後に同級生たちとのおしゃべりをし楽しんだ後、セシリアは帰路に就いた。
まだ始まったばかりではあるが、學園生活は順調といえるだろう。
突っかかってくる同級生はいるものの、問題となるほどではない。
「セシリアさま! どうかお助けください!」
ところが、帰ってきた途端に侍が駆け込んできた。
以前にも似たようなことがあったと、ややうんざりしながらセシリアは足を止める。
またヘレナが騒いでいるのだろうかと、ため息がまでせり上がってきた。
「ギルバート殿下の婚約者が決まったということで、王太子殿下がジェームズ殿下のところに乗り込んでいったのです! セシリアさまとの婚約を破棄するつもりか、と……!」
しかし、侍の発した言葉は予想外のものだった。
ギルバートとは、第二王子ジェームズの息子だ。王太子ローガンは次期國王だが、その次の王といわれているのが、ギルバートとなる。
そして、ローガンからは常々、セシリアの夫となるのがギルバートなのだと聞かされていた。
まさか、またも婚約破棄なのかと、セシリアは気が遠くなっていくようだった。
俺+UFO=崩壊世界
木津 沿矢と言う少年は過去、UFOに攫われた事がある。とは言え彼は別段その事を特に気にしてはおらず、のほほんと暮らしていた。しかし、そんな沿矢を嘲笑うかの様に再び彼等は沿矢に魔の手を伸ばす!! そして、次に彼が目覚めた場所は地平線を埋め盡くす程に広大な荒野のど真ん中であった。そこで彼は崩壊した世界を逞しく生き抜く人達と出會い、そして彼自身も共に生きていく事を余儀なくされていく。
8 162沒落令嬢、貧乏騎士のメイドになります
アニエス・レーヴェルジュは美しく、気位の高い伯爵令嬢である。 社交界の麗しの薔薇と呼ばれた彼女は、高嶺の花であった。 一方で、騎士である貧乏貴族のベルナールは、夜會の晩に生まれや育ちを嘲笑うような蔑んだ目でアニエスに見られたことを根に持っていた。 ――最悪の出會いから五年後、アニエスの家は突然沒落する。父親の不祥事が原因だった。 周囲の人々は冷ややかで、何もかも失ったアニエスに手を差し伸べたのは、ベルナールだけだった。 彼は使用人として働くならば、衣食住を保証すると言った。 提案を受け入れるアニエスを見ながら、ベルナールは一人、ほくそ笑む。 「――ざまあみろ、お嬢様、うちでこき使ってやる!!」 しかしながら、一緒に暮らし始めて、アニエスの本當の姿が判明する。彼女はベルナールが思っていたような娘ではなかったのだ。 仕返しのつもりで家に招いたのに、予想の斜め上の展開となる。そんな元令嬢と不器用な騎士の、ほのぼの戀愛物語 表紙畫像:フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)
8 188蒼空の守護
蒼総諸島が先々帝により統一されてから百十余年、宮家間の軍拡競爭、対立がありながらも「蒼の國」は戦いのない平穏な日々が続いていた。危ういバランスの中で保たれてきた平和の歴史は、1隻の船の出現によって大きく動き始める。激動の時代の中を生きる、1人の姫の數奇な人生を描く長編大河小説。
8 141異世界転生の特典は言語理解EXでした〜本を読むだけで魔法習得できるチートスキルだった件〜
主人公のアレクは、言語理解EXという特典をもらい、異世界転生することになった。 言語理解EXをもらったアレクは幼少期から家の書庫でたくさんの本を読み漁る。 言語理解EXの能力は、どんな言語でも理解してしまう能力。"読めるようになる"ではなく、"理解してしまう"能力なのだ。つまり、一度見た本は二度と忘れない。 本を読むだけで魔法の概念を理解してしまうアレクは、本を読むだけで魔法を習得できてしまう。 そんなチートスキルをもらったアレクは、異世界で二度目の人生を送る。 ほぼ毎日投稿。悪くても3日に1回は投稿していきたいと思ってます。
8 115従妹に懐かれすぎてる件
昔から仲の良かった従妹が高校進學を機に一人暮らしの俺の家に住むことになった。 可愛い女の子と暮らせるなんて夢のようだ、と思ったのだが……。 「ゆうにぃ、おはようのキスは?」 俺の従妹は想像以上に懐いていました。 もはや同居じゃなくて同棲、ラブラブな新婚生活だよこれ……。 季節を追ってエピソードが繰り広げられていく日常アニメならぬ日常ラノベ! 甘々過ぎてちょっぴり危険な二人の生活を覗きに行きましょう! 2017/7/28-30 本日のノベルバ ランキングにて2位をいただきました!
8 136明日流星群が見れるそうです。
綺麗な星の夜、どこかで謎の墜落事故があった。奇跡的に生き殘った彼女は、人間と言うにはあまりにも優しく、殘酷な生き物だった。 子供時代、心にとても深い傷を負った長崎安曇(ながさき あずみ)は彼女と出會って少しづつ前に進んでいく。
8 160