《【書籍化】Fランク冒険者のり上がり、俺だけができる『ステータス作』で最強へと至る【コミカライズ】》系ダンジョン一層

ガーネットの二日酔いを治すため、俺とフローネは王都の商業區近くにある『植系』ダンジョンを訪れていた。

基本的に低層のモンスターは無視するため、目の前に現れる敵を一振りで片付けていたのだが、後ろで見ているフローネのきが気になった。

「どうした、フローネ?」

もしかして、初のダンジョンということで張しているのではなかろうか?

俺はそう推測して彼に聞いてみるのだが、

「いえ、主人様と一緒なのでそこは平気なのですが……」

は左手を顔に持っていくとあるの位置を調整していた。

「この付きメガネはなんなのでしょうか?」

現在、彼はメイド服に加えてのついたメガネをかけている。

それと言うのも、できる限り他の人間にフローネと認識されるのを避けるためだ。

「一応、フローネが奴隷になった経緯もあるからな。妙な連中に絡まれないように変裝も兼ねている」

そのために目元を隠す付き眼鏡を掛けさせている。

「そういう事でしたか……」

もっとも『地図表示』と『索敵』のスキルがあるので、敵対者の位置も冒険者の位置も把握できている。

俺が出會わないようにしようと考えれば、不測の事態にはならないはずだ。

「それに良く似合ってるし問題ないだろう」

「そ、そう言うことは恥ずかしいのでおっしゃらないでください」

サロメさんから「が何かをに著けたら褒めるようにしてください」と酒の席で教わっていたのでやってみたのだが、フローネの反応を見る限り微妙に見える。

ガーネットには試していなかったが、この調子ならやめておいたほうがいいだろう。

「まあ、どのダンジョンも低層はモンスターもたいしたことないからな」

俺たちは現在『植系』ダンジョンの一層を進んでいる。

湧いてくるモンスターはトレントといって、膝くらいの高さの木型のモンスターだ。

王都の中でも低難易度ダンジョンに分類される『植系』なので、一層に湧くモンスターの強さはたいしたことがなく『ステータス作』を行ったフローネなら余裕で倒すことができるだろう。

「とりあえず今日のところはガーネットの調を戻してやることが最優先だから、二層を目指そう」

「はい、主人様」

俺がそう促すと、フローネは優しく笑いかけてきた。

「それにしても、主人様は本當にお嬢様のことを大切にされておられるのですね」

二層を探索していると、フローネが話し掛けてきた。

俺はし考えると返事をする。

「まあ、そうじゃなきゃパーティーを組んでないだろうしな」

ガーネットとパーティーを組むまでに々あったことを思い出す。

自分の気持ちを押し殺し、結果として彼を泣かせてしまったこともあった。

二人の間には確かな絆があるのがわかります。それが私にはとても羨ましく思えるのです」

はそう言うと、し寂しそうな表を浮かべる。

「俺もガーネットも、冒険者としては落ちこぼれだったからな。お互いに共する部分が多かったんだ」

俺はスキルが発現しなくて周囲から見下され、ガーネットはばすべき能力を間違えていたため芽が出なかった。

俺たちが知り合った経緯を話していると、

「つまり、主人様のユニークスキル『ステータス作』が発現したからこそ、私たちはいまこうしているということですね」

「そうなるだろうな」

でなければ、ガーネットやフローネみたいに優しくしいと行を共にすることなどなかっただろう。

「話を聞く限り、私の『錬金士』も嬢様の『剣聖』も、主人様がいらっしゃらなければスキルを取得する前に諦めるしかなかったと思います」

確かにその通りかもしれない。

ガーネットの『オーラ』は取得にスキルポイント10も使う破格の効果を持つスキルだ。

それだけに、普通に取得するには相當な時間が必要だったはず。當時、ウイング氏から、冒険者を続ける條件を突きつけられていたので、普通なら諦めていたに違いない。

そう考えると、今の関係は奇跡のようなものだと思える。

「フローネも、大切な仲間だからな」

「ありがとうございます」

「そろそろ、モンスターと遭遇するから、気を引き締めてくれ」

俺はフローネにそう促すと、武を構えるのだった。

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