《快適なエルフ生活の過ごし方》05:非のチェックメイト

裏口から店ると気づいたテラーの人が口をぱくぱくされながら手を振っている。まあそうだよね、普通はそういう反応するよね。だがことわる。

「ん? 何ゴソゴソやってルンだ?」

見つかった! あ、やっぱどっか日本人っぽくないな。ニホンゴオジョウズデスネ。仕方ないから立ち上がる。ついでにカウンターに乗る。うん、高いところは気持ちいい。ついでにポーズも決めてしまおう。乗りかかった船だ。難破船? そういう事言わない!

「そこまでよ!」

傍から見るとかなり間抜けな様子だと思うがそのまま乗り切ってしまおう。三人組を指差して宣言する。これには三人組の注意をこちらに引きつける狙いもある。その間に火の霊を離れさせドライアドに分を作ってもらって囲ませるのだ。

……いや、そもそもそんな事しなくてもドライアドは見えないんだけど。

「もうあなたたちは終わりよ。完全に包囲したわ。これ以上何も出來ない。大人しく捕まりなさい!」

三人組はキョロキョロと周りを見回した。勿論見た目にはなんの変化もない。そう、彼らの目には何も映らない。でも、実際は火の霊が離れて足元までドライアドの分がわらわらと寄って來てるのだ。

「ワケワカンナイ! とりあえずオマエは死んどくネ!」

回る弾倉、起きる撃鉄、強ばることもなしに指がトリッガーを引く。撃針が薬室を……打ったけど、炸薬は反応しなかった。カチン、カチンと乾いた音が響く。まあ火の霊が全員退去してるから當然なんだけどね……

「ツァォ、ツァォ!」

なんか言ってるけど、あれは中國語かな?

「!?」

異変に気がついたのか他の二人も引鉄を引いた。やはりカチン、カチンと乾いた音が無にも響く。じゃあそろそろこっちも行開始だ。

「じゃあお願いね、ドライアド!」

「おっけー」

軽いじの返答があり、三人の足元にいたドライアドの分がツタのようになって彼らに絡みついた。あっという間に拘束されて床に押し付けられる三人。おー、お見事。

「一丁あがり!」

「今どき使わないよねー、その表現」

先輩がのんびりした口調で言った。

三人組の強盜が捕まったのを見て行のみんなが起き上がってきた。

「霜月さん、今のは一……」

支店長が怯えたような目で私を見た。

「大丈夫です、支店長。全員捕まえました!」

自信たっぷりにサムズアップしたのだがまだ怯えた目は殘ったままだ。今後の人間関係に支障をきたしそうなので大人しく想よくしとこう。

「何か?(にっこり)」

決まった、完璧スマイル!

「……いや、なんでもない。警察が來ると大変だろうから君はもう帰りなさい」

「え、でも……」

まだ就業時間中だしなあ……

「帰りなさい、帰れ、いや、帰ってくださいお願いします」

とうとう土下座までされたんだけど……どうしようこれ?

仕方ない。まあ々あって疲れたし帰らせてくれるのはとても有難い。々試してみたいこともあるしね。

「わかりました。では、お先に失禮します」

後ろの方で先輩があー、ずるーいって言ってるけど支店長命令だから仕方ないよね!

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