《快適なエルフ生活の過ごし方》09:バカ

二、三回コール音が聞こえて相手が電話に出た。

「おつおつー、ひとみんめずらしーね」

能天気そうな聲。私の親友、如月ハルだ。本人はオタコンって呼んでくれって言ってたけど未だに意味は分かってない。學生時代は月名コンビと言われていたがそんな名前の偶然なくても仲良くなってたと思う。とにかく何にでも私を引きずり込もうとするやつで、気になってることには全力でぶつかって行く子だ。そしてなんか無駄に博識……というか何でもかんでも興味を持つおで覚えたのだという。なお、學校の勉強についてはお察しレベルで私が教えていた。

「ハル、ちょっと聞きたいことがあるんだけど今度の土曜會えない?」

「んー? まあ特に予定れてないからいいけど、電話じゃダメなん?」

「まあね。実際に見てもらった方が話は早いから」

「りょーかい。んじゃ土曜にそっち行くわ」

「うん、お願いね」

通話が終わると風呂の準備が出來たようでお風呂にりに行く。湯船に浸かりながら今日一日あったことを反芻した。

耳が生えて

ドライアドに會って

銀行強盜が來て

火の霊と契約して

イフリートさんと會話して

……なんか頭がぼんやりしてきたので寢ます。おやすみなさい。

翌朝。清々しい朝だった。そして相変わらず耳はとがっていた。夢ではなかったようだ。

「あー、やっぱり夢オチはないかぁ」

ボヤきながら會社に行く支度をする。コーンフレークうめえ。食べ終わったので気合をれ直して會社に向かった。今日はどんな反応されるんだろうか……

そんな風に思ってた時期もありました。結果ですか?

ああ、なんか腫れるような扱いだったので裏でカタカタ伝票力してましたとも。

先輩は「元に戻ってんじゃん、ウケるー」って笑ってたんだけど。これが終わればお休み。そう思ってひたすらカタカタやるのは良いんだけど……いつまでこの狀態かなあ?

午後三時にシャッターがしまって照合作業の手伝いをする。金額合わないと帰れないんだよね……先輩が五円なくて二十三時頃まで必死で探したことがあるって話してくれたなあ。トレー(カルトン)の下の足にハマってたんだそうだけど。

……よし、今日は大丈夫。伝票を整理して今日の分を綴じ、金庫にしまう。帳票類は保存しとかなきゃだからね。

なんもなしで17時になったから今日は終業。

お疲れ様でした。タイムセール殘ってるかなー?

とまあ一日過ごして明日はハルとの約束の日。ぐっすり眠ります……すぅすぅすぅ。

ドンドンドンドン!

「おーきろー」

ふにゃ!? 何事……ってハルの聲だわ。今まだ朝の六時やぞ! なんでいるの?

「ひーとーみーんーあーけーてー」

「ちょっと早過ぎない?」

「なんか困ってたみたいだし、ログインボーナスもらってすぐ來た!」

……うん、結果はどうあれ、私の事を案じてくれたからこその行だ。でもログインボーナスは貰うのな。ガチャリとドアを開く。

「おはよ、りなよ」

ハルを部屋にれてお茶を出す。ハルはそれをグイッと飲み干して言った。

「で、聞きたい事って?」

「うん、それなんだけどね……これ見てくれる?」

私は認識阻害の炎を解いて耳を見せた。

「エ、エルフ耳ー! いつの間にコスプレに手出したん? 言ってくれればちゃんと合わせるのに。で、それはなんのキャラ? 今期のやつでエルフだとあれはnarou系のやつだよね? でもあれってエロフだからおっぱいの質量的にひとみんには……」

「ちょっと待て!」

チョップをかます。強くなったけど別にの事を言われたからじゃないやい。

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