《快適なエルフ生活の過ごし方》16:絶への布石

「ったく、なんなんだよ今日は」

イライラカリカリしているのが目に見えてわかる。だが手を緩める気はない。 私のおしりをで回した代償、そので払ってもらうからな!

そのうちに繁華街のお店にる。フランス料理だ。ちなみに噂ではかなり高いらしい。私もこっそりおじゃましまーす。

の雰囲気は上品でってる客もお金を持っていそうな人たちばかり。デートとかステータス作りには良さそうなお店みたい。水島が席に著いて橫柄に注文している。

「おい、コース料理をもってこい」

「かしこまりました。ワインは……」

「高級なのはあるか?」

「ミュジニーのグランクリュ。2013年のもので……」

「それでいい」

ワインとか値段でしか見れないのかねえ。いや、私もワインは飲んでみたいと思うけど普通の一本千円くらいので十分だよねえ。

「あら、あなたが飲むなら味しくしとくわよ」

あー、そりゃどうも……って誰だよ!

「あ、私お酒の霊。よろしくね」

あー、これが酒ってやつかー(遠い目)というかやっぱりいるんだねえ。

味しいお酒は居心地いいからついつい居座っちゃうのよね。あ、この店で飲むなら一番高いやつよりも普通のテーブルワインの方が癖がなくていいと思うわ」

いや、別にお酒飲みに來たんじゃないし。まあでも、飲む時はお願いしようかな。おしゃべりしてたら食事は進んでいたみたいでオードブル、スープ、と出されていた。次はポワソン(魚料理)みたい。そろそろくか。

「オマール海老のポワレでございます」

水島がナイフとフォークで切り分けようとしている所にタイミング良く空気の塊をぶつけてエビを跳ねさせた。ビターンという音がして目の辺りに直撃したらしい。

「目が、目がぁ」と言いながら本日……何回目かは忘れたがのたうち回っていた。

「ど、どうされましたか、お客様?」

「どうもこうもない! この店では調理しないでエビを出すのか?飛び跳ねて來たぞ!」

「そ、そんなバカな……」

ウエイターの方が確認したがちゃんと調理されてるんだからそんな訳が無い。

「お客様、お戯れは困ります」

「なんだと!?」

聲を荒らげたものの他の客も居るので派手な事は出來ないのだろう。大人しく座った。

「これはもういい。料理を出してくれ」

「かしこまりました。々お待ちを」

出せと言われても直ぐには出てこないと思うのだけどどうなんだろう。

「お待たせしました。仔牛のローストでございます」

水島は遅かったことに文句をいながらもを噛み締めた。ガリッという音がした。食べるやつだけを凍らせたからね。

「おい、全然焼けてないじゃないか!」

「ええ? し、失禮します」

キコキコじゅわぁ。切り口から味しそうなが流れ出てしっかり焼けた斷面が姿を現した。

「……焼けておりますが、お客様?」

「そ、そんなハズは」

「君ぃ、先程からいい加減にしたまえ。我々他の客もいるんだ。落ち著いて料理が楽しめんじゃないか」

し太めのおじ様が注意してきた。他の客も非難するような目で見ている。こんな中で食事とか普通なら出來ないはず。

「ちっ、もういい」

料金を払って店を出て行こうとしたのでまたあとをつけた。まったねーとお酒の霊が手を振ってくれてた。

「くそ、くそ、くそ、くそ」

ブツブツ言うのが聞こえる。かなりイライラしてるようだ。そこにドスンとぶつかる人影。

「す、すみません!」

塾帰りの子高生だろうか? なかなか可いな。それは水島も思ったらしい。

「ぶつかってそのままって事はないよなあ? こっちに來い!」

と路地裏に連れ込む。

「いや、やめてください、謝りますから!」

「誠意がねえんだよ! どいつもこいつも僕の事をバカにしやがって……僕はエリートだぞ?」

水島は首に巻いてたネクタイを猿轡代わりにの子に噛ませる。そして壁に押し付けてスカートを捲り上げ……ってコイツなんか手慣れてない? とか見てる場合じゃねえ! 助けないと!

「ドライアド!」

「はいはーい」

案の定そこに居たらしい。足元の草が太くなって蔦のように締め上げた。

「はーい、そこまで! お嬢さん大丈夫?」

「は、はい、なんとか……」

可哀想に震えていた。許すまじ! ……最初から許す気ないだろうって? それは言わない約束だよ。

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