《快適なエルフ生活の過ごし方》37:それ.......何の冗談?

割とご都合主義な展開になってると思いますが、まあドタバタやっていく上で必要かなあと。エルフの魔法よりもご都合主義なものってないとは思いますけどね(笑)

翌日の夕方、私の仕事が終わる頃、私の職場の前に二人の人影があった。澪ちゃんとハルだ。

「お待ちしておりました、お姉様」

「やっほー、ひとみん」

うん、澪ちゃんは昨日約束したから分かるけど、なんでハルは居るの? ひきこもりなのに?

「なんか失禮な視線をじるけど、興味半分と萬が一の時の対策だよ?」

「警戒……されてるんですね、私は」

「そりゃあ貴みたいな怪しい人間は警戒しなきゃでしょ」

ん? なんか二人の間に火花のようなものが見える様な……

「まあいいですわ。如月ハルさん。お姉様の親友ですものね」

「待たされるのはあまり得意じゃないんだ。答え合わせといこうよ」

「分かりました。では、お姉様も一緒にこちらに」

通された先には一臺のリムジンが止まっていた……え?

ガチャ、バタン。おお、音が全然しない。高い車って靜かだって本當なんだなあ……じゃなくて!

「え? あれ? これ、どういう……」

「ふうん、噂は本當だった、って事かな?」

「そこに辿り著けるというのは驚きですね。まだまだ作が甘いということでしょうか」

二人が何の話をしてるのか全くわからないよ! 説明誰かプリーズ!

しばらく揺られて到著した所は山奧のお屋敷。いや、もうなんて言うか名探偵の孫でも出てきそうな立派な館だ。車のドアを開けるとズラリと並ぶメイドたち。

「おかえりなさいませ、お嬢様」

「はい、ただいまー」

うやうやしく下げられる頭に面倒くさそうに適當に挨拶する澪ちゃん。これはつまり、ここのお嬢様ということなのだろう。

「ここが財界のドン、柳英臣のお屋敷かあ……」

その名前は私でも知ってる。この地域の名士で政治家とも親厚く、総理周辺に強力なコネを持っていると言われるFRグループのトップだ。ということは澪ちゃんは……

「ええ、お察しの通りです。私は柳英臣の孫娘に當たります。隠し子……という立場ではありますので大っぴらにされるのは困りますけど」

「なんかきな臭い話になってきたなあ」

「相続権を放棄した代わりにこの屋敷を與えられたと聞いたけど?」

「ええ、ただ、おじい様には可がってもらってましてこうして子飼いの人たちを私に預けてくれてますの」

スッと澪ちゃんが右手を上げると數人が木から姿を表した。あ、しゅたっとか超で登場じゃないのね。

「一応忍びの筋……らしいのですが詳しい事は知りません。でも、報収集や作はお手のですから」

うひー、本當に居るんだね、こういう人たち……気をつけて範囲熱源探知してみると……ああ、確かに木のとか目立たない角度でまだ居るわ。そりゃ全員は姿見せないか。

「私のはこのぐらいです。何かご質問ありますか?」

「うーん、そうだね……なら一つ」

「どんな事でも答えますわ」

「なんで私のことをおはようからおやすみまで見張ってんのよ?」

「えーと、それは、そのー……趣味ですので」

「さすがにそれはやめてしいなあ。普通に聞いてくれたら答えるのに」

「えっ?」

いや、だって私のなんて「エルフであること」が一番のなんだからそれを知ってる相手にもう隠し事とかしないけど。

「ひとみんは頓著しなさすぎだよ。まあだからこそ私がバックアップにってるんだけどね」

「私としてはお姉様のスリーサイズとか男遍歴とか好きな男のタイプとか知りたいんですけどあなたの素の方が先ですわね」

「うーん、私の素? 単なるネトゲ廃人だよ。お仕事は株やってるだけ。いわゆるトレーダーだね」

そう、我が親友如月ハルはバイトして貯めたお金を投資して億単位の金をかすまでになったトレーダーなのだ。ステータスがそこに集中してるから人間らしい生活スキルがほとんど皆無なんだけど。

「ふふふ、ちなみにひとみんの男経験はゼロ、付き合った経験すらなし。スリーサイズは上からななじゅ」

「させるかぁ! シェイド!」

とりあえずとんでもない事を口走ろうとしたので闇の霊を力任せにぶつけて気絶させた。こらそこ、メモとってんじゃない!

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