《【書籍化&コミカライズ】追放悪役令嬢、只今監視中!【WEB版】》9:監視報告①

ザザッ、と映像がれ、次に映ったのは真夜中の教會。

そこで初めて、王都を出てからのシンの顔が映し出される。

魔法のブローチは映像を記録するだけでなく、編集して短時間でまとめる事もできる。今まで見ていたのは編集された記録映像、そして現在がリアルタイムだ。長い間見っているに、いつの間にか夜も更けてしまったのだろう。

「ご苦労だったな。アクシデントはあったが、まあ無事でよかった。お前は我々の同志だからな」

『恐れります。私めも驚いております。お嬢…クロエ嬢があんなにもイレギュラーな狀況に素早く適応できたとは』

「ボロが出るから『お嬢様』のままでいい。そうだな……追放が決まった時から、まるで別人のように聞き分けが良くなった。何か企んでいるのか、抵抗するのを諦めたか……いずれにせよ、馬車がなければそこからけまい。すぐに助けを遣わそう」

『一応、お嬢様にお伺いを立てなければ怪しまれます。朝一番に早速聞いてみる事にします』

「そうしろ。では、次の報告を待っている」

プツッとシンの姿が消え、鏡に我々の姿が映る。

「さて、クロエの向だが……お前たちの目にはどう映った?」

「今の所、問題行は起こしていないように思いますが……何分、今までが問題だらけなもので」

セイの意見に、もっともだと頷き合う。ダークはさっきから不機嫌が治まらない。

「あいつのしおらしい態度に騙されてはいけません。クロエの本はモモ嬢とは正反対のどす黒さですよ」

「言われなくとも分かり切っているし、モモと比べるのも烏滸がましい……お前の前であまり妹君の事を悪く言いたくはないが」

「もう勘當されていますので心配は無用です。それに…今の私の妹は、モモただ一人ですから」

(頬を染めるな、まだ正式に養になってはいないだろう)

結局ダークは、モモへの思慕を無理矢理兄妹に落とし込む事にしたようだ。レッドリオを前にしてモモを呼び捨てにするなど、兄妹ならではの役得にまんざらでもなさそうだ。

「俺は山賊との立ち回りが、意外とやるなと。あれだけ大人數の男に囲まれても、平気な顔でクロスボウ構えるとこなんか痺れましたぜ!」

「山賊のほとんどはシンが相手していただろう。…だが、そうか。クロエを気にったのなら、お前と婚約させてやってもいいんだぞ」

騎士見習いのダイはとことん脳筋思考だ。手合わせができるなら大抵の細かい事は気にしない。ただしさすがにクロエも、剣など振り回せるほどの筋力はない。クロスボウについては、非力なりにいざと言う時のために訓練していたと聞いた事がある。

「殿下ぁ、冗談は止して下さいよ。俺は守ってあげたくなるような、か弱い子がタイプなんです。あんな弱い者めが趣味のとはごめんだ」

「何だ、せっかくライバルが減ると思ったのにな」

クロエをぼろくそに叩き、先程の溜飲を下げれば、が思い出したように眠気を訴えてくる。

「とりあえず、今日のところはここで解散しよう。あまり遅ければ明日に響く」

「では、また伺います。我らのする聖のために」

最後は揃ってモモへのを唱和し、三人は部屋を後にした。

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