《【書籍化&コミカライズ】追放悪役令嬢、只今監視中!【WEB版】》シン=パープルトン③~監視外~
「なん、の…冗談を。お嬢様は私が裏切っていると…」
罪悪につけ込むと同時に心を悟られないために聲を震わせるが、クロエは黙って俺の元を指差す。そこには通信は切られているが、いつものようにブローチが取り付けられていた。
「そのブローチ、音聲を記録できるんでしょう? モモ様が持っていたのも同じ……まさかとは思うけど、貴方に私を口説けと命令したのは彼?」
「違う!!」
ブローチの機能まで知られていた事への焦りに加え、モモ様の名前を出された事で一気に頭にが上る。上著ごとブローチを毟り取ると、衝的にクロエの首に手をかけた。
「モモ様はこんな卑劣な手段は取らない! お前ら薄汚い貴族と一緒にするな!!」
「…ぐっ」
クロエが真っ青になってかなくなったところでハッと飛び退くと、激しく咳き込まれた。…上手く誤魔化さなければいけないところを、カッとして疑を証明してしまった。もうどんなに言葉を取り繕うと意味がない。
Advertisement
「ケホ…ッやっぱり貴方、モモ様の事が好きだったのね。…だったら尚更、好きでもない相手と寢るべきではないわ。私よりも傷付くのは貴方だもの」
「……今更だ。俺のなんぞ、とっくに穢れている」
本を見せてしまったせいか、もうクロエの前で白々しい丁寧口調をするのもやめた。ダークが言ったように、クロエに拾われる前の俺は、プライドも尊厳も売れるものは全て売ってきたのだ。
「私はそうは思わない。心まで穢れていたら、人を好きになるなんてできるはずがない」
「ハハッ、レッドリオ殿下にベタ惚れだったお前が、よく言う」
「ええそうよ。だから殿下への想いは、ただの憧れだったんでしょうね」
暗にクロエの心が穢れていると揶揄してやれば、キレるかと思いきやあっさり認めた。それにしてもこいつ、自分を押し倒して首を絞めてきた相手にどうして逃げ出さないんだ?
「怖くないのか……お前を裏切って穢そうとした挙句、首まで絞めた男だぞ」
「モモ様も言っていたじゃない。『貴方は優しい』んだって」
「!? 何故それを……あの場には、他に誰もいなかったはずだ!!」
俺が心から救われ、モモ様をするきっかけとなった言葉。まさかブローチと同じく記録機能をどこかに仕込まれていたのかと戦慄するが、よく考えたらそのレベルの魔法アイテムなどそうそう用意できるものじゃない。俺の焦り合にクロエは苦笑いして種明かしをした。
「本人から直接言われたのよ、優しい人だから酷い事をさせないでって。でも私が言うのもなんだけど、そのシンに私の貞を奪えなんて命令する奴も相當ろくでなしよね! 容によってはモモ様の好意を踏み躙ってるんじゃないかしら」
「う……」
「自業自得だから私を裏切るのは構わないけど。自分で自分の本心を裏切って、悲しまないほど彼は薄じゃないんでしょ?」
自分がいない時に、彼たちが會う機會などあっただろうかと一瞬過ぎるが、よりによってあのクロエに正論を吐かれて俯いてしまう。そうだ、監視自はモモ様のためと言う大義名分があるが、クロエを落として絶を與えろなんてのは、完全にレッドリオ殿下のエゴなのだ。
もしも俺のした事をモモ様に知られたら……軽蔑ならまだいい方だ。モモ様が俺を睨み付けながら涙を零す景が浮かび上がり、俺は絶した。モモ様のために…なんて言われたら、傷付くのは彼じゃないか。
「顔を上げなさい、シン」
そんな俺にブローチを拾って投げ寄越したクロエは、王都にいた頃のように強気に、だが揺るぎない眼差しをしていた。眩しさに目が開けていられない。
「貴方が誰に命令されたのか……最初はお父様あたりだと思ったけど、大予想が付いたわ。このまま引き続き、私を監視していなさい。あ、見られてると知ってるのは緒でね」
「おめでたいだな、裏切った連中がお前を陥れるために手薬煉引いてるってのに……それとも、俺に二重スパイをしろと?」
「下手に疑いかけられたくないから、そこまでしなくていいわ。むしろ冤罪をかけられないための証拠になるしね。驚いていたでしょう?」
「それは俺……私も同じです。やはり演技なのですか?」
今まで向けた事のない暴な口調にも全く突っ込んでこないので、気まずさを覚えつつも敬語に戻す。ひょっとしたらどこかで俺本來の喋り方を聞き、俺が本気で口説いていないのだと察したのかもしれない。
クロエはただ笑って質問に答えず、衝立に手をかけながら、約束通り客室を引き払って一人部屋をもらわないと、などと思案している。
(そうか、クロエと同じ部屋で寢るのも、もう――)
何故かその事実に、の辺りが寒くなった。結局復讐にも罠にもならなかった事に、モモ様を傷付けずに済んで安堵した一方で腹に據えかねてもいた俺は、ふとクロエを試したくなった。
「お嬢様、もしも――私が強引に一線を越えていたら、貴は傷付きましたか」
「…どうかしら? 貴方はとても綺麗な顔をしているから、私のお気にりである事に変わりはないわ。幸い…と言うのもおかしいけど、今フリーだしね。だから貴方の思がどうあれ、自分で決めたと言うなら、けれていたかもしれないわ」
何とも現金な答えだが、逆にクロエらしくて笑ってしまった。今までなら最低だと蔑んでいたのだが、王都を出てから変わってしまった彼が、ひょっとしたら本當に別人なのではないかと薄ら寒い想像が過ぎったのだ。
「ではもっと上手くやれば、貴ののお相手に選ばれる可能もあったのですね」
「うーん、それは……なくとも今は無理よ。貴方がどうと言うより、自分の事だけで一杯でする余裕がないの。あの斷罪が思ったよりダメージになっててね……何だかんだ言って私、ベニー様に本気だったみたい。だから次のに行こうにも、心にぽっかりが開いてて素通りしてしまうのよ」
敢えて心にもない事を揶揄い口調で言ってやれば、し困ったような笑顔でこう返されたものだから。突如、刺されたようなの痛みに服をぎゅっと握りしめ、同じような笑みを作って誤魔化した。
様子のおかしい俺に「ごめんね」と何に対してか分からない謝罪をし、ウィッグを被り直したクロエが出て行く。パタンとドアが閉められると同時に俺はベッドに転がり、顔を手で覆った。クロエがさっきまでそこにいたとじられる、仄かな溫もりと香りが殘っている。俺は、バカみたいに笑いたくなった。に隙間風が吹き抜けるのを、笑い飛ばす事で耐えていた。
『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……
『神以上の経験値倍率』と『無限転生』という究極チートを持った主人公『閃(せん)』。 とんでもない速度で強くなる彼が、とんでもない時間を積んだ結果…… 「もういい! 異世界転生、もう飽きた! 何なんだよ、この、死んでも死んでも転生し続ける、精神的にも肉體的にもハンパなくキツい拷問! えっぐい地獄なんですけど!」 これは、なんやかんやでレベル(存在値)が『10兆』を超えて、神よりも遙かに強くなった摩訶不思議アドベンチャーな主人公が、 「もういい! もう終わりたい! 終わってくれ! 俺、すでにカンストしてんだよ! 俺、本気出したら、最強神より強いんだぞ! これ以上、やる事ねぇんだよ! もう、マジで、飽きてんの! だから、終わってくれ!」 などと喚きながら、その百回目に転生した、 『それまでの99回とは、ちょいと様子が違う異世界』で、 『神様として、日本人を召喚してチートを與えて』みたり、 『さらに輪をかけて強くなって』しまったり――などと、色々、楽しそうな事をはじめる物語です。 『世界が進化(アップデート)しました』 「え? できる事が増えるの? まさかの上限解放? ちょっと、それなら話が違うんですけど」 ――みたいな事もあるお話です。
8 146暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが
気配を消すことが得意な高校生織田晶〈おだあきら〉はクラスメイトと共に異世界へ召喚されてしまう。 そこは剣と魔法の世界で、晶達は勇者として魔王討伐を依頼される。 依頼をしてきた國王と王女に違和感を感じた晶は、1人得意な気配消しで國王の書斎に忍び込み、過酷な真実を知る。 そうとは知らないクラスメイト達を、見捨てるか、助けるか、全ては晶の手にかかっていた。 そして、自分のステータスと勇者のステータスを見比べてみて、明らかな違和感に気づく。 作者の都合でできない日もあるかもしれませんが、1月27日から1日1更新を目指して頑張ります。 オーバーラップ文庫様により書籍化しました。(2017年11月25日発売)
8 91ヘヴンリィ・ザン・ヘヴン ~異世界転生&成長チート&美少女ハーレムで世界最強の聖剣使いに成り上がる物語~
ノベルバオンリーで100萬PV、なろうを加えれば500萬PV突破!!!!! 超王道ファンタジー×なろう系転生チーレム=全ての宇宙を救う英雄譚!? 主人公のロイは前世の記憶と神様の女の子から受け取ったチートを持つ転生者だった。しかし、それだけでは飽き足らず、伝説の聖剣に選ばれたことによって、彼の異世界生活は一変する! 甘々のイチャイチャ、ラブラブ一直線な戀人もできるし。少しだけツンツンしているエルフの美少女とも親密になるし。ブラコン姉妹もお兄ちゃん、そして弟くんにデレデレだし。そして自分の身の回りのお世話もしてくれるメイドも出てくるし。最終的にはお姫様とイヌ耳っ娘とネコ耳っ娘まで!? しかも、全員とソウイウコトもするの!? でも愛し合っているなら當然だよね! そして読書とネットサーフィンで得た現代知識も使って、世界でトップクラスの有名人、今最も將來が有望な若者、王國中の女の子が憧れるメンズアイドル的な存在になってしまうが、しかし、それでもおごることなく世界最強を目指し、ロイは自分のことを大切に想ってくれているヒロインとの異世界生活を邪魔する敵対者を片っ端からぶった斬る! 學院內から、貴族の領地、魔族領に近い地方都市、そして戦爭の最前線。ロイは圧倒的な成長速度によって、いろいろなところで戦い、輝かしい栄光を手にし、王國の歴史にその名を何度も強く刻み込む! いずれ世界最強に至る少年、これは彼の成長をつづった物語。 ~~~~~~~~~~~~~~~ 作者のTwitter『 @sakura_uta_0702 』 『オレのラブコメヒロインは、パンツがはけない。』『オタサーの姫と戀ができるわけがない。』『陰キャラな俺とイチャつきたいってマジかよ……』はファンタジア文庫より全巻発売中!!!!! ※ この作品は『ノベルバ』の他に『小説家になろう』にて並行連載しております。
8 166銀狼転生記~助けた幼女と異世界放浪~
狼に転生した青年は魔神を目指す。 クラスメイト達、魔王、百年前の転移者、不遇な少女達…。 數々の出逢いと別れを繰り返しながら…。 彼は邪神の導きに従って異世界を放浪する。 これは、青年が幼女と共に歩む銀狼転生記──その軌跡である。 :楽勝展開ばかりではありません。
8 193世界にたった一人だけの職業
クラスでもあまり馴染むことができず、友達にも恵まれず高校生活を送っていた高校二年生の主人公の柏沢蓮斗。そんなある日、クラスでいつも通り過ごしていると先生の魔法詠唱によって足元に魔法陣が現れた。魔法陣に吸い込まれた後、目を覚ましたら異世界の王宮の中にいた。皆それぞれ職業に目覚めており、主人公もまた例外ではなかった。だが、主人公の職業はー 異世界の複雑な事情に巻き込まれていく ストーリーです。 新作 「スキル『日常動作』は最強です~ゴミスキルだと思ったら、超萬能スキルでした~」も興味のある方は見に來てください。 お気に入り1000突破! ありがとうございます!!
8 134感傷
悲しみ、怒り、喜びなどの 人間の感情を話の軸にした短編小説集。 「犠牲」 とあるきっかけで殺人を犯してしまった遠藤翔 (えんどうしょう) その殺人の真相を伝えるための逃走劇 そして事件の真相を追う1人の若き記者、水無月憐奈の物語 「メッセージ」 20歳の誕生日の日、家に帰ると郵便受けに手紙が入っていた。 その內容は驚くべきものだった。 「犠牲」のその後を描いたAnother Story 「ニセモノカゾク」 當たり前が當たり前じゃない。 僕は親の顔を覚えていない。 ここに居るのは知らない親です。 家族の形が崩壊していく様を描いた物語
8 168