《【書籍化&コミカライズ】追放悪役令嬢、只今監視中!【WEB版】》34:ずれた歯車
「何故今、その話を? ダークの妹ではあるが、お前の養子りには関係な…」
「いいえ、大事な事です」
レッドリオの問い掛けを遮り、モモは爪を噛んだ。小聲で「時期がずれたからこうなったの?」などと呟くが、彼には何の事だか分からない。
「クロエ様はご自分の罪が暴かれた時、私をそれはそれは恐ろしい目付きで睨んでおりました。ベニー様の心を奪ったと、私に呪詛を吐いて…
王都を追放された後、イーリス山の辺りで山賊に襲われたと仰ってましたね。あの地域は特に瘴気が濃くて、元々怨嗟など邪心を抱く者は魔に魅られやすいのです。クロエ様の様子はどうでしたか?」
それはクロエの斷罪直後にもモモが話していた事だった。クロエが自分を逆恨みすると。だが監視を続ける限り、今のクロエがモモに復讐するとは思えなくなってきていた。
「特に不穏なきはないな……突拍子もないとじる事はあるが。お前に嫉妬どころか、沙汰の一切を捨ててしまったようにすら見える。まあどこまで本心かは知らんがな。
……そう言えばモモ、お前は『ロック=グリンダ』と言う名に聞き覚えはないか?」
クロエの向を思い返す中、ふとモモの馴染みだと言う奴について探りをれたくなった。なので本當に、何気なくその名を口にしたのだ。
その途端、モモはさっと顔を変えて詰め寄ってきた。
「その名前をどこでっ!?」
「いや……クロエが働く宿屋にたまに立ち寄る冒険者だ。どうやらモモと同郷の者らしいんだが、覚えているかどうか気になって……やはりそうなのか」
「は、はい……彼とは馴染みでした。でもグリンダって」
「お前が王都へ行った後、隣國の伯爵家に養子にったらしい」
話しているに目を見開き、信じられない様子でぶるぶる震えている。その尋常でない態度に、モモにとってロックはただの馴染みではない事が窺えた。レッドリオは思わずその華奢な肩を摑む。
「モモ、今まではお前の心を慮って聞かないようにしてきたが、この際はっきり言ってくれ。お前が本當にしているのは、誰なんだ?」
「ベニー様…? 痛…っ」
「シンか? ダークか? さっき言ったロックなのか? お前は俺の気持ちを、クロエを切り捨ててまでお前を選んだ俺の心を知っているよな? お前は俺を選んではくれないのか」
「ま、待って下さい!」
モモは慌ててレッドリオのを押し返す。その仕種が拒絶されたようにじてカッとなるが、彼はそれどころではないようだ。
「今は誰を好きとか……考えられません。私の力が目覚めた理由は、この世界の浄化のためで……そのためにここにいるのです」
「そんな建前はどうでもいい。俺は、お前以外に考えられない」
レッドリオの告白に周りがざわつく。ここは聖教會の食堂だ、ギャラリーがいて當然だろう。モモもそれを気にしているのか、視線を彷徨わせた。
「ベニー様のお気持ちはとても嬉しいです」
「俺では、ダメなのか」
「そうじゃなくて!」
珍しくモモが苛立った聲を上げ、レッドリオはつい焦って強引に迫ってしまった事を恥じた。肩から手を離すと、モモは気まずそうに後ろに下がる。
「ナンソニア山脈周辺の瘴気を何とかしない事には、貴族とか婚約とか…そう言う話は考えられないのです。そして私が懸念しているのは、クロエ様の向。ロックと接しているのも気になりますし、一緒にいるシン様の事も…
ベニー様、どうか今度の監視は、私もご一緒させて頂けませんか?」
意外な申し出にレッドリオは面食らうが、モモは何かを思い詰めているようだった。
【書籍化】幼馴染彼女のモラハラがひどいんで絶縁宣言してやった
【コミカライズ決定しました!】 一個下の幼馴染で彼女の花火は、とにかくモラハラがひどい。 毎日えげつない言葉で俺を貶し、尊厳を奪い、精神的に追い詰めてきた。 身も心もボロボロにされた俺は、ついに彼女との絶縁を宣言する。 「颯馬先輩、ほーんと使えないですよねえ。それで私の彼氏とかありえないんですけどぉ」 「わかった。じゃあもう別れよう」 「ひあっ……?」 俺の人生を我が物顔で支配していた花火もいなくなったし、これからは自由気ままに生きよう。 そう決意した途端、何もかも上手くいくようになり、気づけば俺は周囲の生徒から賞賛を浴びて、學園一の人気者になっていた。 しかも、花火とは真逆で、めちゃくちゃ性格のいい隣の席の美少女から、「ずっと好きだった」と告白されてしまった。 って花火さん、なんかボロボロみたいだけど、どうした? ※日間ランキング1位(総合)、日間・週間・月間・四半期ランキング1位(現実世界戀愛ジャンル)になれました 応援いただきありがとうございます!
8 152フェンリル
2037年、世界はこれまで保っていた平和を突然失った。 世界中で紛爭が起こり、ヨーロッパはテロにより壊滅的打撃を受けた。 この影響は日本にも広がり、日本拡大を目指す『戦爭派』と國を守る『國防派』に別れていった。 19歳の青年、雪風志禮は元々死刑囚だったが、政府の政策で、國防軍の軍人となることを條件に釈放された。 既に人間らしさを欠いてしまっていた志禮は仲間や出會った少女の時雨と迫る敵を押しのけながら感情を取り戻してゆく。
8 110Astral Beat
ある梅雨明けの頃、家路を急いでいた少年は、巷を騒がせていた殺人鬼に遭遇し、殺されてしまう。 気が付いた時には、異能力が発現し、しかも、美少女になっていた!? 異能力によって日常が砕かれた彼(彼女)は、異能力による數々の事件に巻き込まれていく。偽りの平和と日常の瓦礫の中で何を見るのか。 そんな、現代風シリアス異能バトルコメディ、ここに爆誕。
8 97創造のスキルとともに異世界へ
事故で死んだ江藤雄一は神の元へ。 神がひとつだけ力をくれると言うので、俺は創造の力をもらい異世界へ行った。その先で雄一はスキルを駆使して異世界最強に。
8 130負け組だった俺と制限されたチートスキル
「君は異世界で何がしたい?」 そんなこと決まっている――復讐だ。 毎日のように暴力を振るわれていた青年が居た。 青年はそれに耐えるしかなかった。変えられなかった。 変える勇気も力も無かった。 そんな彼の元にある好機が舞い降りる。 ――異世界転移。 道徳も法も全く違う世界。 世界が変わったのだ、今まで変えられなかった全てを変えることが出來る。 手元には使い勝手の悪いチートもある。 ならば成し遂げよう。 復讐を。 ※序盤はストレス展開多めとなっております
8 170ワールド・ワード・デスティネーション
僕はあかりに何が出來たのだろう。 戀人「あかり」を突然失った僕が體験した夏の冒険ストーリーと、平和な瀬戸內の島で暮らす少女の不思議な世界。 ぜひ瀬戸內海の穏やかな海を想像しながら読んで欲しい、一夏の物語。
8 142