《【書籍化&コミカライズ】追放悪役令嬢、只今監視中!【WEB版】》40:思いがけない再會

シンから責められても反省する素振りも見せず、逆にダイは鬱陶しそうに反撃に出た。

『だったら聞くが、お前こそ何ちんたらやってんだ? さっさとあのを惚れさせろって殿下から言われてるだろう』

『そう簡単にいくなら苦労はしない。私とは元々主従の関係だったんだ』

『何だよ、やっぱりただのペットか』

あまりな言いにシンは黙り込む。王都から追放されるまでは、まさにそうだったので何も言えない。レッドリオと言う婚約者もいなくなり、シンに依存せざるを得なくなった今の彼ならと思っていたのだが。

『そんなんじゃいつまで経っても落とせねえぞ。こんな場所で足踏みしてたってしょうがないだろ? もう無理にでも修道院にまで引っ張っていけよ』

『しかし、ここの結界がまだ……』

『おいおい、あのお嬢様の言ってる事真にけんのかよ? そんなにヤバいならモモが何とかしてくれるだろ。あっちが本なんだから』

「ああ言ってるが、イーリス山のダンジョン周辺の瘴気に関して、何か分かるか?」

「えっと、確かにあそこのダンジョンは上級者向けなので魔は強くて厄介だと聞いています。だから結界を強化した方がいいのは本當です、が……」

レッドリオの質問に答えながら、モモは言い淀む。自分がそこに向かわなければならない事に怯えているのだろうか。もしそうなったとしても、自分がついてしっかり守ってやるつもりだが。

『とにかくお前らがここにいる必要なんてねえだろ。馬車は街で調達でもすりゃ済むんだから、早く荷纏めろよ』

スクリーンではダイが逆にシンを引っ張っていこうとして、押し問答が続いていた。あまり長く話していると怪しまれる。シンの焦りが畫面からでも伝わってきた。

その時。

『おい兄ちゃん、いつまで店で騒いでんだ。迷だろ』

『嫌がってるじゃん。腕、離してやんなよ』

『!?』

誰かが、ダイの腕を払い除ける。驚いたシンが聲のする方を向き、そこに立っていたのは――

「ラキ…サム…キサラ……?」

その名を呟いたのは、ダークだった。部屋にいた者たちの視線が一斉に彼を向く。

「知り合いか?」

「はい、実家の使用人たちです。最近、暇をもらったとかで見かけなくなりましたが、何故…」

揺したのはダークだけではない。シンも震える聲で三人に呼びかけていた。

『お前ら……どうして? スラム街はあの時、潰されたんじゃなかったのか』

『そうだよ、だからセレナイト公に仕事をもらったんだ』

そう言ったのは、軽な裝いの盜賊らしき青年。

『持ち場が違うから、お前と直接會う事はなかったけどな』

大柄の戦士が鼻の下をりながら笑う。

『ま、こっそり様子は覗いてたから』

師のが杖で肩を叩きながらぺろりと舌を出した。

『俺たち、旦那様に言われてお嬢様の周辺を護衛する事になったんだ。冒険者として、この宿屋に滯在しながらね』

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