《【書籍化&コミカライズ】追放悪役令嬢、只今監視中!【WEB版】》46:ダンジョンでの異変

ホワイティ辺境伯領にある中級者向けダンジョン。レッドリオ一行は現在そこでレベル上げに勤しんでいた。すぐに上級者向けに行けるよう、一刻も早く腕を磨いておかなくてはならない。

ちなみにセレナイト公爵領はクロエによって全て浄化済みである。ブルーノ公爵領の方はこれまたモモが攻略しており、初級者向けダンジョンにしか行けない狀態であった。

「でも婚約を斷ったダーク様がいるのに、辺境伯はよく領地のダンジョンにる事をお許しになりましたね」

「……」

「あれは気の迷いだったと、誠心誠意頭を下げたんだ。一応今も謹慎中だからな。今回は奉公と言う形になる。なあ、ダーク?」

「……」

項垂れながら後ろをついて來るダークを振り返ってやれば、拳が固く握られる。決められた婚約者であるシィラは悪い娘ではないのだが、ふくよかな型をしていてクロエにバカにされていた。あんなみっともないを義姉とは呼べないが、人の子である兄とはお似合いだと。これを聞いた時には、何故こんなが仮とは言え聖に認定されるんだと思ったものだが、度は格には関係ないらしい。問題は発現する神力の量だ。

「ダーク様の事は兄のようにお慕いしておりますけれど、気の迷いと言われると…ちょっぴり複雑です」

「ち、違う! 僕のこの想いは決して……」

「ダーク、これ以上足を引っ張る気か」

先程の戦闘で負った傷を治そうとするモモの肩を摑むダーク。すかさず牽制すると悔しげにを噛み、大人しく怪我した腕を差し出した。今のレッドリオたちがすべき事は、魔と化したクロエと渡り合えるまでにレベルを引き上げる事だ。と言ってもまだ可能の段階でしかないし、古(いにしえ)の魔が一どれほどの強さだったのかも定かではない。ただモモの言う事を信じるしかないのだ。

「……あら?」

ダークの腕にれたモモの手がパアッと輝くが、だんだんが弱まっていく。のかかりが良くないらしく、しきりに首を捻っていた。脳裏に、修行不足だと言っていた神長の言葉が浮かぶが、すぐに打ち消す。監視中のクロエが使えるような神聖魔法が、モモにできないはずがない。傲慢なクロエよりもずっと獻的で、清らかで、聖なる心の持ち主のモモが。

「…ごめんなさい、し調子が悪いみたい」

「構わない。モモの気持ちだけで私は元気になれる」

肩を落としたモモを勵まそうと、無理のある強がりを言うダークに苦笑しながら、セイはこっそりポーションを差し出した。…それにしてもレベルが上がっているはずなのに、學生時代よりも若干きつい気がする。やはりダイが抜けたのが大きい。

(あの脳筋、呑気に一人だけ上級者向けダンジョンに通って、何を考えているんだ)

さらに痛い事に、もう一人メンバーが抜けなければならない事が出てくるとは、レッドリオは思いもしなかった。

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