《【書籍化&コミカライズ】追放悪役令嬢、只今監視中!【WEB版】》51:第二王子の訪問
その後も同じような日々が続くと思われたが、ある時點で予想は大きく裏切られた。
キィ…と開かれたドアからってきた人に、酒場の空気は一斉に変わる。目を丸くしたまま固まる者、持っていたグラスを落として割る者、即座に平伏する者。この國出ではない者たちだけは、そんな周りの異常事態にきょとんとしている。
『イエラオ…殿下……』
山奧の宿屋に似つかわしくない王族の裝をに纏った訪問客は、カラフレア王國第二王子イエラオ=キース=カラフレアその人であった。
『チャコ=ブラウン』
『……は、はいっ!』
洗い場で泡塗れの皿を持ったまま呆然としていたクロエは、突然偽名を呼ばれて我に返り、その拍子に皿を割ってしまう。今すぐ平伏すべきか先に破片をどうにかすべきか。パニックを起こしているクロエのもとへ、イエラオは初めて來たにしては迷いなく歩み寄った。
『殿下、申し訳ございません。このような格好で…』
『よい。いきなり押しかけた私も悪かった。だがチャコ=ブラウン。至急そなたに申し付けたい事ができたのでな』
『わたくしに…ですか』
戸ったように目を泳がせるクロエ。當然だろう、人前とは言え本來義弟となるはずだったイエラオが、よそいきの口調で自分を偽名で呼んでは。恐らく監視組の中に彼がいるのも察したはずで、気まずいに違いない。
だがそんな事はレッドリオたちには関係なく、責めるような視線が一斉にこの場にいる本人に向いた。
「おい、どう言う事だこれは! 何故貴様がクロエに會いに行った!? イーリス山まで何日かかると思っている!」
「その答えは、これから分かるよ」
兄の剣幕もどこ吹く風で、イエラオは相変わらず癇に障るにやにや笑いで鏡を見つめている。そこに映し出される酒場では、イエラオがシンたちに見えるように勅書を広げた。
『チャコ=ブラウン。この度の降臨祭に聖モモの代役として參加する事を命じる。なお、拒否は許されない。ほらここ、陛下と神長のサイン――あと第一王子のもだね』
「!!」
覚えのあるその勅書に、レッドリオの顎が外れそうになる。確かにそれは、ダンジョンに戻る前にサインしたものであった。言い出しっぺのレッドリオのサインも必要だろうとイエラオの甘言に乗せられ、深く考えずに書いたのだが。
(だが、それは…! そこに書かれた『チャコ=ブラウン』は!)
『イエラオ殿下、ですが私は……』
『何か問題でも? そなたはチャコ=ブラウンだ。そうだろう?』
何が起こっているのか把握し切れずに困するクロエを庇うように、シンが前に出る。
『殿下、一何をお考えなのです。お嬢…彼が王都へ戻るのを許されるのですか』
『下がれシン。貴様に口をきく許可は出していない』
イエラオはぴしゃりと言い放ってシンを黙らせた。
12ハロンのチクショー道【書籍化】
【オーバーラップ様より12/25日書籍発売します】 12/12 立ち読みも公開されているのでよかったらご覧になってみてください。 ついでに予約もして僕に馬券代恵んでください! ---- 『何を望む?』 超常の存在の問いに男はバカ正直な欲望を答えてしまう。 あまりの色欲から、男は競走馬にされてしまった。 それは人間以上の厳しい競爭社會。速くなければ生き殘れない。 生き殘るためにもがき、やがて摑んだ栄光と破滅。 だが、まだ彼の畜生道は終わっていなかった。 これは、競走馬にされてしまった男と、そんなでたらめな馬に出會ってしまった男達の熱い競馬物語。 ※この物語はフィクションです。 実在の人物・団體・國などと一切関係がありません。 2018/7/15 番外編開始につき連載中へ狀態を変更しました。 2018/10/9 番外編完結につき狀態を完結に変更しました。 2019/11/04 今更ながらフィクションです表記を追加。 2021/07/05 書籍化決定しました。詳細は追ってご報告いたします。 2021/12/12 書籍化情報を追記
8 63疑似転生記
技術進歩著しい世界ではVRゲームを活用した學習が行われるようになった。そんな世界で父親が開発した全く売れなかった異世界転生を可能にしたゲームをプレイしてみることになった少女の物語。
8 112妹と兄、ぷらすあるふぁ
目の前には白と黒のしましま。空の方に頭をあげると赤い背景に“立ち止まっている”人が描かれた機械があります。 あたしは今お兄ちゃんと信號待ちです。 「ねぇ、あーにぃ」 ふと気になることがあってお兄ちゃんに尋ねます。お兄ちゃんは少し面倒臭そうに眠たそうな顔を此方に向け 「ん? どうした妹よ」 と、あたしに話しかけます。 「どうして車がきてないのに、赤信號だと止まらないといけないの?」 先ほどから車が通らないしましまを見ながらあたしは頭を捻ります。 「世間體の為だな」 お兄ちゃんは迷わずそう答えました。 「じゃああーにぃ、誰もみていなかったらわたっていいの?」 あたしはもう一度お兄ちゃんに問いかけます。お兄ちゃんは右手を顎の下にもって行って考えます。 「何故赤信號で止まらないといけないのか、ただ誰かのつくったルールに縛られているだけじゃないか、しっかり考えた上で渡っていいと思えばわたればいい」 ……お兄ちゃんは偶に難しい事を言います。そうしている間に信號が青に変わりました。歩き出そうとするお兄ちゃんを引き止めて尋ねます。 「青信號で止まったりはしないの?」 「しないな」 お兄ちゃんは直ぐに答えてくれました。 「どうして?」 「偉い人が青信號の時は渡っていいって言ってたからな」 「そっかー」 いつの間にか信號は赤に戻っていました。 こんな感じのショートストーリー集。 冬童話2013に出していたものをそのまま流用してます。 2016年3月14日 完結 自身Facebookにも投稿します。が、恐らく向こうは二年遅れとかになります。 ストリエさんでも投稿してみます。
8 197進化上等~最強になってクラスの奴らを見返してやります!~
何もかもが平凡で、普通という幸せをかみしめる主人公――海崎 晃 しかし、そんな幸せは唐突と奪われる。 「この世界を救ってください」という言葉に躍起になるクラスメイトと一緒にダンジョンでレベル上げ。 だが、不慮の事故によりダンジョンのトラップによって最下層まで落とされる晃。 晃は思う。 「生き殘るなら、人を辭めないとね」 これは、何もかもが平凡で最弱の主人公が、人を辭めて異世界を生き抜く物語
8 70拾ったのはダンジョンコアでした!?
僕は前世の記憶を持つ子供だった。 僕は前世の記憶が蘇った時には孤児になり住んでいる村の村長さんに育てられていた。 僕はいつも通り村長さんのお手伝いをしていると森の中で水晶を見つけた。 水晶は水晶ではなくてダンジョンコアだったのだ。 ダンジョンコアを拾った僕はダンジョンマスターになった。 これはダンジョンコアを拾ったことでダンジョンマスターになった僕の物語
8 164自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十數年酷使した體はいつのまにか最強になっていたようです〜
世界一強いと言われているSSSランクの冒険者パーティ。 その一員であるケイド。 スーパーサブとしてずっと同行していたが、パーティメンバーからはただのパシリとして使われていた。 戦闘は役立たず。荷物持ちにしかならないお荷物だと。 それでも彼はこのパーティでやって來ていた。 彼がスカウトしたメンバーと一緒に冒険をしたかったからだ。 ある日仲間のミスをケイドのせいにされ、そのままパーティを追い出される。 途方にくれ、なんの目的も持たずにふらふらする日々。 だが、彼自身が気付いていない能力があった。 ずっと荷物持ちやパシリをして來たケイドは、筋力も敏捷も凄まじく成長していた。 その事実をとあるきっかけで知り、喜んだ。 自分は戦闘もできる。 もう荷物持ちだけではないのだと。 見捨てられたパーティがどうなろうと知ったこっちゃない。 むしろもう自分を卑下する必要もない。 我慢しなくていいのだ。 ケイドは自分の幸せを探すために旅へと出る。 ※小説家になろう様。アルファポリス様でも連載中
8 186