《【書籍化&コミカライズ】追放悪役令嬢、只今監視中!【WEB版】》71:本

「初代聖伝説と同じよ。二人で一人の王子様を賭けた、の勝負。勝った方が聖で、負けた方が魔。分かりやすいでしょ? ただし私の場合、勝つのは決まっていたけどね。クロエは必ず斷罪されるし、私と私が選んだ王子様のの力で封印される……そう言うゲームなの」

意味を理解するのを、脳が拒否している。こ(・)の(・)(・)は何を言っている? ゲームだと? 二人の出會いも、救ってくれた事も、健気にいじめに耐えていた事も全て、彼の中ではゲームだったとでも言うのか。

その事実を噛みしめると同時に、だんだんと頭が冷えてくる。自分は、何をやっていたのだ。何が『真の聖』だ。クロエを疎ましく思うあまり、正反対に振る舞うモモに清らかな乙像を勝手に夢見ていた。その結果、多くの男たちが振り回され、自も王位継承権爭いに敗れ……とんだ笑い話だ。稽過ぎて笑えない。怒りすら湧いてこない。

「だとすると……クロエ、いや俺たちは、まんまと貴様に嵌められたと言う事だな」

「人聞きの悪い事言わないでよ。彼が私をいじめたのは本當よ。それは貴方も知ってるでしょう? 役割とは言え、嫉妬に狂ったのやる事ってえげつないわよね。クロエが破滅するところを見る度にざまぁって思ってたわ」

さっきからモモの言っている事がおかしい。クロエが破滅したと言えるのは、あの斷罪劇ぐらいだ。なのに何度もそんな場面を見てきたかのように言う。だがレッドリオにとって、そんな事はどうでもよかった。

「私(・)が(・)選(・)ん(・)だ(・)王(・)子(・)様(・)と言ったな……それは、俺の事じゃないんだろう? やはりロックが好きだったのか」

いつでも抜けるよう、剣の柄に手をかける。いい加減、レッドリオも利用された事に気付いていたが、彼の目的がまだ分からない。自分に取りって、初代聖のように王妃の座を狙っているにしては、八方人過ぎる。レッドリオを含め、全員がいい『お友達』に留まっていたのだ。

だが彼の指摘に、モモは不快そうに顔を歪めるだけだった。

「ふざけないで。好きじゃないわよ、あんなイケメンでもない男」

だが、とモモの否定に反論しかけた言葉は、驚愕に飲み込まれた。モモの目が、真っ赤に染まっている。自分とも違う、毒々しいだ。膨れ上がる魔力を知した『コドモドラゴンの瞳』が警鐘を鳴らす中、モモは笑っていた。

「さぁ、お喋りはここまで。起きなさい、魔ヨルダ。そしてあんたのお仲間クロエ=セレナイトの魂を食らい盡くしてあげて」

「やめろ、モモ!!」

「教えてあげる、誰が聖(ヒロイン)なのかを!」

周りの魔水晶が反応して赤いを発している。

次の瞬間、パンッと音がして、クリスタルが々に砕け散った。

※ツギクルブックス様より書籍版が10月10日に発売となります。

※書籍報は活報告にて隨時更新していきます。

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