《【書籍化&コミカライズ】追放悪役令嬢、只今監視中!【WEB版】》276:する般若
試すような言いが自に映ったのか、ロックはムッとをひん曲げた。
「言ってる側からお前は……覚悟は出來てんだろうなぁ?」
「え? それって、私も含むの? わっ!」
腕の中に急に何かもしゃもしゃした塊が飛び込んできたので、慌ててけ止める。ロックがベッドの下にいたのを引っ張り出してこっちに投げ出したメランポスだ。
「ちょ、いきなり何……きゃはははは、くすぐったい! やだ、そんなとこ舐めないで……」
私に飛び付いたメランポスは、涙に濡れた目元に飽き足らず、首や耳付近まで容赦なくペロペロ舐めてくる。
(く、くすぐったい!)
堪え切れずに笑い出してしまう私を、ロックは意地の悪い笑みでニヤニヤ見守っている。あー、真壁君に似てるかも、という印象を抱いた理由が何となく分かったわ。基本は優しいんだけど、たまにこういう時あるのよね、ムカつく。
「ロ、ロック……もう言わないからこれ、やめさせ――」
バキャ!!
「うおっ、何だ!?」
「び、びっくりしたぁ……」
メランポスを引き剝がそうとした私の耳に、突如轟音が鳴り響いたと思えば、後ろのドアが吹っ飛んだ。
誰よ、この幸せ空間を破壊するお邪魔蟲は……と恨めしげに振り返った私は、者を見た瞬間ぎょっとして固まる。
そこには剣を手にしたレッドリオ殿下が、般若のような顔で立っていたのだ。
(な、何故殿下がここに……!?)
今の今まで頭から抜け落ちていたが、そう言えば殿下も最後の戦いに參加したので、ここにいてもおかしくはない……とは言え、王族が滯在するには山奧はきついので、勝手に王都に帰還されているものだと思い込んでいた。
それにしても、乙ゲームのメインヒーローにあるまじき憤怒の表は、これまでのクールな殿下には似つかわしくない。一何が殿下を、ドアを破壊させ乙の寢室に踏み込ませるまでに駆り立てたのか……あ。
(そうか、殿下もまたモモ爭奪戦の最有力候補……むしろ隠しシナリオはレッドリオルートからの派生じゃない。今の時點で彼と結ばれるのはシンかロックだと思ってたけど、殿下だって本命の一人だわ)
何せ私と婚約破棄をしたので、現在はフリーだ。魔化してからは失したようだが、元の純粋な彼はきっと、殿下がしたモモそのものに戻れるだろう。
そんな彼の部屋に、強力なライバル兼馴染みと悪役令嬢。放置しておけるはずがない。
しかし別に彼を害する意思はないと、言い訳を聞いてもらえる雰囲気にはとても思えない。とりあえず今は冷靜になってもらうため、現狀のみについてれておく事にした。
「何事です、殿下……まだわたくしの神力は完全ではありませんので、ドアの修復は出來ませんわ。用の時はノックをお願いします」
アイテムの鑑定もしたから、本日の神力が空なのは噓じゃない。とは言えし挑発的に取られてしまったのか、はたまた我に返ったのか。レッドリオ殿下のお顔が真っ赤になった。
これは、逆ギレされる!? と構えていると。
「……何だそいつは」
モモの方を見もせずに指差したのは、私が抱っこしているメランポスだった。
えー、そっちですか??
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※「がうがうモンスター」「マンガがうがう」にてコミカライズが連載中。
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