《【書籍化&コミカライズ】追放悪役令嬢、只今監視中!【WEB版】》279:拒まれた謝罪の裏側

「確かにそれは當初の目的だった……だが今となっては意味がないのではないか? モモもお前も前世の記憶とやらのおかげで、我々が認識する人格ではなくなっている。こうなるともう、斷罪自が不當にしか思えないのだが……」

「それは結果論に過ぎませんわ。しでかした事についてのけじめはつけたいと、王太子殿下にもお伝えしております。ついでに言うならわたくしの場合、人格は……」

「けじめと言うなら、俺がお前を――!」

斷罪を取り消そうと躍起になる殿下に、だんだん面倒になってきた。今まではどんなに纏わりついても素っ気なかったのに(やり過ぎていたので當然だ)、どういう心境の変化なのか。何て言うか……レッドリオ殿下らしくない。

(それを言うなら、表面上は私も他人の事言えないのだけど。だから別人なんて言われちゃうのよね)

「聞いているのか、クロエ! 罪を犯したと言うなら、その原因は俺にもある。お前一人が償う必要など」

「聞いておりますとも。ですから斷罪については既に納得していますので、謝罪は必要ありません」

「プッ、ハハハハハハ!」

口論が堂々巡りに陥りかけたその時、突然ロックが大笑いした。冷靜に返していたようで、思いがけず白熱していた事に気付き、殿下とはお互い気まずげに顔を見合わせ口を閉じる。こんなにも本気でぶつかり合うなんて、初めてだったかも……

「王子様もう諦めろよ。そいつすげぇ頑固だからさぁ、もう気の済むまでやらせてみれば?」

「知った風な口を利くな! クロエの味方であるような素振りで、結局は貴様が選ぶのはモモなんだろう!?」

怖いもの知らずにも軽口を叩くロックに、激昂して噛み付く殿下。いやいや、私の味方である事とモモは関係なくない? 彼が何より大事なのは、そりゃあよーく知ってますけども。

「クロエ、こいつはあの瓦礫の中で、お前ではなくモモを庇っていたんだぞ!」

ロックを指差しながら、何故か勝ち誇ったように気を失った後の出來事を告げる殿下。モモを庇ったから、ロックは信用ならないと言いたいのかしら。今まで散々貴方がたがやってきた事ですが?

「……それがどうかしましたか? ロックがモモを守るのは、息をするのと同じぐらい當然の事ではありませんか。むしろ他の人たちは何をしていたんですか。婚約者を捨ててまで手にした、真実のはどこへ行ったのですか!」

ついでのようにモモハーレムの人たちの薄さを詰ってみるが、崩れ落ちる瓦礫から咄嗟に庇う時に細かい事気にしてられないわよね。案の定、ロックからツッコミがる。

「そう言ってやるなよ……俺がモモを庇ったのは位置的な理由で、あの時はレッドリオ王子の『防魔法シールド』からはみ出さないように、みんな狹い思いをしていたんだ。お前だって同じように王子に庇われていたんだからな」

やっぱり、そんなものよね……って、え?

殿下が、私を……?

※ツギクルブックス様より書籍版・電子版、モンスターコミックスf様より漫畫版が発売。

※「がうがうモンスター」「マンガがうがう」にてコミカライズが連載中。

※書籍報は活報告にて隨時更新していきます。

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