《【書籍化&コミカライズ】追放悪役令嬢、只今監視中!【WEB版】》299:甘い橫道
「そうだね、貴には知っておく権利がある。いいよ、僕の事を話そう。その上で、貴がどうしたいかを決めてしい」
そう言って語り出したイエラオ殿下の一連の事に、私はついていくのが一杯だった。初代聖チェリーの宿敵にして親友、魔ヨルダの子孫であり生まれ変わりの私をもってしても、理解の範疇を超えている。
この世界は、前世の私たちの知る乙ゲームだけではなく、全く別のゲームの歴史も折り重なって存在していた。そしてイエラオ殿下ともう一人の転生者カナリア様は、両國に待つ滅亡の未來を防ぐためにいていた。
悪役令嬢である自分の破滅回避に一杯だった私には窺い知れなかった事実だ。
長い長い話の間に、周囲はすっかり暗くなっていた。丸テーブル付近の細長い棒に引っかけられたカンテラには燈りが點され、殿下の側近がお茶のおかわりを淹れたりケーキスタンドにサンドウィッチや焼き菓子を補充する。
「ありがとう、サンド。このお菓子、素樸だけど山奧の宿で出されるメニューにしては、なかなかレベルが高いよね」
「こちらはモモ様がお作りになられたのを、お二人に召し上がって頂けるよう頼まれました」
王太子側近のサンドがそう答えたのに、私は思わず反応する。
「えぇっ、これが!? わたくしがいただくのは初めてなんですけど、こんなにおいしかったなんて……か、完敗だわ」
「こっちじゃヒメモモバナは手にらないし、兄上たちが食べたのと全く同じではないけどね」
クスクス笑うイエラオ殿下。初めてと言いつつ、実は虹クリではクロエはモモのお菓子を食べている。二學年との合同合宿の際、お目當ての攻略対象とパーティーを組んでダンジョン攻略を行うのだけど、レッドリオルートか隠しルートであれば、モモはレッドリオにくっついてくるクロエとも共闘するのだ。
(今は隠しルートとほぼ同じだし、私も実際レッドリオ殿下にくっついていたから、彼と一緒だったはずなのよね。休憩中に殿下から食ってみろと言われて口にれられた……はずなんだけど、この辺りの記憶が定かではないわ)
いくら思い出そうとしても、浮かんでくるのはモモ視點のゲーム報ばかり。よっぽど憤怒と嫉妬に意識を支配されていたのだろうか。もったいない事をした……と思っていたのだけど。
モモの手作り焼き菓子は、レッドリオ殿下の言う通り素樸ながらも優しい味で、彼の真心がじられた。純粋な見た目やインパクトのある濃さはないけれど、ホッとするような……これは、おまじないアイテムなんて必要ないわよね。
さて、サンドがワゴンと共にその場を離れると、イエラオ殿下は真顔になってテーブルに視線を戻した。
「――とまあ、これが裏で起こっていた事なんだけど、理解してもらえたかな?」
「えーっと……ちょくちょく挾まれる惚気は必要だったんですか?」
見當違いと知りつつも、とりあえず突っ込んでみる。ムーンライト侯爵を味方につけて、王家の真実を聞いた、で済む話だと思うのだが。イエラオ殿下は何を當たり前の事を、と首を振ってみせる。
「そこが一番重要なとこじゃないか。僕がここまで頑張ったのは、彼への故だからね」
「はあ……左様ですか」
盛大な惚気話を聞かされたこっちはたまったものではないのだけど、それ以上ツッコむ勇気はなかった。
※ツギクルブックス様より書籍版・電子版、モンスターコミックスf様より漫畫版が発売。
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※書籍報は活報告にて隨時更新していきます。
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