《【書籍化&コミカライズ】追放悪役令嬢、只今監視中!【WEB版】》306:ペガサスの馬車
イエラオ殿下から、ナンソニア修道院行きの馬車はこちらで用意すると言われていた。てっきりシトゥム街で調達するものだとばかり思い込んでいたのだが……
「ふわぁ~、ペガサスがいっぺぇだ! 初めて見たけど、ほんとに馬に羽が生(へ)ぇてんだなー」
モモが馬車に繋がれているペガサスたちをペタペタって歓聲を上げている。慣れているのか、彼らの反応も大人しいものだ。
芹菜の覚では、ペガサスと言えばおとぎ話の生きで白馬というイメージが強かったが、モモの言う通り普通の馬にと同の翼がくっついているので、むしろ白馬が珍しい。
そして私たちの使う馬車のペガサスは、一頭はお兄様が譲られたビャクヤと同じしい白馬、もう一頭は黒いに小さな白い斑點がまばらについていた。
「いい馬ね。名前は何て言うの?」
「こっちの白馬はホワイティ辺境伯からの贈りで、クロエ嬢にだって。ビャクヤの兄弟で、聖を乗せる神聖な馬という意味を込めて『セイント』と」
聖どころか、まだ立場は罪人なんですけど。いいのかしら、そんな仰々しい名前つけたりして。教えてくれたイエラオ殿下に、モモは黒馬の方を指差して訊ねている。
「なあなあ、王子様。こっちの強そうな方はなんて名前(なめぇ)だ?」
「ああ、夜空に星が散っているように見えるだろ? だから『セイヤ』って呼ばれてる」
はあ、ペガサスの『セイント』と『セイヤ』ね……いや、二頭それぞれの名前なんだし。大ここ異世界だし、深く考えなくてもいいわね、うん。
微妙に気になるネーミングに引き攣りそうになる顔をぶんぶんと振り、私はシンたちと荷を馬車に詰め込んだ。
「牧師様、將さん、お世話になりました。帰りにまた立ち寄ってもいいですか?」
「どうだろうなあ……ダンジョンもなくなったし、もう時だろうな」
改めてグレース夫妻に頭を下げてお禮を言うと、將さんはぶつくさ言う牧師様を小突く。
「この宿六、この子が帰ってくる時までくらいは何とか持たせるんだよ! ……いつでもおいで。あたしらも娘ができたみたいで、楽しかったよ」
ぎゅっと抱きしめてくれる將さんは、やっぱりどこか亡くなったお母様を思わせて、涙が込み上げそうになった。ふと視線をじて振り返ると、今回は一人で來たらしいお父様がじっとこちらを見ている。
自分で決めた事とは言え、またしばらくお別れなのは寂しい。目元を拭うと、私は眥を上げてお父様と向き合う。
「行って參ります」
「ああ……」
「お父様」
「何だ」
「わたくしは……『恥ずかしい娘』でしたか?」
お父様の目が見開かれる。「誰が、そんな事を」とだけがいたが、逸らすのを許さないとばかりに見つめていると、ただ固く目を瞑る。こ(・)の(・)時(・)間(・)軸(・)において、お父様はそのような言葉を口にはされなかったのだろう。あれは夢で、ゲームの話だ……それでも、はっきりさせて自分の中で決著をつけておきたかった。
※ツギクルブックス様より書籍版・電子版、モンスターコミックスf様より漫畫版が発売。
※「がうがうモンスター」「マンガがうがう」にてコミカライズが連載中。
※書籍報は活報告にて隨時更新していきます。
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